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垂れ込み 警視庁追跡捜査係(ハルキ文庫) 堂場瞬一
最新刊を読む。
面白かった。というか、面白くなっていた。
シリーズが続くと、どうしても停滞しがちだが、
次も読みたくなる終わりだった。
他シリーズに比べて、主人公にフォーカスされすぎていないこともあり、
事件や犯人を作り易いということがあるのだろうか。
今の世相を体現した本シリーズ。
「表面上は普通の人間だよ。しかし心の奥には、どす黒いものを抱えている。
この社会には、一定の割合でそういう人間が潜んでいるんだ」
誰もが抱えている。SNS含め、チャネルが増えていく中で、
人はそのどす黒いものを発散し始めている。
溜めていたものが一挙に発散されるのではなく、
徐々に吐き出していたものが、蓄積され、自分の想像以上のものを
作り出してしまう。それが、時に、残虐な犯罪・事件を生み出しているのではないか。
一番、印象に残ったのは、前シリーズで、妊娠が発生した沖田のパートナーだが、
流産してしまったということだ。新たな命が生まれ、その命とどう向き合っていくのかと
思っていたので、そうするかと率直に思った。
シリーズも終盤に向かっているはず、二人の関係と、その二人を取り巻く環境にも
変化が訪れている。どうシリーズを終結させ、新しいシリーズに移行していくかを
楽しみにしていきたい。