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【絵本 とんことり】~ともだちになろう! 春の出会い

【並べて楽しい絵本の世界】

山の見える町に お引越ししてきた「かなえちゃん」と「おさげの女の子」がおともだち になるまでの おはなし。

春と言えば、この季節に絶対におすすめしなければ!という絵本。

町のそこかしこで、引っ越し屋さんが段ボールを運ぶ姿をみかけます。
今週は、晴れ着姿のパパママとピカピカブレザーの男の子や、おしゃれワンピースの女の子が、道行く姿をたくさん見ました。
昨年は、コロナ禍でできなかった入園入学式も、今年は春の風物詩にもどったよう・・・

私はこどもの頃に引っ越しをすることなく、おとなになるまで同じ町に住み、そこで仕事をしていました。

こどもが保育園にかよっている時期に、山の見える町に引っ越してきました。
自分の体験としてではなく、子に思いを寄せながらこの本を見ることになったわけですが、私も、わが子が新しい街になじめるのか、心配する気持ちでこの絵本を選んだこと を思い出しました。

この春、いつものように「とんことり」を手に取り、ふと今まで読み聞かせをしながら心のすみっこのところで、気にかかっていたことに思い当たりました。

引っ越しをしてきた、かなえちゃんを見かけた「おさげの女の子」のほうの目線です。

段ボールを運ぶ一家の玄関先、一ページ目。
遠くのほうで自転車にまたがって、こちらを見ている女の子がいます。

その日すぐに、荷ほどきにいそがしい かなえちゃんちの玄関に、
とんことり とゆうびんやさんのおとが・・・

ゆうびんうけの下には、すみれの はなたばが ありました。

つぎのひにも。たんぽぽが。でも送り主の姿はみつかりません。

おかあさんと、はじめてお買い物に出た時には、商店街のずっと先に、やはりお母さんに手をひかれてお買い物中の女の子が、かなえちゃんに気づいてこちらを見ています。

三度目の、とんことり の音にとんでいったかなえちゃんが手にしたのはお手紙でした。

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あたらしく通う幼稚園の園庭でも、見学に来たかなえちゃんとお母さんと園長先生を、壁のかげから見つめる女の子。この女の子のドキドキは、まだ誰も気づいていません。

四度目の とんことり の音の主を、かなえちゃんはやっとつかまえます!
やっと会えたふたり。ちいさな声のごあいさつ・・・

大人をほっこりさせることにかけては秀逸な、林明子さんの絵がすばらしい。

歌のようですが「人生は出会いと別れの繰り返し」

では出会いの時。「おさげの女の子」のように、私は人と出会えているかしら。人一倍 引っ込み思案で 弱虫だった私。かなえちゃんに出会えていなかった。

そんな気持ちで今年はこの本を読みました。

いい大人になった私にも、まだ新しい出会いがたくさんあります。
緊張してお腹が痛くなったりもしているのです。
おさげの女の子のように、がんばろうと思っているこの春です。
↓弱虫の自分のはなし。

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s.suzuki
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