mesee(ミーシー)という名前が決まるまで
株式会社KLD 代表取締役 CEOの伊東です。
今回のnoteでは、私たちの新サービス「mesee(ミーシー)」の名前が決まるまで、というテーマで書かせていただきます。
meseeって?
meseeはリユースに関わるすべての事業者のデジタル化を支援するReuse SaaSであり、モノを売りたい・買いたいすべての人が信頼できるリユースストアに出会えるプラットフォームサービスでもあります。
っていうとややこしいので、【リユースに関わる誰もが即日でオンラインリユースストアを立ち上げることができるプラットフォームサービス「mesee(ミーシー)」】で覚えてください。これでも長いよ、と思った方はぜひこの先の「meseeの名付けの経緯」まで読んでください。きっと、心に刻まれるはず。
そこまでまだ興味をそそられていない方は、2022年8月1日(月)にリリースした、とてもわかりやすい下記リリース記事を御覧ください。
※結果として、まぁまぁな文量となってしまった。結論だけ知りたい場合には「6.決まった」へ
新規事業 ブランディングプロジェクトが始まった
まず、Slackでブランディングプロジェクトのチャンネルが作られた。開発責任者の新見は、こんなことまでやってくれる。
なお、当社のSlackではチャンネルの名前は日本語で統一されている。リユース事業・SaaS事業と2つの事業が走る中では様々な人がジョインしてくれている。わかりやすさ第一。心のなかでは、全部英語にしたいと思っている。
KLDがやっている2つの事業については、こちらも2022年7月28日にリニューアルしたばかりのコーポレートサイトを見てほしい。
なお、「ブランディング」という言葉が広義であり過ぎて正直抵抗感もあるのだが、今回のnoteでは一番わかりやすいよねってことであえて、屋号の決定までの過程のことを「ブランディング」と呼ばせていただく。わかりやすさが第一だ。
(Slackチャンネル名もそれに沿っているが、結局BI設計(※)と呼んでいたような気もする)
miroを用いたアイディエーション
meseeのブランディングにあたっては、ビジュアルコラボレーションボード「miro」を用いた。「ビジュアルコラボレーションボード」という言葉もやはり使いたいだけで、言うならばオンラインのホワイトボードだ。
今回のプロジェクトにおいては、meseeのUI・UXデザインでもご協力をいただいている某氏にアドバイザーとして参画いただき、「BIとはなにか」という基礎の基礎から教わった。彼の貢献は計り知れないが、ここで名前を出していいかどうかわからないので、ここではあえて"巨匠(きょしょう)"と呼ばせていただく。決して、社内で日頃からそう呼んでいるわけではない。
ネーミングが決まるまで
”サービス名”という成果物が明確でありながら、そのアイデア出しに至るまでも非常に多くの工程を経て今回のプロジェクトは進んでいった。細部まで書く気力と時間は今はないので、今後小出しにできればと思うが、あわてんぼうの私としては「まだなのか!まだなのか!」と思いつつも、最終段階までに経てきたことが最終的にベースになっていることを実感した際にはとても痺れた。世の中のクリエイティブな人たちは、一見華やかながらも裏でこんな泥臭いことを日々やっているんだ。
ざっくりと、どんな手順でやったのか書いていこう。
1.アイデンティティの言語化
ここでは、meseeという名前は当然まだ挙がっていないので、「KLDのアイデンティティ」という概念的なものを策定した。幸い、KLDにはリユース事業という既存事業がある。本プロジェクトに参加したメンバーの中で認識に相違はないはずだ。
・・・・そんなことはなかった。様々な意見が飛び交い、最初から荒れ果てるビジュアルコラボレーションボード(オンラインのホワイトボード)「miro」。
そんな中からも、とりあえず2つの大きなワードを取り出した。そしてそれを更に深堀りし「○○って、つまりはどういうこと?」ということを言語化していった。そして、それらのワーディングを進めた。
もちろん、これらの行為だけで1回のMTGで収まるはずもなく。ここまでだけでもプロジェクトメンバー全員の時間を数時間費やしている、
アイデア出し⇒グループ化⇒掘り下げる⇒さらに掘り下げる⇒定義づける
ざっくり、こんな過程を経て「KLDのアイデンティティ」という抜群に抽象度の高いものが一定言語化された。
2.仮説ペルソナの設定
仮説ペルソナ、つまりターゲットとなる人々の頭の中を考えていき、「chihuahua(※)はどう思われたいのか」を検討した。ここでも様々な意見が噴出。結果として、「保守的なペルソナ」と「イケイケなペルソナ」ができあがった。それがペルソナの策定の仕方として合っているのかは知らない。出るべくして出てしまったのだから、仕方がない。
※突然の登場で恐縮ながら、meseeプロジェクトは当初「chihuahua(チワワ)」というプロジェクト名で始まった。犬の名前をつけるのは、大体うちのエンジニアだ。
ちなみに、保守層とイケイケ層のイメージはアナログの付箋上で具現化された。
そして、1.で定めたアイデンティティと照らし合わせ、ペルソナの考えることとKLDのアイデンティティがざっくり合ってるよね、的なところまで落とし込んだ。
3.3オブジェクトというワーク
「chihuahuaって〜っぽいよね。」という五感(感覚)の定義をおこなった。今思うとキアヌリーブスっぽさはサービスからほとんど感じられないのだが、当時の私たちは「キアヌリーブスっぽいよね!」で笑い転げることができるくらいキマっていたのだ。
よく見ればわかるが、「出汁のうまみ」なんてワードもある。確かに、奥ゆかしい感じは目指していきたい。
そして、これを元にムードボードというものを作った。これは様々な権利関係上、載せることができないようなできるような気がするので、載せない。ムードボードとはなんやら、ってことは調べてみてほしい。ぱっと調べて、私はリンクを貼りたいほどの有用な記事には出会えなかった。
4.感覚を論理に置き換える(ものさし化)
ここまで感覚的なことを進めてきて、それを遂に論理に落とし込む。そして、これらは今後のすべての工程におけるものさし(基準)となるものになる。
具体的には、chihuahuaの提供価値を言語化し、形容詞化し、ブランドの概要を言語化した上でターゲットを更に明確化した。ここの詳細までを書くことは少し憚れるので、ここでの記載は控えさせてもらう。そしていま現在、2022年8月15日1時41分。眠い、というのも正直ある。
5.発想の準備
さぁいよいよ、chihuahuaのブランド名を決める発想の前段階だ。ここでは、これまでの過程を経て、キーワードをとにかく出し(本当にとにかく量を重視した。数でいえば数百だ)それをまた抽象化した(せっかく具体になってきたのに、また抽象化された)。そして、それらをいわゆるブランディングでよくあるフレームワークに当てはめていく。例えば、神話っぽい名前のブランド名とかかっこいいじゃないか。私はここに固執したが、見ての通りmeseeに神話感はない。
そして、ここがとにかく長い。挙げて、グループ化して、つなげて。これを繰り返す。そうすると一定のまとまりが見えてくる。らしい。私たちはなかなか見えなかった。そのうち見えてきた。結局のところ、世の中の「できない」多くのことは、ただやりこみが足りないだけなのだ。
6.決まった
突然すぎる。もう眠いんだ勘弁してくれ。2022年8月15日1時49分。
ただ、本当に突然決まった。正直なかなかゴールが見えずに辛くなってきていたところ、たった一つのアイデアがいきなり膨らんでいった。
昔Twitterで見た、とあるコレクターの方の言葉がある。
https://twitter.com/HONKON_/status/905435132600844288?s=20&t=7VCvB9qEzqzwCXBFchipXA
私自身も、モノにとにかく執着があるからこそ、このリユースという業界で事業をおこなっている。まったく同じ考えだ。手放す際にも、それは「さようなら」なのではなく、「またね」の気持ちなのだ。つまり、「see you」だ。
「またね」って良いよね。そこから議論は白熱。
いい、と思った言葉が既にかなり多くのサービスで埋め尽くされていたり、ちょっとニュアンスが違うよね、だったり。
コレクターが悟りを開いているから「satori」なんでアイデアも出たが、Flower Travellin' Bandのイメージしかなかった。
過程は省くが、最終的には「see you」から言葉遊びをして、「see me」「me see」「mesee」みたいな感じで導かれた。そして決め手となったものは「ミーシー」という呼び方である。
ビジネスパーソンであれば(ビジネスパーソンというくくりは不要かもしれないが)「ミーシー」という名前から想像するものは「MECE」ではないだろうか。
Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive、つまりは「漏れなく、ダブりなく」だ。
リユース品、つまり中古品は世の中にあるすべてのものが、漏れなく対象になり得る商材であり、同じものは2つとして存在しない(ダブリなく)。
「またね」という意味から生まれた「mesee」は、こんな後付でリユースっぽい屋号に仕上がった。
7.検証
プロジェクトchihuahuaは、meseeという名前に決まった。
だがしかし、これまでに作り上げてきた「ものさし」にmeseeは完全に合致しているのだろうか。実際のところ、結構ずれたものとなったように思う(ただし、完全にはずれていない)。
「ものさし」はあくまで「ものさし」であり、時にはそんな概念から超越した場所に正解があるものである(?)。眠い。
最後に、多くの方に協力をいただき、クローズドな場で「mesee」という言葉から受けるイメージをアンケートとして収集させていただいた。
その結果も踏まえつつ、私たちのサービス名は「mesee」に最終決定された。
最後に
私はあまり文章が得意ではない。MECEはいわゆるロジカルシンキングのフレームワークの一つだが、ロジカルシンキングなんて超苦手だ。ロジカルに考えている暇があれば動け、働け、ロジカルを越えていけ。
ただし、このmeseeという名前が決まるまでの過程は鮮明に覚えている。だからこそ、夜のテンションで一気に書き上げた。文章として甘いところは多々あるが、どうか大目に見てほしい。
屋号、ブランド名。皆さんがどのくらい大事にされているか。それを決めるのにどのくらいの工数をかけているのか。それはわからないが、私はとても大切だと思っている。
KLDという会社名は、正直法人設立が目の前に迫ってきており、たまたま福岡県糸島市内をドライブしていたときに見かけた「狩人」という猪料理店を参考にさせてもらった。今でこそ、6年連れ添った名前であるし愛着を持っているが、正直当初は「KLDってどういう意味ですか?」って聞かれ、どもりながら「か、か、かかりうどの略ですぅ」と答えていた。
もちろん、これにも一定の意味がある(当時”せどり”での収益が100%の法人化だったので、仕入れに行くことを狩りに見立てたのだ)のだが、対外的に自信を持って話せるということは非常に大切だと改めて思う。
結果として、私たちはこの「mesee(ミーシー)」という名前を決めるに数十時間/人のリソースは費やしたが、それに見合う成果ができたと思っている。あとは、結果を出すだけだ。
次回は、「取れるはずだったドメインが取れない??ドメイン取得編」です。その次は、「mesee,ロゴ決定編!」です。
お楽しみに!
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