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声だし解禁!今年はフェス?サマソニ・フジロックなど満足度比較分析
こんにちは。ベトナム在住ライターの寺内です。
夏と言えばお祭りやビアガーデン、プールや海などさまざまなイベントが目白押しな季節ですね。皆さんは今年の夏のご予定はいかがでしょうか?
大きな音楽フェスも夏に集中しているイメージがありますが、Knowns Bizで「音楽フェス・ライブ・コンサート」ジャンルで検索すると、日本のロックフェスの満足度がとても高いことに驚きました。
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今回はKnowns Bizを用いて、満足度上位3つの人気のフェスについて分析してみます。
満足度上位のフェス
RISING SUN ROCK FESTIVAL
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1999年から北海道石狩で開催されている屋外フェス。“日本初の本格的オールナイト野外ロックフェスティバル”として、夜から翌日の明け方までライブを楽しめ、邦楽ロックアーティストが多数出演します。
会場ではキャンプ道具の貸し出しや「フェス飯」と呼ばれる屋台、北海道ならではのご当地グルメの出店のレベルも高いそうです。
FUJI ROCK
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1997年から開催されており、以前は山梨県の富士天神山スキー場で開催されていたことから“フジ”の名がついています。現在は新潟県・苗場スキー場で開催され、自然豊かな立地でアウトドアも同時に楽しめます。
国内外の人気アーティストがジャンルを問わず参加し、ステージ数も日本最大規模の音楽フェスです。
SUMMER SONIC
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2000年から開催されている国内外のアーティストが多数参加するフェス。会場が関東(千葉)と関西(大阪)の2ヵ所で同時に行われる「巡回型」フェスで、1日目に関東でライブをしたアーティストは、2日目に関西へ移動してライブをおこなうなど、出演アーティストを総入れ替えするのが特徴です。
また屋内会場もあり、交通アクセスのよさからも日帰り参加可能なため「都市型フェス」とも呼ばれています。
フェス観客の比較分析
まずはそれぞれの分析を見てみます。
デモグラ比較
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Knowns Biz調べ:FUJI ROCKのデモグラ
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デモグラフィック分析を見てみると「RISING SUN ROCK FESTIVAL」は女性の観客が他2つに比べ、やや多いようです。観客の年代では、30代後半〜40代前半あたりが最も多く、ジャンル全体では20代後半以降から40代の構成比が高く出ています。
「FUJI ROCK」は男性と既婚者層がやや多いです。観客層は40代前半あたりが最も多く、構成比は20代と30代後半〜40代前半が高いです。
「SUMMER SONIC」は男女比や婚姻・子供の有無は「FUJI ROCK」と似通っていますが、20代の観客は最も多いようです。また観客層・構成比共に20代〜40代と他の同ジャンルと比べ高く出ており、幅広い年代に選ばれています。
年代別比較
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年代別の分析を見てみると、「RISING SUN ROCK FESTIVAL」はやはり特に30代後半〜40代後半から認知・好感度が高いです。
一方「FUJI ROCK」は30代前半〜60代と幅広い年代から50%超えの認知率をマークしています。この中でも歴史の古いフェスだからでしょうか。好感率は20代も高いです。
「SUMMER SONIC」は30代・40代の認知率が高いですが、好感率は20代後半・30代後半が高いです。次回フェス参戦予定率(次回購買率)が20代〜40代と幅広くマークしています。
7Journey比較
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7Journeyを見てみると「RISING SUN ROCK FESTIVAL」は未認知の割合が高いですが、離反・離反予備軍が0.1%とリピーターが多いことがわかります。
「FUJI ROCK」はブランド選好率が29.3%とこの中で最も高く、潜在顧客率も高いです。
「SUMMER SONIC」は「FUJI ROCK」とよく似ていますが未認知の割合が高いですね。
居住地比較分析
3つのフェスの開催地がまちまちなので、観客の居住地も見ていきます。
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3フェスとも関東からの観客が最も多いですが、「RISING SUN ROCK FESTIVAL」は北海道の方が多く、「FUJI ROCK」は東北、そして中部の方も多いですね。元々山梨でやっていたフェスだからでしょうか?「SUMMER SONIC」は関東・関西の会場があるので納得の結果です。
やはりそれぞれの開催地に近いエリアの方が参加する傾向にあるようです。
どんな人が観客?
ではそれぞれのフェス観客のサイコグラフィックを見てみましょう。
RISING SUN ROCK FESTIVAL観客のサイコグラフィック
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「RISING SUN ROCK FESTIVAL」の観客のサイコグラフィックを見ると個人価値観は、“モノ重視”"時間にシビア”“物欲少なめ”な傾向があるようです。
社会価値観は"おりこうさん”"依存分散型”"家族にストレス”で、消費行動においては"お得新品消費”"プレミアム消費”、また"ノスタルジー消費”が上位にきています。
計画を立てて行動し自立していますが、周囲との関係も良好で困った時に相談できる家族以外の他人がいる人が多いようです。買い物においては付加価値があると感じるもの、懐かしさを感じるものを好み、好きなものに対して労力や対価を払うことを厭わない傾向です。
FUJI ROCK観客のサイコグラフィック
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「FUJI ROCK」の観客のサイコグラフィックを見ると個人価値観は、"都会派”“モノ重視”“健康志向”な傾向があるようです。
社会価値観は"ワーカホリック”"家族にストレス”“マインドフリー”で、消費行動においては"ブランド消費”"リターン期待型消費”、また"ノスタルジー消費”が上位にきています。
流行に敏感で自己管理がしっかりできる、コツコツと仕事を頑張る人が多いようです。買い物においても流行や華やかさ、懐かしさに惹かれるようですが、使った金額以上のプラス要素を期待する傾向にあります。
SUMMER SONIC観客のサイコグラフィック
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「SUMMER SONIC」の観客の個人価値観は、"モノ重視”“アウトドア派”な傾向があるようです。
社会価値観は“おりこうさん”"ワーカホリック”で、消費行動においては“お得新品消費”"ブランド消費”"リターン期待型消費”が上位にきています。
社交性が高くじっとしているのが苦手ですが、日々仕事を頑張りつつ家族・周囲の人との関わりを優先する人が多いようです。買い物においては流行や話題のものを選び、労力をかけても安く購入したいと考える傾向にあります。
他の視点で見るそれぞれの特徴は?
相関性があるブランドは?
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「音楽フェス・ライブ・コンサート」ジャンルでの相関性ランキングをみるとレジャー関係、カメラやオーディオ製品、カラオケ、チケットサイトなど、フェスに関連しそうなものが上位に。
しかしそれぞれのフェスで検索をしてみると…
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「RISING SUN ROCK FESTIVAL」は野球ファンの方が多いようです。サイコグラフィックにも出ていましたが、“推し活”傾向があるのでしょうか?
「FUJI ROCK」「SUMMER SONIC」はどちらも飲食チェーンが上位に来ていますが、「サイゼリヤ」と「UNIQLO」が共通してランクインしています。
「UNIQLO」は夏レジャーおすすめアイテムを毎年出しており、シーン別にラインナップも選べるのでフェス参加者が最も購入するファストファッションが「UNIQLO」なのかもしれません。
他のフェスへの関心や認知は?
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それぞれのブランドスイッチ分析を見てみると、現在「RISING SUN ROCK FESTIVAL」参加者が他に検討するフェスとして選ぶのが「FUJI ROCK」に対し、「FUJI ROCK」参加者の場合は「SUMMER SONIC」が選ばれています。
もちろん出演アーティストの違いもあると思いますが「FUJI ROCK」参加者が「RISING SUN ROCK FESTIVAL」の未認知率が70%と高めなのも要因かと思います。
「SUMMER SONIC」参加者が「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」を選ぶのはどちらも都市から近い会場・施設で開催される“都市型フェス”なので納得の結果ですね。
まとめ
RISING SUN ROCK FESTIVALの特徴
・30代に選ばれる、女性がやや多い
・離反・離反予備軍が0.1%、リピーターが多い
・関東・北海道地方で人気
・計画性がある、推し活への労力・出費を厭わないタイプ
・野球好きが多い?
FUJI ROCKの特徴
・40代に選ばれる、男性がやや多い
・30代前半〜60代と幅広い年代から50%超えの認知率
・ブランド選好率、潜在顧客率が高い
・関東・中部・東北地方で人気
・流行に敏感、自己管理や自立しているタイプ
SUMMER SONICの特徴
・20代の観客は最も多い、幅広い年齢層に選ばれる
・次回購入率が20代前半〜40代後半と幅広くマーク
・関東・近畿地方で人気
・社会性が高い頑張り屋さん、流行・話題のものに敏感
以上、比較分析で見られた特徴となります。
全体的にフェスは30代〜40代の比率が最も高いですが、フェスごとにそれぞれ年代・地域の構成に特徴があることが分かりました。
その年の出演アーティストによってもランキングは変わりそうですが、普段聴かないようなアーティストに出会えるのも音楽フェスの魅了かもしれませんね。
フェスの課題とは?
今回音楽フェスについて分析をしてみて、音楽フェスのビジネス面での利点や課題についても調べてみました。
音楽産業・文化への貢献
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音楽産業はコロナ以前までは年間3000億円近くの売り上げがあったものの、2020年・2021年は縮小してます。2022年は再度3000億を超え、コロナ禍の影響で自宅で楽しめるストリーミングの需要が拡大したことが伺えます。
しかしながら、コロナ禍により開催できずにいたフェスが2023年には多く復活し、声出しも解禁ということで、今回の分析で取り上げた各フェスのチケットも完売しています。
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2022年にMMD研究所が行ったオンラインイベント参加者の今後のイベント参加意向やKnowns Bizのフェス参加者の声を見ても、オンライン・オフラインどちらも参加したいという意見が最も多く、コロナ禍を経て、今後オンラインとオフラインが共存していくイベントとなりそうです。
地域活性化・地域の協力
観光地ではない地域でも音楽フェスを目的に全国から多くの人が集まり、地域の活性化に貢献に繋がります。
定期的に地方でフェスが開催されることで交通機関の利用者や、周辺の宿泊施設や飲食店などの利用者が増え、経済効果も期待できます。
しかしながら地方で行うフェスは開催地域の県や市、自治体からの後援が必須です。
2022年に「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル」が、20年間開催地としていた茨城県ひたちなか市から、千葉市へ移転したのが記憶に新しいですが、こちらはコロナ禍の中でのフェスの中止や規模縮小が続いたことによる地域への経済的な打撃が大きかったこと、運営会社のロッキング・オン・ジャパン側も、中止や赤字覚悟のフェス開催は困難として会場変更を決めたとのことです。
フェスはコロナ前まで右肩上がりの経済効果をもたらしていましたが、コロナ禍の中止や縮小を経て、本格的に再始動の今年2023年。
今後フェスが再び音楽産業・開催地域の経済の起爆剤となるといいですね!
筆者のひとこと
「夏の音楽フェス」というと、コロナ禍のロックダウンを思い出します。
2020年以降は各音楽フェスが中止や無観客開催、オンライン開催などをしていました。
特にベトナム・ダナンで厳しいロックダウンだった時に「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2020 in EZO on YouTube」が行われ、8月15日~16日早朝にかけてオンライン配信を観て、元気をもらった記憶があります。
まだ人生で一度も今回分析した音楽フェスに行ったことがないのですが、友人が“フェス飯”の出店などもしているので、機会があればいつか行ってみたいなと思います。
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