自炊のモチベーションが上がらないので、プリキュアを見て献立を決めてみた
突然ですが、皆さま。
“プリキュア”というアニメを、ご存じでしょうか?
2004年に放送が始まった『ふたりはプリキュア』から続き、今年で19作目になるプリキュア。
名前だけでも知っている方は多いのではないでしょうか?
毎週日曜の朝から放送される人気アニメである、プリキュア。
宇宙、あるいは異世界など、人知の領域外から訪れたマスコット的役割を果たす妖精達と契約した少女たちが、伝説の戦士“プリキュア”に変身し、世界を混乱に陥れんとする悪役達に立ち向かう。大体そんな物語です。
いわゆる女児アニメと言うやつで、本来ならば成人男性が日曜の朝にアラーム時刻を設定して見るようなものではありません。
が、しかし。
私の場合、歴代プリキュアファンであった姉の話についていくために、毎週欠かさず……とは行かなくとも、日曜の朝八時までには起床し、完全に目覚めた状態で、プリキュアの活躍を目に、耳に、脳に、収めておかなければならなかったのです。
もちろん、遠く離れた地で独り暮らしをしている姉との会話を潤滑にこなすためであって、仕方なく見ていたのですが。
そうなのです。仕方なく、義務的に履修していただけ。
……そのはずだったのですが。
私の姉は、2022年1月30日に最終回を迎えた『トロピカル~ジュ!プリキュア』を最後に、プリキュアを卒業してしまいました。
私自身、三年前の『スター☆トゥィンクルプリキュア』から視聴を始めた新参者ではあるのですが、突然告げられた姉のプリキュア卒業により、プリキュアを見る理由を失ったのです。
しかし!!
私は、突然プリキュアを視聴する建前……もとい、理由を失ったからと言って、「はいそうですか」と視聴を辞めてしまう程、素直な心は持ち合わせていないのです。
偶然にも、今作『デリシャスパーティ♡プリキュア』は、美味しい料理が題材。自炊しようと志すも、行動に起こせなかった私にとって、これは好機。
女児アニメを見るための建前を即席で組み立てられるのですから。
さて、そんな大義名分を得たところで、
さっそく視聴開始!!
………さて、録画していた第一話を観た感想ですが。
「これ、全てのアニメ第一話の教材にするべきでは?」と言いたくなるほどに、素晴らしい出来でした。
例えば、主人公であるプリキュア候補の和美ゆい、芙羽ここね、花満らんの三人が、一瞬だけすれ違うワンシーン。
芙羽ここねに関しては、車の窓越しに二人を眺めるだけで、ゆいとらん二人と言葉さえ交わしていないのですが、その場面だけで三人の人間性がなんとなく伝わるのは、流石としか言いようがない。
そして、料理の作画がとにかく丁寧。つまり神アニメ。録画していたからといって、深夜に見るべきではなかった、と後悔する程に描かれた料理一つ一つが、厚みのある存在感を抱擁していた。
そして、なにより、物語のキーパーソンがとんでもないぐらいにいいキャラをしている。
言動がクッッッソ可愛いくせに、コミカル、シリアスキャラもこなせて、イケメンにもなれる、ガタイ◎なオネェさんのローズマリーさんこと、マリちゃん。
これから先に作られる新作に登場するキーパーソン達は、
「彼(あるいは彼女)を超えなくてはならないのか?そもそも、キャラの良さで並べるのか?」と戦慄してしまうぐらいに。
あまりにも、“良”さのハードルが高すぎる。
今作が始まって第一話目だが、私は既に君の事が好きだ。
……とまぁ、クソデカ感情が溢れ出さない内に、感想の方は〆させていただきます。
そんな記念すべき『デリシャスパーティ♡プリキュア』第一話を観て、もう既に九割ぐらい心が満たされている状態ですが、本題はここから。
建前の背後には真実が無くては。
やると言ったならば、作らなければなりません。
という訳で、オムライスを作ります。
理由は、本作の料理の妖精『レシピッピ』として登場した料理だからです。
さっそく調理開始!!!!!!
鶏肉の残りが無かったので、具材は玉ねぎとウインナーだけ。
調理前の具材画像は撮り忘れちゃったのでありません。
幸先が悪いですが、気を取り直して、オムライスのライスの部分、つまりチキンライスを作っていきます。
いっぱい食べるから玉ねぎもいっぱい入れといたらいいやろ、の精神で3.5人分想定のチキンライスに一玉を入れてしまった。微塵切りにした手がめちゃくちゃ玉ねぎ臭い。
ちなみに調味料の方は、ケチャップ、コンソメスープの素、なんかピンク色の岩塩、黒胡椒、景気づけのバター。それらをなんかいい感じに調理します。
本来ならば、フライパンで炒めるつもりだったのですが、思ったよりもめんどくさ……いえ、プリキュア本編でフライパンが「ウバウゾー」という悪役として登場しており、なんか良くないと思ったので、我が家直伝の「鍋チキンライス製法」に舵を切りました。
この製法、マジで簡単。具を切り、鍋にぶち込み、炊く前の米と一緒に煮るだけです。
鍋の奥に映っている乾燥ワカメと缶詰めは使いません。
飾りです。
中火で大体十数分ぐらい放置した後の様子がこれ。良い感じに煮立っており、もう既においしそう。この画像を見ていたらすごくお腹が空いてきたので、ご飯を食べてきます。
……冷凍唐揚げとハッシュドポテトと温キムチを食べて、お腹がいっぱいになったので再開します。
調理に関しては、いい感じにできてるといいな~、とか思いながらぼんやりしている間に、突然コンロの火が消えていたりしていましたが、私の計算が正しければ問題ないはず。
覚悟を決めて、御開帳!!
おい!!!!!!!!
めちゃくちゃ焦げてるじゃねーか!!!!!
あまりの驚きに、鍋のフタを閉じてしまった。
しかし、この焦げチキンライスは私が生んだものですから、責任をもって完食せねばなりません。私は我が子の全てを受け入れます。
さてもう一度……ご開帳!!
あれ?
なんだかものすんごい勢いでライスが焦げてたような気がしていましたが、気のせいでした。おいしそー!!!!!(歓喜)
なんとかライスが完成したので、今度はオムライスのオム部分を作ります。
材料は卵二個、塩、砂糖を目分量。
メタメタにかき混ぜた卵を、ごま油をしいたフライパンに入れて、いい感じに回して伸ばす。薄焼き卵自体は、以前に何度か作っていたので得意分野。美しい。あまりにも美しすぎて、十五夜の満月と見間違えた我が家の兎が、アツアツのオムに飛び込んでしまうと危険なので、早々に完成させたいと思う。
アツアツのオムに、チキンライスをドンと投げ込み……
丁寧かつ迅速に包む!
そして皿に盛り付ければ完成じゃい!!!!!!
あとはケチャップでデコっていい感じに………!
ケチャップ失敗しちゃったんだが?
ケチャップデコで犬の鼻を作るつもりが、失敗してシューティングゲームに登場する、ファンネルを使った厄介な攻撃をしてくる四面ボスのような化け物ができてしまったんだが?
でもまぁ、見た目はともかく、味は良い。
玉ねぎの主張が凄く、少しはっきりとした味がする。
焦げ目の味も、香ばしくて悪くないし、卵にも歯ごたえがある。
………それはオムライスに求める要素ではない、という事実には目を瞑ろう。
チキンライスのケチャップ味は少し薄かったが、オムの方でケチャップを増量したので問題はなかったし、味の相殺が起きず、両方の良さが活きていた。という事にしたい。
とまぁ、こんな感じで今回は終わります。
第一回目って大体みんなこんなもんでしょ。
隠し味に、マヨネーズとはちみつと入れると、フワッフワの薄焼き卵(時にそれは芸術品と呼ばれる)が完成するはずだったのに、完璧に入れ忘れてしまったため、オムの部分がめちゃくちゃ硬くなってしまいました。
ですが、ケチャップと卵がうまいのは間違いなくありません。
材料となった食材、製法を伝授してくれた母、そして、自炊をするきっかけとなったプリキュア達に感謝を抱きながら完食。
そして、ようやく私は真理にたどり着きました。
このライス、チキンライスじゃない、ケチャ風味チャーハンだ!!!!!!
あまりにも玉ねぎの匂いが取れなかったので、次の日めちゃくちゃいちご食べた。