僕の1日
am8:12
僕がお風呂あがりに昨日の鍋を利用して作ったうどんを食べながらバタバタと用意を済ませた彼女はそのままバタバタと仕事へと向かった。いつも通り車の後ろで見送り、バックミラー越しに手を振る。車が見えなくなるまで見送ってから玄関のドアを閉める。ガタンッと少し年期の入ったドアが僕の背中で閉まる。がらんとした部屋を見渡して一人ぼっちを知る。
だから僕はすぐに彼女に"いってらっしゃい"の連絡をする。そうだ僕もうどんを食べておこう。
am8:42
"僕ら"のロゴの制作に取り掛かる。なかなかうまくいかないが、そんなのはいつものことだ。一旦これで置いておくことにして、インスピを溜め込む為に手を付けていなかった作品を見ることにする。
am9:36
"一旦帰る"彼女からそう連絡があった。
どうやら今日の気温は彼女には少し冷たかったようだ。"あの上着ある?"といつも羽織る上着を指定された。すぐさま見つけて用意しておく。
am10:10
一旦帰ってきた彼女は帰ってくるなりジャンパーを羽織り、そそくさと出て行った。もう少しゆっくり話せると思っていたから、少し寂しくなってしまった。彼女が出てったあとすぐまたLINEで連絡しておいた。すぐに電話が来て、彼女が仕事場に着くまでの間他愛もない話をする。
am11:47
なかなかうまく行かないロゴを諦めかけている時に彼女からまた電話がかかる。明るく愛嬌のある声で"おつかれさまです!"と聞こえてくる。きっと仕事がひと段落して移動する前だろう。案の定"あ、ごめんごめん。もう大丈夫!"と僕に話すよう促してきた。明日にはベッドが届くだろうなんてウキウキで話す彼女と粗大ゴミはどうするだとかそんな話をしていた気がする。彼女との電話を切った後僕はすぐに住んでいる地区の廃棄物課に連絡を入れてどう扱えばいいかを問い合わせて彼女へと知らせた。
pm14:59
もうほぼロゴを諦めた。無理!!うまく行かない!
pm15:24
再び彼女から連絡が入り、ベッドどんな感じだろうねーなんて話をしていると唐突に荷物が届いた。まさか今日届くと思っていなかった彼女と僕は若干困惑しながら2、3話して、僕はドアを開けた。配達員さんは手ぶらで立っていてサイン下さーいと彼女の苗字を指定してきた。"あ、荷物かなり重いんで、持ってきます"とかなり重たそうに玄関先まで運ぼうとするので僕はそこまで出てって受け取った。"あ、大丈夫すかっ!?"あ、大丈夫です。
pm16:31
彼女に届いた段ボールのデカさを見てもらおうと写真を送る。いまいち伝わらない。と、ここで僕は今まであったベッドを解体していく。彼女はもうすぐまた一旦帰ってくる。その時に一緒に組み立てられる様にしておかなければならない。
pm16:57
彼女が帰ってきてすぐさまベッドの段ボールへ駆け寄る。"ね、早く作ろ!"これだ。たまに見せるこの子供っぽい笑顔が僕は堪らなく好きだ。ご要望通りにすぐさま制作に取り掛かる。彼女も思った以上に手際良く部品を付けていくもんだから僕は驚いた。"こんなの、1/1プラモでしょ?"その発想は無かった。
pm18:07
彼女は再び仕事へと戻っていった。行きの車から電話をかけてくれたが、ずっと新しいベッドの話で持ちきりだった。
pm20:00
"おそくなる。ごめん"何度も聞いたこの台詞は彼女の帰りが本当に遅くなる事を意味する。だが僕は意に介さない。遅くなろうが何だろうが僕はここで待っていて、帰ってきたらおかえりを言うのだ。何も変わらない。少し時間が遅くなるだけの話だ。
pm:21:59
この日の記事が出来たので彼女へリンクを送る。感想が楽しみだが未だに聞けていない。気に入らなかったのだろうか?
pm23:01
お腹の減り具合が限界に達して、僕はコンビニに行く事にした。何を食べたか覚えていない。彼女と一緒でない時は胃に入れば何でもよし精神で兎に角空腹を抑える為に食べている様なものだから、内容なんていちいち覚えていない。
pm23:31
ベッドの作成で出たゴミなどを纏めて、彼女が帰ってきた時にすんなり家で休める様に動く。出来るだけ楽に出来るだけ何もせずに寝て欲しい。それ程彼女は疲れて帰ってくるから。ゴミを片付け終えた後でたいして面白くない何かを見た気がするがそれももう覚えていない。
am0:42
"もう少しでかえる"そう連絡が入った。彼女は帰ると言ってから大体20分後くらいにその場を離れる様で僕の記憶が定かなら、帰る〜着信までの時間も大体20分前後だ。案の定電話がかかってきて、彼女は無事帰ってきた。
"おかえり"
"んーただーま"
こうして僕らの1日は少しずつ終わりに向かっていく。切り取ってしまえば何でもない1日が無数にこの部屋に染み込んでいく。ゆっくりと夜は更けてまた朝がくる。この日の僕はそうやって死んだ。
今日はここまで!
またいつか、与太話を。
んじゃ、また!!