秋の訪れ
この時期になると懐かしくなって見返してしまう写真がある。
おわら風の盆。立春から210日が経った9月1日から3日間開催され、その日は多くの人で賑わいをみせる。ちょうどその時期は風の災害が多く、風を鎮めて、その年の豊作を願うために行う行事らしい。
確かに2024年も大型の台風10号が来ているし、この時期は台風を始めとする自然災害がとても多い。
弦楽器の音色と踊り手たちの魅力によって、この日が来ることを心待ちにしている人も多く、当日は全国津々浦々から多くの人たちが押し寄せる。
せっかくなので、当日の様子を写真とともに残しておこうと思う。
富山駅から越中八尾駅へ
その日は富山駅から電車に揺られて、越中八尾に向かった。越中八尾駅まで電車で約25分ほどで到着する。
富山駅は八尾に向かう人たちで大混雑だったが、その日は駅員さんたちもスタッフ総出で、電車も大増便して対応しているようだった。駅員さんたちの見事な手さばきによって、思ったほど並ぶことなく、越中八尾に到着することが出来た。到着すると、八尾の街を散策して暗くなるのを待つことにした。ここ越中八尾は坂の街で知られ、街の中心には長い長い坂がある。ここを歩いてるだけで、八尾の歴史の一部を少しだけかじった気分になれる。
三味線と胡弓の音色とともに
夜の八尾すっかりとあたりも暗くなり、うっすらと光るぼんぼりが八尾の街を照らしていた。どこからともなく三味線と胡弓の音が聞こえ、編み笠を深々と被った男女が歩いてきた。女性はしっとりと優美に、男性はしなやか力強く踊り、男女のそれぞれの踊りですっかり魅了されてしまった。
一度おわらに行くと、すっかりファンになってしまう人たちがいるようだけど、その気持ちが実際に参加するとすぐに分かる。
帰途につく
その日は終電に間に合うように帰ることにした。帰り道には初日の踊りを終えた踊り手たちが清々しい表情で歩いていた。おそらくここで生まれ育った人たちはおわらが身近にあり、この3日間は毎年特別な感情を持って迎えているんだろうな。踊り手も八尾の街に住む人たちもおわらを心待ちにしていることを八尾を歩いて肌で感じた。
後ろ髪を引かれながら、熱気に包まれた街を後にし、帰りの電車に乗った。帰り道、夜風が少しだけ涼しく感じた。もうすぐ秋だ。