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ギンツ・ジルバロディス『Flow』ラトビア、ノアの方舟に乗る黒猫
傑作。2025年アカデミー国際長編映画賞ラトビア代表。ギンツ・ジルバロディス長編二作目。人類が居なくなってすぐ後の世界で、主人公の黒猫は森の中にある猫屋敷で悠々自適の暮らしをしていた。他に猫はいないのだが、庭中に猫の石像が置かれており、近くの山の上には牛久大仏クラスの猫像が建設中(猫視点なので実物よりデカく見える可能性あり)という激アツな猫好きすぎる家主ももういない。そんなある日、突然の大洪水によって住居が水没してしまった黒猫は、偶然通りかかった帆船に乗り込んで放浪の旅を始める。一人暮らしだった気難しい臆病な黒猫は、旅の途中で様々な性格の様々な動物と出会い、ノアの方舟か或いは呉越同舟かといった具合に旅を進めていき、その過程で少しずつ感情的な変化を見せていく。何度も船の縁に乗っては海に転落して死にかけるのだが、同時に水面は自分を写す鏡の役割をしているので、ある意味でその中に飛び込むというのは成長のメタファーなのかもしれないと思うなど(或いは9つの命との関連か?)。また、普段は賢く振る舞う黒猫が、たまに猫に戻るのも可愛い。あと、途中で仲良くなるグリンカンビみたいな鳥(ベビクイワシ?)が本当にグリンカンビみたいになるのが好き。ちなみに、エンドクレジット後に絶妙なサプライズがあるので最後まで座ってましょう。
・作品データ
原題:Straume
上映時間:84分
監督:Gints Zilbalodis
製作:2024年(ラトビア他)
・評価:80点
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