大人になってからでも、セルフコントロールを獲得するのは遅くない!
前回の記事では、幼児期のセルフコントロールがその後のQOLを予測する可能性について載せました。
幼いころからセルフコントロールを身につけることが重要であると示されていますが、大人になってからセルフコントロールを身につけるのは手遅れなのでしょうか?
2021年にPNASに掲載された「Childhood self-control forecasts the pace of midlife aging and preparedness for old age」では、興味深い結果が示されました。
この論文は、出生から45歳までの経過を縦断的に追跡調査したコホート研究で、幼児期のセルフコントロールと中年期の老化のペースと老化対策について測定を行っていました。
その結果、セルフコントロールの高かった子どもは、老化が遅いこと、脳機能においても老化の兆候は少ないことが分かりました。それだけでなく、幼少期のセルフコントロールを調整したうえで、成人期のセルフコントロールと老化の関係性を検討したところ、成人期におけるセルフコントロールの獲得がその後の老化にも影響を与えている可能性が示唆されました。
これらの結果は、一概に幼いころからのセルフコントロールだけでなく、成人期に至ってから獲得されるセルフコントロールであっても、その後のQOLにも影響を与えうることを示しています。一方で、幼児期にセルフコントロールを得意としていても、成人期にセルフコントロールが苦手になると、その後のQOLは低下する可能性も同時に示唆されます。
つまり、幼少期から”継続的に”セルフコントロールができるようになることがその後のQOLをよくすることにもつながると考えられます。
KNOTでは、お子さまに合わせて専門家による多角的なアプローチを提供しています。お子さまに関する困りごとを丁寧に評価することで、スキルの獲得や強化によって、認知的な弱みの影響を最小限に抑えられるような介入方法を選ぶことを目指しています。
残念ながら、詳細な評価を行っている機関はまだまだ少なく、そのような支援につながれる機会を得られないことも多い現状があります。
もし、お子さまのセルフコントロールについて気がかりがあれば、適切な評価と支援がある場所を探してみてください。大きく困る前に手を打つことが肝心です。
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