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赤ちゃんの貧血

今回の記事は子どもが生まれたとき、周りにそういった知り合いがいたときに焦らないように覚えておいたほうがいい知識かもしれません。

生まれたばかりの赤ちゃんは出血していたり、新生児溶血疾患(しんせいじようけつしっかん)により貧血になる場合があります。

生後2~3日にみられる新生児メレナ、1か月後にみられる頭蓋内出血(とうがいないしゅっけつ)、未熟児が起こす早期貧血、生後5か月くらいで起きる後期貧血。

他にもいろいろありますが今回はこのあたりを簡単に説明していきます。


1.新生児メレナと頭蓋内出血

どちらもビタミンKが深く関わる貧血の原因です。

ビタミンKは血液を固めてくれる役割を持っています。「血液を固める」というと良く聞こえないかもしれませんが、通常ヒトの血液は少しドロッとしていますよね。

水の入ったナイロンの袋を想像してみてください。
もしこれに少しでも傷がついたらどうなると思いますか?勢いよく水が出てしまい止めることは難しいですよね。ヒトの血液でも同じことが言えます。

通常、成人であれば食べ物から摂取したり、腸内細菌によって作られたりするので不足することは珍しいことなのですが、赤ちゃんの場合だと違ってきます。

ビタミンKは胎盤を通過しにくい性質があるからです。

新生児メレナは血液が固まりにくい赤ちゃんに生後2~3日で起こるもので、消化管から出血してしまう状態のことです。食事での対応ができるものではないためビタミンKの投与と輸血が治療の主体になります。
また、頭蓋内出血も赤ちゃんのビタミンK不足によって引き起こされる貧血になります。


2.早期貧血と後期貧血

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未熟児では体の中を循環しなければいけない血液がどんどん増えるのに対して作られる血液が追いつかず起こる早期貧血になる可能性があります。
対応としては輸血が行われます。

一方、後期貧血は本来出生時までに蓄えられるはずの鉄が足りていないため起こります。
対応としては鉄剤が投与されます。

離乳期になれば鉄がたくさん含まれている食べものを取り入れていきます。
卵黄、レバー、しらす、ほうれん草、小松菜、ひじきなどがそれにあたります。また、鉄の吸収を高めるためにタンパク質、銅、ビタミンCを取ることも必要となります。

生後5~6か月の成熟時でも急速な成長のため乳汁だけでは鉄が足りずに貧血を起こしやすいので正しい時期に離乳を始めなければいけません。


大人の貧血についてはこちら


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