素振りの効果とやり方/コツ/フォーム(フォア/バックハンド)初心者は要注意!!
素振りとは、実際にボールを打たずに、ラケットを振ってスイングすることを言います。場所を選ばずに1人でできる練習なので、卓球ではよく取り入れられています。
そんなお手軽さの一方で、間違ったやり方をしていると、大変なことになりかねません。特に、初心者の方は要注意です。
今回は、卓球の素振りの効果ややり方、コツなどについて解説させていただきます。
(1)素振りの効果
まず、素振りの効果について解説させていただきます。
素振りでは、正しいフォームを体に覚えさせることができます。フォームをしっかり確認・改善し、無意識にその動きになるまで、繰り返し行います。
また、素振りはイメージトレーニングにもなります。どんなボールに対して、どのタイミングでどう打つのかを、しっかり考えながら体を動かします。
こうして、イメージと体を連動させることでもフォームを確立し、実際の動きに役立てます。
以上が、素振りの効果です。
(2)初心者は素振りをやらない ほうがいい理由
素振りには、前述したような効果がありますが、初心者はやらないほうがいいです。
これには、以下のような理由があります。
▣素振りを教えてくれる人が頼りにならない
▣間違ったフォームを身につけてしまう
▣効率が悪い
▣モチベーションが下がる
それぞれについて、解説させていただきます。
❶素振りを教えてくれる人が頼りにならない
初心者が素振りをやらないほうがいいのは、教えてくれる人が頼りにならない場合が多いからです。
素振りは、実際にボールを打つわけではないので、どんなに下手な指導者でも教えることができます。例え厚意だとしても、無責任な指導になってしまうケースがほとんどです。
特に中学校の部活では、顧問の先生やボランティアコーチは「昔、卓球部だった」くらいの人が教えていることが多いです。
そういった人たちが教える素振りが、正しいものなのかどうか、経験のない初心者は見極めることができません。ゆえに、素振りは教わらないほうがいいです。
このように、教えてくれる人が頼りにならない場合が多いので、初心者は素振りをやらないほうがいいのです。
❷間違ったフォームを身につけてしまう
初心者が素振りをやらないほうがいいのは、間違ったフォームを身につけてしまうことがあるからです。なぜなら、実際にボールを打たないからです。
実際に打っていれば、ミスをしたり、違和感を感じたりして、フォームを見直すことができます。
しかし、素振りではボールを打ちません。なので、正しいフォームで打てているのか否かの検証ができないのです。
ただラケットを振っているだけなので、気づかないうちに間違ったフォームが定着し、完成してしまうことがあります。
また、素振りは自宅や部活の合間になど、基本的に1人で行うことが多いです。指導者や監督がいない環境なので、間違ったフォームになっていても、指摘してくれる人がいないので危険です。
一旦身につけてしまったフォームを直すのは、想像以上に大変で時間もかかる作業です。
このように、間違ったフォームを身につけてしまうことがあるので、初心者は素振りをやらないほうがいいです。
❸効率が悪い
効率が悪いことも、初心者が素振りをやらないほうがいい理由の1つです。
前述したように、初心者にとって素振りは効果的ではありません。何より、ボールを打つ経験を積むことが大事です。
打つイメージや、感覚がないうちに素振りをしても、無意味です。素振りをするよりも、できる限りボールを打ちましょう。
このように、初心者が素振りをやらないほうがいい理由の1つに、効率が悪いことがあります。
❹モチベーションが下がる
モチベーションが下がるので、初心者は素振りをやらないほうがいいです。端的に言うと、素振りはつまらないです。
私も初心者の頃は、「家で素振りを100回やってこい」などとよく言われていました。昔ながらの感じですね。(笑)
実際にやってみると全然楽しくなく、すぐにフォームも回数のカウントも適当になりました。一瞬にして、素振りは「とりあえずやる」ことだけが目的の、退屈な動作になったのです。
こうした状況が続くと、卓球のおもしろさを知る前に、嫌になってしまいます。
このように、初心者が素振りをやらないほうがいい理由の1つに、モチベーションが下がることがあります。
(3)素振りをするといいのは こんな人
ここでは、素振りをやるといい人について、解説させていただきます。
素振りをするといいのは、ボールを打つことには慣れているけど、打球が安定しない人です。
前述したように、あまりボールを打ったことのない初心者が、いきなり素振りをしても意味がありません。
しかし、打つことに慣れた人なら、どんなボールがどんな風に飛んでくるのかを、具体的にイメージすることができます。合わせて、自分が打ちたいボールのイメージも明確です。
この段階になって、ようやく素振りの効果があると言ってもいいくらいです。
イメージと動作が異なり、思うように打てない人こそ、素振りでフォームを確認してください。問題点を探るように、そして修正するように、じっくりと向き合うことが本当の素振りです。
このように、ボールを打つことには慣れていても、打球が安定しない人に、素振りはおすすめです。
(4)素振りのフォームとやり方
ここからは、素振りのフォームとやり方についてです。
▣フォアハンド
▣バックハンド
それぞれについて、解説させていただきます。
❶フォアハンド
フォアハンドの素振りの、フォームとやり方について解説させていただきます。
まず、基本姿勢では肩幅くらいに足を広げ、足の大きさの半分くらい、右足よりも左足を前にして立ちます。
ラケットは、右脇腹あたりに構えます。
この姿勢から、腰を右にひねり、左肩を前へ向けるようにしながらバックスイングを取ります。
バックスイングでは、懐にボールを呼び込むようなイメージです。
ここから、ラケットを斜め上前方向・ちょうどおでこのあたりにくるようにスイングします。
腕に力を入れると、脇が締まって動きがかたくなってしまいます。なので、腕には力を入れずに、ひねった腰を元に戻す力を利用してスイングしてください。
体重は、右足から左足に移動させます。打つ瞬間をイメージしながら、このときにスイングスピードが一番速くなるようにします。
フォロースルー(打った後の腕の動き)は、力を抜いてリラックスしてください。そして、基本姿勢に戻ります。
これらを、繰り返し行います。
「バックスイング」「スイング」「基本姿勢に戻る」の3ステップで打つと、戻りが遅くなり実戦で使えないフォームになります。
「スイング」「基本姿勢に戻る」を一連の動きと捉えて、2ステップで打つことがポイントです。こうすると、ラケットの動きは、楕円(ラグビーボールのような形)を描く軌道になります。
以上が、フォアハンドの素振りのフォームとやり方です。
❷バックハンド
バックハンドの素振りの、フォームとやり方について解説させていただきます。
足は肩幅くらいに広げ、右足を前にします。足の大きさの半分くらい、左足よりも前にして構えましょう。
ラケットは、おへその前に準備します。
両膝を軽く曲げて、腰を左にひねってバックスイングをとります。フォアハンドとは違い、コンパクトなバックスイングを心がけましょう。
スイングは肘を支点に、前方向へ振ります。
このとき、体重は右足から左足に移動させます。右手のスイングと一緒に、左手の肘から先も外側に広げると、より力が伝わります。
フォロースルーでは力を抜いて、基本姿勢に戻ります。
以上が、バックハンドの素振りのフォームとやり方です。
(5)素振りのコツ
素振りのコツは、以下の3つです。
▣連続して速く振らない
▣ボールを打つイメージで
▣重いラケットを使わない
それぞれについて、解説させていただきます。
❶連続して速く振らない
素振りのコツは、連続して速く振らないことです。鏡の前で1回1回フォームを確認しながら、丁寧にやりましょう。
フォームが固まってないうちから、スピーディーに素振りをしても雑になったり、間違ったフォームになったりするだけです。
素振りは、何度も振ることが大事なように思われがちですが、違います。思った通りの動きができているか、じっくりと確認しながらやるものです。
このように、連続して速く振らないことが、素振りのコツです。
❷ボールを打つイメージで
ボールを打つイメージで素振りをすることも、コツです。フォームを確認するだけでなく、どんなボールに対して、どう打つのかのイメージを明確にしましょう。
こうすることで、実際にボールを打つときに、素振りの動きが再現されやすくなります。
反対に、イメージのない素振りは、いくらやっても役に立たないです。
このように、素振りのコツは、ボールを打つイメージを持ってやることです。
❸重いラケットを使わない
素振りでは、重いラケットを使わないようにしましょう。重いラケットはうまく扱えず、フォームが崩れる原因にもなります。
筋トレをしたいのなら、別でやりましょう。
また、軽いラケットでの素振りでも、疲れたときは休んでください。前述したように、1回1回丁寧にやることが大事です。
このように、重いラケットを使わないことも、素振りのコツの1つです。
♣まとめ
今回は、卓球の素振りの効果ややり方、コツなどについて解説させていただきましたが、いかがだったでしょうか!?
素振りは適切に行わないと、意味がありません。また、数をこなすだけでもダメです。
正しいフォームを身につけられるように、1つ1つの動きを確認しながら、じっくり取り組んで下さい。
次回は、フォアハンドとは打ち方/コツ・基本フォーム/ストローク・ラリー練習を紹介させていただきたいと思います。