動かないヴィンテージ時計を蘇生させるのだ!意地でも。
去年の夏のことですが、腕時計の電池交換をしてもらったことがありました。
年配のマスターとの対話もあり、とても印象深かったことを思い出します。
それ以来どうも時計のことが気になってしまい、ついついWEB検索してしまう状態に。
もともと古い物やアナログ的な物が好きだったので、ヴィンテージ時計が欲しいなぁと。
ただ古い時計って壊れやすいというイメージがあるし、修理やメンテナンスも大変そうです。
贅沢品で自分には縁が無いものだと思いつつ、某フリマサイトを見ていると時計工具が出品されていました。
しかも意外と安い値段で出品されています。
「ふーん・・・。思っていたよりも安いんだな。」
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・ポチ。
商品を購入しました!
ということで後先考えずに時計工具を購入してしまいました。
そこからはもう止まりません。
必要な工具や時計用オイルを購入したりと完全に暴走状態です。
そして肝心の時計はというと、1960年代のSEIKO時計を昼食代くらいの値段で購入しました。
まあそれはジャンク、つまり不動品ですが。
それを自力で修理再生してやろうという作戦です。
よしやるぞ!ということで分解清掃、組み立て作業を開始しました。
まずは裏蓋を開けて中の機械を見てみます。
こう見ると小さくて複雑、これは苦戦が予想されます。
「随分とちっこいネジだな。」
「むむ!硬くてネジがまわらないぞ!」
「あらら!取れたけどネジ無くした・・・(泣)」
案の定ハチャメチャです。
そう簡単にはうまくいかないもので、何度も作業を繰り返したのですが、時計は直りませんでした。
するとカミさんは「そろそら諦めたら?」と。
いやいや、絶対に直すんだ私は。
半世紀も前に諸先輩方が作ったこの時計を蘇生させたい。
そしてそれを日常使いするのだ!意地でも!
・・・・まあカミさんからしたらいい迷惑かと思います。
いつもスイマセン_(._.)_
と言いながら更に数ヶ月経過。
何度もトライしたのですが、未だ時計は動かず。
部品もキレイに洗浄したし、時計オイルも差しなおしました。
うーむ、何がダメなんだろうか。
なかなか全ての歯車が噛み合わないようです。
あとちょっとなんですが・・・・。
時計は精密機械ですから、気合いと根性で直る物では無いです。
全ての部品に意味があり、理屈通りに組み立てないと動いてくれません。
原理はわかっているのでよく考えれば必ず直せるハズなのです。
しかし根気がいる作業でもあります。
そして遂に直りました!意外にアッサリと。
ある部品が壊れていたようで、別の時計から移植したら動いてくれたのです。
深夜0時過ぎに組み上がった時計は規則的な動きを続けています。
1時になっても2時になっても動いています。
そしてその規則的な動きは翌朝も続いていました。
「な、直ったっぽい・・・!」
いや待てよ。
本当に直ったのだろうか?
しばらく動いているけど、すぐに止まってしまうかもしれない。
日常使いするには信頼性は必要ですが、実用可能なのだろうか。
「なんか心配だな・・・。」
最初のうちは時計が止まってしまうのではと不安な日々を過ごしました。
ですが時計は時を刻み続けています。
会議の最中でも時計は動いているかチェック!
トイレの最中でも時計は動いているかチェック!
電車の吊革につかまっていても時計をチェック!
頬杖ついて考えるフリをしながら時計を耳に当ててみます。
チクタクチクタク・・・・・・
動いています!
やった、遂にやったぜー!
その時計は無事に私の左手に収まり、普段の仕事でも活躍するようになりました。
60年前の時計ですが、今でもちゃんと使えるのです。
文+イラスト : ケーモティック
【追伸】
自力での修理を諦めかけていた時、下記の記事に助けられました。
古い時計に残された痕跡から、かつての持ち主と当時の様子を想う素晴らしい記事です。
おやじの左手さんありがとうございます!
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