余人をもって代えがたいとは
ツイッター界隈の有名人、シャープさん(@sharp_JP)、現在おれはツイッターやってないので彼(彼女?)が何代目なのかAIなのかは知る由もないが、ふと拾った彼の書評に心を揺さぶられた。何故ならおれも同じ事を考えていた時期があるからだ。
こういう文章にもっと早く出会いたかった。
マンガも今どきっぽくてリアルな感じがした。
シャープさん以上に的確な表現が出来ないおれとしては、重複する表現は避けようと思うが、たぶんダブる部分があるのはご容赦を。
サラリーマン生活にどっぷり浸かっていると、仕事も人も置き換え可能な平準化を求められる。特技を持てば知識の共有化を、適当な頻度で行われる組織シャッフルによる、コミュニケーションの活性化と呼ばれる軽いパニックを経て、お前らの秀でて尖った所はへし折って凹んだ所に充てがう。それは組織としての単なるリスクヘッジでしかないというのに、真面目なおれたちには「普通」ぶることがもう生き様にまで浸透してしまったりする。
しかし一方で、常に比較され、かき混ぜられ、淘汰され、自分って何だろう、おれは量産品なのか?という疑問を持ち、自分にしか出来ない事や、自分だけを特別に必要とする人を求めて彷徨ったりする。当然すぐには見つからない。
実は組織も、人材を平準化という選別に掛けつつも、めっちゃ使える人材は特別優遇する。何をもって特別かと言えば簡単、金になる奴だ。
結論を急ぐなら結局は、「みんなが出来る事は卒なく出来て、かつ人より何か持っている奴(略して「持ってる奴」)」が最も潰しが効くことを悟る。しかも自身の出来る出来ないを客観的に決めるのは他人であるから、優越感や劣等感は多くの場合、独りよがりのブラインドポーカーであったりするのだが。それに気付いて(もしくは全く別のアプローチで、もしくは全くのアホ)要領良く表舞台で成功を収めた奴がいるかと思えば、タイプが違うのにそいつの真似をして失敗する奴、理由をつけてチャレンジを諦める奴などなど…。
メンタルじゃん。
努力はもちろん大事。でも知識や技能だけではなく、それを的確以上にアピールできるチャンスと鋼メンタルがあれば生きていける。それは人を押しのけて喋りまくるというKYな意味ではなく、必要な時に人と違ったアピールをする用意をしておけばいい。
先ほどのマンガで彼が選ばれたのは、彼だけが紗英ちやんの気持ちにダイレクトに届いていたから(本人は気付かなかったが)。最後は一方的に告られるという有り得ない展開ではあったが。SNSやらサブスクなんかで、浅く広く繋がることの出来る今どきは、出会いなんかいくらでもある。でもそこからどうやって特別な友人、恋人、社員になるかは、その競争率は格段に増している気がするのだ。タイヘンだねえ。
昨夜、ジャズを聴いた後でひと世代下のバンドメンバーと飲んでいて、仕事の話になった。彼は現在技術チームの大所帯に居て、同期も含めたどんぐりの背比べで大変な競争の中にいるらしい。彼から見るとおれは大先輩に当たるため、言葉遣いにも細心の注意を払っているようだった。んで仕事の心得とかを聞いてくるもんだから、「上司にダメって言われるまで好きなようにやってみ」「仕事を趣味にするな」とか誰でも言いそうな事を言った、ような気がする。
一旦自分の立ち位置が出来てしまった、もう緊迫感の無いオジサンの話なんか聞いてもしょーがないと思うので、彼には全く新しくオリジナルな苦労をして人生エンジョイして欲しい。答えを知っていたとしても、こちとら手の内は簡単に明かさないのだ。