自分に慣れる
わたしは新しい環境が苦手だ。
新しい環境に慣れるのが遅い。
そう思っていた。
新しい環境では、人に話しかけるたびにオロオロする。勝手に苦手意識を持つ。大学時代までずっとこんな感じだった。
でも、人間関係で辛い思いをした大学時代を経て社会人になった今、新しい環境や初めて会う人がそこまで怖くなくなっていることに気づいて自分でも驚いている。
わたしって、環境じゃなくてわたし自身に慣れていなかったんじゃないの?
そう思った。
大学時代は本当に苦しかった。苦しい日々の中で、負けまくって何度も否定されて、わたしは徐々にわたし自身に慣れた。変われないわたしの本質を知った。
何が捨てられて何が捨てられないのかを知る。
自分の限界を知ってそこからがスタート。
大好きな小説キッチンにこんな感じのセリフがあった。初めて読んだ高校生の頃はピンときていなかったけど、今ならよくわかる。
自分を知っていれば、何も怖くない。
信じられるのは自分だけの状態でも、周りとの信頼関係が築けてなくても、怖くない。
さらに、あの時よりしんどいことはもうやって来ないんだと思えたら、これからやってくる物事への不安な気持ちも瑣末なことのように思える。
自分が捨てられないものだけ、それだけ大事にすれば、後のことはもう本当にどうでもいい。
自分にとって大事じゃないものに対してエネルギーを割かなくなる。そうすると本当に大事にするものにエネルギーが割ける。まるで軽くジョギングしているような状態で、気分良く景色を楽しみながら進んでいける。
これを知れた分だけ、わたしは強くなれた。しんどい思い出にもありがとうと告げて胸の奥に仕舞いなおせる日が来たこと、ほんとうに嬉しく思う。