愛しのアップルタルト -tarte aux pommes-
日本の秋はこちらでは春。
季節が逆になっても長年の習慣はなかなか変えられず
10月になると思い出すのがこのアップルタルト。
数十年前、エコールリッツのシェフがスペシャルタルトだと言いながら
作ってくれたのですが初めて食べた時の衝撃は今でも忘れられないくらい。
レシピがないけれど、材料も作り方も何十年も覚えていられるくらいシンプル。
ヴァニラビーンズとお砂糖で煮たリンゴをパイ生地の上に敷き詰め
その上にスライスしたリンゴをのせてオーブンで焼いて
アプリコットジャムで仕上げるだけ。
* パイ生地作り
もちろんパイシートでも作れますが
このアップルパイ?タルト?は手間がかかる分だけ
パイ生地から作りたくなります。
フードプロセッサーで手軽に作ってもいいのですが
キッシュやタルトに使うパイ生地は
私はこの方法が一番美味しく仕上がるような気がして
キチンと作りたい気分の時はこの方法で作っています。
冷たいバターをナイフで薄くスライスして
薄力粉にまぶしてから指先でバターと粉を潰し合わせるように馴染ませ
全体がホロホロになってきたら水か卵でまとめて冷蔵庫でしばらく休ませます。
生地をのばしてタルト型に敷きつめ、フワッとラップをかけ
冷蔵庫か冷凍庫でしばらく寝かせます。
* リンゴのフィリング
香りも酸味も歯応えもしっかりしている
ピンクレディーという品種のリンゴで作ってみました。
フィリングの材料はリンゴ、グラニュー糖、ヴァニラビーンズ。
固くなったヴァニラービーンズはこういう時に大活躍。
リンゴの甘味と酸味によってグラニュー糖の量を加減して全体にまぶし
ヴァニラビーンズを加えて火にかけアップルコンフィに。
教わった時はリンゴの形が残り、飴色になるまで煮るだけだったのですが
好み次第ですが何度か作っているうちに
キャラメライズするまで煮込んだ方が美味しい気がして
焦げ茶色にのペーストになるまで煮込んでます。
よく冷ましてから先ほどのパイ生地を敷いたタルト型に敷き詰めます。
リンゴのスライスの準備が出来るまで
冷凍庫か冷蔵庫に入れておいた方が美味しく焼き上がる気がします。
* リンゴのレイヤー
面倒なのがこのリンゴのスライス。 写真を撮るのを忘れて
オーブンで数分焼いてしまったので少し茶色くなってしまいました。
皮を剥いて、芯をとったリンゴをレモン水に浸して
薄すぎず厚すぎず、なるべく同じ厚さにスライス。
先ほどの冷やしておいたフィリングを入れた型に
スライスしたリンゴの大きさを揃えながら型から少しはみ出るようにして
外側から並べ一面リンゴのスライスで埋めたら180°に熱しておいたオーブンへ。
* 仕上げのアプリコテ
30〜40分程、パイ生地が茶色く色づいてきたら焼き上がり。
オーブンから取り出して熱いうちに
少量のお湯で溶いたアプリコットジャムを全体に塗って出来上がり。
出来たての熱々でも、冷めても美味しい
simple is the best!
本当に食べ始めたら止められないアップルタルトです。