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一時は絶滅危機!飲食の枠を超えた独自戦略で復活・ドムドムバーガー
こんにちは。ベトナム在住ライターの寺内です。
みなさんは「ドムドムハンバーガー」ってご存知ですか?
私は子供の頃、ダイエーに行った時によく食べていた記憶があるのですが、最近SNSでもよく目にする機会が多く、懐かしい気持ちになりました。
最近は秘密組織とのコラボメニューも登場した「ドムドムハンバーガー」ですが、一時は“バーガー界の絶滅危惧種”とも呼ばれていました。
あの【秘密組織】をイメージした黒いバーガー登場‼️
— ドムドムハンバーガー (@domdom_pr) January 10, 2024
1月19日スタート「イカデビルバーガー」🐘
イカの唐揚げをどっさり挟みました🦑
醤油ソース×マヨがイカの旨みを引き立てます❗️
⚠️激辛イカデビルソース付き⚠️https://t.co/KwWrcAC2v4 pic.twitter.com/WI9lnKJXkG
そしてKnowns Bizにも昨年末からデータが入っていたので、今回は気になる懐かしの存在、「ドムドムハンバーガー」について分析していきたいと思います!
ドムドムハンバーガー
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ドムドムハンバーガーの歴史
「ドムドムハンバーガー」は1970年、マクドナルドより早く誕生した日本初のハンバーガーチェーンです。
かつて運営していたのはスーパー「ダイエー」で、フードコートを中心に最盛期の90年代には全国に約400店舗以上を出店していましたが、ダイエーの衰退と共にドムドムの店舗も激減しました。
50年以上の歴史を持つバーガー店でありながら、1989~2010年にかけては「失われた40年」と言われています。その理由は現在の運営になるまで、運営会社が数度変わっているため、記録が残っていないものが多いからだそうです…!
このことが以前開催された「DOMDOM POP UP SHOP」の展示物「ざっくりドムドム史」で明らかになり、Twitter(現X)で紹介されると約1万7000回のリツイートと約4万8000回のいいねが寄せられるなど、大反響となりました。
そして2017年よりアミューズメント施設運営会社の再生などの実績を持つレンブラントホールディングスが買収、「ドムドムフードサービス」を設立しました。
現社長の藤﨑忍氏はみずから開業した居酒屋で、常連客に誘われドムドムを運営するドムドムフードサービスに転職し、トントン拍子で社長にまで上り詰めたそうです。
藤﨑氏の枠に囚われないメニュー開発や、ロフトやアパレルとのコラボでオリジナル雑貨や服を通し、「ドムドムハンバーガー」を知らない世代からも人気を得ているそうです。
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まずハンバーガーチェーンの満足率x認知率を調べると、やはりマクドナルドやケンタッキー、モスバーガーが数値高く出ています。
しかしながら「ドムドムハンバーガー」も認知率58.4%と、それほど低くはありません。寧ろ他3つの店舗数と比較すると、「ドムドムハンバーガー」は全国27店舗でこの認知率は悪くないのではないでしょうか?
ドムドムハンバーガー利用者層を分解!
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ドムドムハンバーガー利用者のデモグラ構成比をみると20代後半~40代前半が多いです。男女比では男性の利用者が多く出ています。
また利用者の居住エリアを見てみると、関東が圧倒的に多く、その次に近畿の利用者が多く、店舗数に比例しています。
狙い目はチャンス層や巻き戻し層?
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「ドムドムハンバーガー」の7 Journeyを見てみると、購入意向があるにもかかわらずこの1年買っていない巻き戻し層や、認知はしているが購入経験がないチャンス層が多いことが分かります。
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ファネル分析では認知からの購入意向は高く、また現在購買⇒リピート意向は98.1%とリピーターがとても多いです。購入意向→現在購買への転換率が低いのは、店舗数が少ないため、購入機会を得られていないだけの可能性もあると思います。
未認知だけでなく、過去利用がある巻き戻し層やチャンスがあれば購入に繋がりそうな潜在顧客層をターゲットに戦略を立てるといいかもしれませんね。
どんな人が利用してる?
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サイコグラフィックを見てみると、"倹約家”"アウトドア派”"損得判断家”な方が多いです。
また社会価値観は"出世優先”"ワーカホリック”"人情派”と、さまざまな職業や環境の方に利用されているのでしょうか。
そして消費価値観は"リターン期待型消費”“ネタ消費”が高いことから、コスパやSNSでの話題になるようなものを購入したい傾向がありそうです。
絶滅危惧種からの復活
親会社だったダイエーの不振に翻弄され、400店舗もあった店舗が1/10にまで縮小し、一時は人々の記憶からも消えかけていたドムドムハンバーガー。
一体どのように“絶滅危惧種”から抜け出すことができたのでしょうか?
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ドムドムハンバーガーについてのワードクラウドや意見をみると「美味しい」の他に「懐かしい」「キャラクターが可愛い」の意見の他、「近くに欲しい」という意見も多かったです。
店舗ごとのオンリーワン戦略
利用者の意見をみると、もっと店舗を一気に増やすべきでは?とも感じますが、ドムドムバーガーは店舗数よりもオンリーワンの店舗になれるような出店や店舗づくりに重きを置いているそうです。
コロナ禍には東京「浅草花やしき」千葉「市原ぞうの国」など観光客が激減した商業施設に出店し、社会貢献と共に店舗づくりを行い、見事行列ができたそうです。
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店舗ごとに商品も変えており、「浅草花やしき店」ではレトロな雰囲気に合わせ、以前ドムドムの人気商品だったコロッケバーガーをアレンジした「浅草コロッケバーガー」を販売しています。
また、浅草花やしきがアニメとのコラボイベントを実施する際は、そのアニメをイメージした商品を開発するなど、「浅草花やしき店」の独自性を出した商品を取り合わせています。
「市原ぞうの国店」では千葉の特産品を活用し、ソウルフードであるみそピーナツを用いた「味噌ピーチキンバーガー」を販売しています。
新業態・銀座の「ドムドムハンバーガーPLUS」では以前イベントで好評だった和牛のパティと国産米の米粉で作ったバンズのハンバーガーを主力商品としています。
他店でもメニューは統一しておらず、出店戦略に合わせて商品は少しずつ調整しているそうです。限定のドムドムハンバーガーは単純に食べに行くだけじゃなく、その周辺地域も訪れるきっかけになりそうですね。
ユニークな商品も?奇抜なバーガー
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前半に載せた「イカデビルバーガー」もそうですが、近年のドムドムバーガーは奇抜な期間限定商品が特徴です。
これまでもソフトシェルクラブを一匹まるまる挟んだ「丸ごと!!カニバーガー」や、巨大なカレイフライを挟んだ「丸ごと!!カレイバーガー」を発売すると、SNSでも“映える”と話題になっていました。
象徴されるユニークな商品開発と共に並行して上記のような1店1店の“経営力”を高めていったことが、復活のきっかけになったようです。
サイコグラフィックの“ネタ消費”にも合った戦略で、他のバーガーチェーンにはない奇抜さが、若い世代にも受けているのかもしれません。
話題性抜群!大人気のどむぞうくん
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昔からのロゴマークである「どむぞうくん」の復活の一翼を担っています。
2021年に全国のロフト58店舗でドムドムグッズのポップアップストアを開催したところ、大盛況だったそうです。どむぞうくんのぬいぐるみポーチは発売後2分で売り切れるなど、売り切れ商品も多かったそうです。
また2022年には宝島社より「ドムドムハンバーガー FANBOOK」も発売しています。没バーガー特集や不人気ランキング、描きおろしコミックなど、誌面も盛り沢山なうえ、以前発売後2分で売り切れたどむぞうくんのぬいぐるみポーチと、レトロでかわいい旧ロゴランチトートも付き、大人気だったそうです。付録が魅力的なのはもちろん、内容が面白そうですよね!
実はどむぞうくんの仲間も続々と登場しており、名前をXで募集するなど、どむぞうくんの人気が伺えます。
続々と異なるジャンルとのコラボも
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どむぞうくんがショッカー戦闘員に!?ぬいぐるみ&マスコットが登場!
今回の1月19日から販売する期間限定商品「イカデビルバーガー」は仮面ライダーに登場する秘密組織「ショッカー」とのコラボになりますが、商品発売と同時にどむぞうくんの新しいぬいぐるみボールチェーンとラバーマスコットキーチェーンも販売するそうです。
改造人間を使って世界征服を狙う謎の組織「ショッカー」は1971年から1973年にかけて放送された『仮面ライダー』で登場しています。当時主役の仮面ライダーもさることながら、一体一体の造形が秀逸な怪人たちの人気も高かったそうです。
改造人間を使って世界征服を狙う謎の組織「ショッカー」は1971年から1973年にかけて放送された『仮面ライダー』で登場しています。
当時主役の仮面ライダーもさることながら、一体一体の造形が秀逸な怪人たちの人気も高かったそうです。
![](https://assets.st-note.com/img/1706656496058-UcUDmIoF2v.png?width=1200)
ドムドムハンバーガーのデモグラでは男性の利用者が多いものの、40代後半以降は利用者が少なくなっています。
そして「仮面ライダー」の好感ありのデモグラを見ると、「ドムドムハンバーガー」利用者が少ない層が多いことがわかります。
また、7 Journeyでは巻き戻し層や潜在顧客も多かったので、今回のコラボはショッカー世代へ向けた「ドムドムハンバーガー」のアプローチなのかもしれません。
これまでも様々なアパレルブランドとのコラボも実現しており、ドムドムハンバーガーの勢いの凄さに驚きました。
特にフェリシモが展開するファッションブランド「シロップ.(Syrup.)」とのコラボ商品がとても可愛らしく、私も欲しかった…!と思いました。アパレルとのコラボはSHIBUYA109内のショップ店長をしていた藤﨑社長だからこそ実現しているのかもしれません。
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「ドムドムハンバーガー」のイメージを見てみると、"期待感・ワクワク”"カジュアル・プチリラックス”"リラックス・リフレッシュ”が上位に来ています。
店舗ごとの特長や期間限定を含めた多彩なメニュー、そして年長者にはノスタルジー、若者には新しく斬新な印象を与える「ドムドムハンバーガー」だからこそ、この結果に繋がっているのかもしれません。
まとめ
「ドムドムハンバーガー」に利用者の特徴
・20代後半~40代前半、男性が多い
・倹約家・アウトドア派・損得判断家
・さまざまな職業や環境の方に利用されている
・リターン期待型消費・ネタ消費の傾向
他のバーガーチェーンとは一線を画す戦略で、絶滅危惧種からの復活を遂げた「ドムドムハンバーガー」。
以前マクドナルドとモスバーガーの比較分析を行いましたが、「ドムドムハンバーガー」は異彩を放つ取り組みを行っています。
昔からのファンに加え、新しい世代の方々へのアプローチも成功しているのだと感じました。
今後どのような斬新な店舗やメニューができるのか、楽しみですね!
ちなみに今回は期間限定メニューに着目していましたが、通常メニューで一番人気は「甘辛チキンバーガー」だそうです!
筆者のひとこと
子供の頃にダイエーで親の買い物がてら食べていた「ドムドムバーガー」がこんな進化を遂げ、絶滅の危機を脱していたのを今回の分析で初めて知りました。浅草は一時帰国でも訪れることが多いので「花やしき店」、次回行ってみたいと思います。
またアパレルコラボがもう終了していて残念な気持ちになっていたのですが、公式の通販サイトでどむぞうくんぬいぐるみをはじめ、アパレル商品も販売していました!エプロンとか可愛いです…!
≪本記事は新しいバージョンのダッシュボードを利用しております≫
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