言葉が変われば、人生が変わる。
言葉はその人の心を映す鏡のようなものだ。
高校時代の現代文の授業で、そう思ったのを今でも覚えています。
◇◇◇
そのとき授業で取り扱っていた文章では、「外国人・ガイコクジン・ガイジン」と、言葉が使い分けられていました。
意味するところは、どれもほとんど同じです。
しかし、後者になるにつれて、冷たさ・よそよそしさを強く感じるのではないでしょうか。
文字にしてみればわずかな違いですが、それを聞いた人の印象は大きく変わります。
些細なことだけどこの違いが周囲の人を傷つけることもある、そのような考えが芽生えたことを記憶しています。
以降、僕は「外人」という言葉を一回たりとも使っていません。
僕は、昔から言葉に対する思い入れが強いです。
母が日本語教育の現場で働いていたことが、その要因かもしれません。
小学生のころ、友達と対戦ゲームをしているときに過激な言葉を使い、注意を受けたことを今でも覚えています。
言葉には話し手の人柄が表れる、僕はそう強く感じています。
逆に、使う言葉が人柄を形成することもあるかもしれません。
いずれにせよ、言葉と人柄には密接な関係があると感じるのです。
◇◇◇
友人と「おまえ」という言葉について語ったことがあります。
ここからは、この「おまえ」という言葉を例にお話ししていこうと思います。
「おまえ」という言葉を使われて気分のいい人は、現代においてはあまりいません。
にもかかわらず、日常の中で耳にする機会の多い言葉です。
無意識に出てしまう、という方も多いかもしれませんね。
これからも、日常生活の中で「おまえ」という言葉を聞く、もしくは発することがあると思います。
そんなとき、その言葉に不快感を感じる人がいる、ということを意識してみてください。
ほんの小さなことではありますが、相手への思いやりがそこに生まれます。
その意識が積み重なり、気づけば「おまえ」という言葉が口から出ることはなくなっているでしょう。
言葉遣いという小さな意識で、人柄が少しづつ変わっていくのです。
◇◇◇
ここまで、人柄への影響をお話ししましたが、最後にもっと直接的なデメリットに触れたいと思います。
それは、「おまえ」という言葉を使ったその時点で、悪い印象を持たれてしまう可能性があるということです。
家族や恋人が店員さんへ横暴な言葉を使っていてショックを受けた、という話を耳にしたことはないでしょうか。
これはまさに、言葉による人柄への影響といえます。
人柄は基本的に他人からの評価です。
自分では横暴な立ち振る舞いだと思っていなくても、他人にそう認識されたらそれが人柄になってしまいます。
偶然、何気なく発した言葉が人生を変えることもあるでしょう。
でも、それが全て偶然だということはできません。
「何気なく」発した言葉は、間違いなくその人の人生、経験、思考などから生まれたものです。
「神は細部に宿る」といいます。
言葉を丁寧に扱うことが人柄を形成し、その人柄は言葉の扱いをさらに丁寧にする。
普段は意識されることもない言葉へのこだわりが、あなたを変えてくれるはずです。
言葉は人生を変える力を持つ、そう信じています。
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