身体に良いおいしい
いまの時代、「おいしい」はあふれてる。
でもそれは、本来デリケートな「人間の身体にとって良いおいしい」かどうかは、わからない。
「豆腐」も、あふれてる。
スーパーに行けば、客寄せのように豆腐は安い値札を貼り付けられ、ひっそり座ってる。
「豆腐って、味しないからきらい」
という人がいる。
それはたまたまその人が食べた豆腐が「味しない」だけで、豆腐全員がそうとは限らない。
豆腐ちゃんたちの名誉のために、何かしたいなあ。
どうしようか。
食品は、連想で成り立ってる。人の脳内で、「〇〇といえば△△」という連想イメージが成立し、買ったり買わなかったり、メニューから注文したりしなかったりする。
たとえば唐揚げ
たとえば焼いたソーセージ
たとえば焼き餃子
たとえば枝豆
たとえばお好み焼き
たとえばたこ焼き
たとえばピザ
・・・> 生ビールを連想する。
たとえばキユーピーマヨネーズ
野菜を連想する。
どうしてなんだろう。マヨネーズなのに。
これはコピーライター秋山晶さんの戦略だ。
ご本人は、こう語っておられる。
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現在、キユーピーマヨネーズというと野菜を連想する人がきわめて多い。気がつくと30年以上、野菜以外のビジュアルを使ったことはなかった。アルカリ・ランチ。
野菜はアップで撮れば生物(食材)であり、ロングで撮れば風景(畑)だ。
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これが2000年のこと。それから25年経ってるから、「キユーピーマヨネーズ=野菜」の刷り込みは30+25、およそ55年繰り返されたことになる。
いま、映画館のコマーシャルでよく見るのが、
「都市に生きる。野菜がある。」
「チコリーは今日わたしが初めて見た植物だ」
マンハッタンとは少し空気が違うな、と画面を見ていたが、どうやらクイーンズ。
この映像がマヨネーズのコマーシャルとして成立するのは、
キユーピーマヨネーズ=野菜
という連想を半世紀以上、日本人の脳内に刺し続けてきたから。
このように、連想には時間がかかる。
豆腐ちゃんの名誉回復のためには、やはり「身体に良いおいしい」
と結びつけていきたい。
南禅寺豆腐
から連想するのはアタマの「南禅寺」がかなりインパクト強いワードなので、
京都
南禅寺
禅
かもしれない。
後ろの「豆腐」が霞むくらいに。
南禅寺豆腐の豆腐は
無添加
国産大豆(北海道ユキホマレ)
国産のにがり
京の水
で作られている。
しかも熟練の職人の手で。
豆腐
といえば
身体に良いおいしい
と連想されるようなメッセージを発信しつづけたいなあ、と思った日曜日午後でした。
さあ、今日は寒いから南禅寺豆腐の湯豆腐でもいただこうか。珍しく熱燗で。