20230407

 毎月七日は五大文芸誌――文藝(季刊のため三ヶ月に一回)、新潮、文學界、群像、すばる――の発売日にあたる。わたしは仕事でこれらの文芸誌の目次だけを閲覧して見どころを伝える記事を破滅派で書いている。以前は発売後だったが――Amazonでの予約数で書店や取次の納入数が決まるシステムが定型化してからだと思う――、目次は大体月の初めか、月末にAmazonのページに載っている。先月、大江健三郎が亡くなったので、どの文芸誌も追悼特集を組んでいる(特に力が入っているのは新潮だろうか)。文學界は新人賞と選評の掲載、群像は全米批評家文学賞にノミネートした川上未映子の最新刊『黄色い家』特集、すばるは文学×アート特集、文藝は『テスカトリポカ』で直木賞と山田風太郎賞をW受賞した佐藤究の受賞第一作掲載とそれぞれ新年度から気合の入りようを窺える。文學界には破滅派同人の作品も掲載されるという快挙。わたしが同人となった五年前は、文壇なんてものとは全く縁のないように感じていた破滅派の躍進を思うと感慨深いものがある。

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