時間の遁走 タタール人の砂漠を読んで
最近読んだ本で「タタール人の砂漠」という本がある。
この本のテーマは、時間の遁走だと感じた。
主人公はジョバンニ・ドローゴ
ドローゴは、頑張って勉学に励み中尉になれました。配属された先は、周りに何もなくただ眼前に砂漠が広がっている砦。ここには、ある伝説が伝わっている。『タタール人がこの砦を狙っている。気を抜いたときに襲ってくるぞ。』
ドローゴは、砦に来たときに直ぐに配属を変えてほしいと願い出た。なにせ、夢見ていた軍人とは大きく違っていたからだ。しかし、大尉に言いくるめられ4ヶ月だけ勤務することになった。
何と起こらない砦でたっただけと思っていても4ヶ月過ごすと習慣に溺れていく。もう戻れなくなったジョバンニ・ドローゴは、ただタタール人が攻めてくるの待つ
最初の数カ月は、長く感じた時間がときが経つに連れあっという間に過ぎていく。
この本の凄いと思ったところは、本自体がジョバンニ・ドローゴ時間感覚と一緒になっているところだ。最初の数カ月は、初めてのことが多いからかページ数も多い。しかし、時間が過ぎるに連れ20年が最初の2ヶ月と同じ位のページ数で描かれている。
自分の人生は今何ページ目かな?と確かめたくなった。
時間は待ってくれない。何かを待つのではなく捕まえに行く人生にしたい。
この本は、10年後20年後に読んで自分がどう感じるのか怖くもあるし楽しみでもある。
救いのない話だが今読めたのは貴重だと感じる本だった。
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