フランチシェク・ヴラーチル『Sirius』ぼくの犬、シリウスのこと
フランチシェク・ヴラーチル長編七作目。東欧の子供映画を観よう!企画。二次大戦機のチェコ山間部の村で、愛犬シリウスと暮らす少年フランチシェクの物語。燃料を乗せたナチスの列車が爆破され、捜査にやって来たナチスは、鉄道員だったフランチシェクの父親を逮捕し、村中の飼い犬を接収しようとするが、フランチシェクは従わない。しかし、よく吠えるシリウスを隠し育てるのは不可能で…云々。アル中だったヴラーチルは本作品の撮影現場でも深刻に酔っ払っていたらしいが、確かにショットが全て弱々しい。シリウスはおおいぬ座の一等星で、夜空で最も明るい恒星だが、6000年後には消滅してしまう、と作中で何度か言及される。戦争の犠牲者の象徴でありながら、6000年という人間には半永久的な時間を輝き続けるという点で、戦争の記憶を語り継ぐというヴラーチルのテーマと交わっている。
・作品データ
原題:Sirius
上映時間:50分
監督:František Vláčil
製作:1975年(チェコスロバキア)
・評価:50点
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