認知度上位の式場サイト分析。ゼクシィ・ハナユメなどの差別化とは?
こんにちは。ライターのSakai Natsumiです。
コロナウイルスの感染が拡大し始めてから、早くも3年近い月日が経とうとしています。
私事ですが先日結婚式を挙げました。子供が産まれたりコロナの問題もありずっと見送っていたのですが、やっと友人たちを招き結婚式を行うことができました。
ウェディング業界は、感染症の大打撃を受けた業界の一つです。
日本にコロナウイルスが上陸した最初の頃に結婚式を予定していた新郎新婦は延期やキャンセルを余儀なくされたり、招待されていたけれど中止になったり、オンラインウェディングに参加したり、、、ウェディング業界の変化や苦労を感じた人は少なくないのではないでしょうか。
現在のウェディング業界はというと、”withコロナ”の方向へシフトし、徐々に結婚式を検討するカップルが増えています。結婚式場の予約もどんどん増え、人気の式場は年内の空きがないところもある程です。
ですが、いざ「結婚式を挙げる!」と決めたはいいものの、何から始めたらいいかわからない。式場はどうやって決めるの?お金はどのくらいかかる?そんなプレ花嫁(=これから結婚式を挙げる花嫁のこと。※すでに結婚式をあげた花嫁は卒花と呼ばれています)の救世主が”結婚式場情報サイト”です。
Knowns bizの調査では、みなさん一度は聞いたことがあるであろうゼクシィが圧倒的認知率を誇っていますが、満足度は他のサイトもとても高い数値が出ていました。
新郎新婦はどのように結婚式場情報サイトを選んでいるのでしょうか?
今回は認知率上位3つのゼクシィ、マイナビウェディング、ハナユメをとりあげて、それぞれの特徴やストロングポイントを掘り下げてみたいと思います。
結婚式場情報サイトとは
「結婚式場情報サイト」と言っても式場情報だけでなく、見学した人や卒花の口コミ、結婚式のイロハまで盛りだくさんにまとめられています。
わかりやすく言うと、物件情報+賃貸や購入にまつわる知識やエリアの特徴などお役立ち情報も載っている物件情報サイトのような感じです。
また、結婚式場情報サイトを通して見学を申し込むと成約特典があったり、割引プランがあったりするので式場へ直接問い合わせるより結婚情報サイトを通した方がお得になります。
最近の風潮として、結婚式場情報サイトではどこもコロナ対策の特集を組み、各式場の感染症対策や密にならないような企画のアイデアなどをまとめたページを設けています。
業界全体でwithコロナの結婚式を応援している印象です。
実際に結婚式を挙げることになりわたしも身を持って実感しましたが、結婚式の形も随分と多様化しています。
家族婚や少人数婚、ふたり婚やフォト婚、密室を避けられるガーデンウェディングも以前より増えていると、プランナーさんに伺いました。
また、打ち合わせもオンラインで出来たり、延期や中止になった場合の費用を負担してくれる保険もたくさんあったり、感染対策を意識したサポート・サービスも充実しています。
こういった企業努力もあり、結婚式の件数増加につながっています。
ゼクシィ
知名度がずば抜けて高く、取り扱っている式場も全国に渡り約2500件と大変多いです。
式場見学の特典が魅力的で、最大5万円分の商品券(10/19現在)となっています。
開放的な雰囲気が人気の式場、「パラッツォ デュカーレ麻布」を例に実際の割引プラン例をみてみると、直前割で2023年の1月までの挙式なら118万円オフのプランがありました。
さらに、2023年4月〜6月の挙式で80万円割引のプランも出ています。
利用しているのは30-49歳が中心です。
この中には、サイトの利用者だけでなく付録目当てで雑誌を購入している利用者もおり、結婚式の情報集めに留まらない需要も伺えます。そのため、一般的に20代30代で結婚式を挙げる人が多い中、30代後半から40代にも利用者が多くみられます。
逆に、若い世代は雑誌よりインターネットで情報収集をするため他の競合に分散され20代前半は特に、知名度に比べ利用者の割合は少ない結果となっています。
Knowns bizの分析から、ユーザーのタイプを細かく掘り下げてみると...
“どんぶり勘定タイプ”、”浪費家”、”快楽思考”が上位に来ていることから、欲求に素直なタイプが多いことがわかります。
付録人気もあり、“ジャケ買い消費”項目が高く出ています。
実際のゼクシィの表紙、付録情報はこちらです↓
付録は、JILSTUARTやスヌーピー、ミッフィーなど女性に人気のブランドやキャラクターとコラボしており、人気を集めるのも納得です。
ゼクシィのオンラインサイトでは、式場の選び方や口コミ、招待する側・される側のマナー、結婚式のペーパーアイテムやウェルカムスペースのアドバイス、内祝いの手配など、ありとあらゆる結婚式関係の情報が網羅されています。
それだけでなく、オリジナルの婚姻届がダウンロードできたり、結婚挨拶や結納、結婚後のお金や保険の話まで”結婚”という大きな括りでさまざまな情報収集ができるようになっています。
こういった豊富な情報量とCMや雑誌による宣伝力、ブランディング力が「結婚といえばゼクシィ」と言われる所以です。
マイナビウェディング
提携している式場は、関東を中心に甲信、東海、関西など約560件。
細かい条件を入力し自分のイメージに合った式場が検索しやすいのが、マイナビウェディングの特徴です。
また、写真が多く360度のパノラマビューで会場の様子がみられるのもマイナビウェディングならではです。
実際に私も、”人前式”や”プロジェクターあり”、”ドレス・衣装の持込料無料”、”オムツ替えスペースあり”など条件を指定して検索し、理想の会場を見つけました。
見学特典は16000円(指輪と合わせて最大34000円)とゼクシィ、ハナユメと比較すると一番少ないですが、マイナビ限定の割引プランは大きい割引額の物もあるので要チェックです。なかでも直前割は空いている日程が限られていたり、準備期間が短くなりますが、式場によってはかなりお得になります。
再び「パラッツォ デュカーレ麻布」を例に見てみると、こちらもゼクシィとほぼ同じ118万円の直前割引プランがありました。
割引額はほぼ同じですがゼクシィは292万円→173万円、マイナビは300万円→182万円なので、プレ花嫁はプランに何が含まれているのか比べて自分のやりたいことに近い方を選ぶことになります。
例えばドレス代がとても低く見積もられていたら、可愛いと思ったドレスを選んだ時に金額が跳ね上がってしまうかもしれません。
カメラマンは友人に頼もうと思っているのにすでにプランに組み込まれている可能性もあります。
利用者側は、安いから!と飛び付かずプラン内容をしっかりみることが大切ですし、企業側はユーザーがこれなら契約したい!と思うセットプランを考えることが求められます。
では、マイナビウェディング利用者についてKnowns bizの分析を見てみます。
利用者の年代分布は25-39歳のパーセンテージが高く、ゼクシィより少し若い層が多いことがわかります。
”ノスタルジー消費”や”定番消費”、”失敗回避型”などの項目が高く、オーソドックスなものや安心・安全なものを好む傾向があります。
マイナビといえば、就職情報サイトが有名です。マイナビ自体の大きさや知名度がサイトの信頼性や安心感に繋がり、こういった消費的価値観のユーザーに選ばれています。
マイナビの強みは、母体の安心感と、就職情報サイトで培った便利な検索システム。さらに、マイナビオリジナルの割引プランです。
ハナユメ
今回取り上げている3社の中ではいちばん認知率は低いですが、満足度は3.89と最も高い数値を記録しています。
ゼクシィとマイナビウェディングがピンクをサイトのメインカラーとしていたのに対し、ハナユメのサイトはくすみ水色と白でまとめられ、おしゃれな式場が厳選されており、”感度の高そうな”印象を受けます。
扱っている式場は関東、東海、関西、九州、中国、四国、東北に約500件と少なめですが、割引プランと見学キャンペーンを売りにしています。
現在は最大41000円がアマゾンギフトやナナコ、ワオンでもらえる見学キャンペーンをやっています。
ハナユメの割引プランというのは、ハナユメ割と言われ半年以内の挙式を大幅に割引するものです。
ゼクシィとマイナビでも取り上げた「パラッツォ デュカーレ麻布」の場合、来年の1~2月に挙げると91万円オフのプランがありました。
元の提示額がゼクシィやマイナビより高いので、いろいろなものがすでに含まれてると予想できます。最初のプランに自分のやりたいことが入っていれば、見積もりをとったら大幅に金額があがってしまった!という自体を避けられます。
これにランクUP得点もつくとかなり大きいですね。
平日挙式だとさらにお得なプランも。
Knowns bizの分析によると、ハナユメの利用者は20-39歳が中心で、3社の中ではいちばん若い層が多いことが分かります。
“損得判断家”、”倹約家”でありながら”どんぶり勘定タイプ”、”物欲旺盛”ということで、最初からたくさん組み込まれて割引の効いたプランがあるハナユメは利用者の価値観とマッチしています。
ここでも、”コスパ消費”や”良いもの良い価格消費”の項目が高いようにユーザーのニーズとハナユメの供給が合致しています。
こういったところが、ハナユメの満足度の高さの秘密です。
まとめ
ゼクシィ
・掲載数、認知率No.1
・ブライダルフェアや式場見学に行ったときのキャンペーン特典の内容が良い。
・雑誌(付録)も根強い人気があり、30代40代に選ばれている。
マイナビウェディング
・検索システムが使いやすい。
・大幅に値引きされるマイナビ割(特に直前割)がある。
・25-39歳の"失敗回避型で安心できるところを利用したい層"に指示されている。
ハナユメ
・来館キャンペーンの内容が良い。(アマゾンギフトカードというのも使いやすい)
・ハナユメ割が充実の内容でお得感が大きい。
・卒花の満足度が高い。
関東圏で上げる場合(地方の場合は取り扱っている式場の多いゼクシィが◎)、式のイメージが固まっていなくて、情報収集も兼ねて使うならゼクシィ。
やりたいことやイメージが決まっておりそれに合った式場を探すならマイナビウェディング。
こだわりの日程がなく半年以内にあげるならハナユメ。
と、利用者は目的によってサイトを使い分けています。
また、価値観の観点から見るとゼクシィは結婚に対して憧れの大きい人など"快楽思考"の傾向があります。
一方でマイナビやハナユメはもう少しお金にシビアで慎重な利用者が多く、その中でもマイナビウェディング利用者は安心や信頼を、ハナユメ利用者はコスパを重視する傾向があります。
企業側はキャンペーン内容や割引プランをフックに引きつけた顧客をどう成約までつなげるか。
自社のサイト利用者の価値観とマッチしたサービスをどう提供するのか。
競合との差別化によるオンリーワン化が鍵となっています。
Knowns Bizとは?
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