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(役に立たない)英語上達法
子どもの頃から愛読し、「書く」道に導いてくれた尊敬する文学者がいま、施設に入っていることを昨日知って、ショックだった。
御年90歳。自宅で転んで、以来、歩けなくなったためという。
これで思った。
転ばないように気をつけよう。
食べたいものは食べ、行きたいところへは行く。
好きなことをする。
で、ぼくのやりたい好きなことって何だろう。
たくさんある中のひとつが、
英語の上達。
Out of sight, out of mind.
去るもの日々に疎し
高校の英語の藤井先生には心から感謝している。
ある参考書の全てのページ下部に英語のことわざが書いてあって、それを暗記するよう宿題出してくださった。
「ことわざを覚えるのが、英語上達に一番良いから。ぼくの体験からそう断言できる」
藤井先生は、オバQ登場人物のラーメン大好き小池さんに似てらっしゃるところから、生徒たちは半分バカにして「コイケ」「コイケ」と呼んでいたけど、ぼくは好きな先生だ。
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Out of sight, out of mind.
去るもの日々に疎し
そのとき覚えたもので、半世紀経っても身体に入ってる。
今日は英語上達法について、自分の体験からお話しますね。
<読む>
読むのが一番得意。
翻訳9冊出してるくらいだから。
毎日The EconomistとThe Wall Street Journalを隅々まで読んでる。
英語ネイティブの人より、小難しい論文読む力はあると自負してる。
上達法は読む・読む・読む。ひたすら読む。
読んでて、知らない単語が出てきても無視する度胸がつけば、あとはラクです。
読むのはデジタルに限る。スマホでもパソコンモニターでも、わからない単語はタップすればGoogle翻訳してくれる。
だから原書はKindleで買う。デジタルのメリットを活かせるから。
翻訳する場合はどうしても紙の本がいい。資料を挟んだり、書き込みしたり、訳註箇所をマーキングしたりできる。だから翻訳した原書はどれもボロボロ。
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The EconomistとThe Wall Street Journalはアプリで読む。気になる記事は「Save(保存)」しておける。
<書く>
これ、苦手。いまだにうまく書けない。
↑
上の日本語を英語で書いてみようとしたらつまった。
書けなくもないが、なんか、ヘンに決まってるのだ。
定冠詞とか、anとかtheとかナシとか、よくわからん。
だから、英語書くのはAIにやってもらう。
<話す>
英語・・・に限らずだけど、外国語を話す、というのには二種類あると思うんだ。
第一に、いわゆるパーティ会話。
「あらぁジョン、素敵なネクタイねー」
「ヨーコこそ、そのドレスとっても似合ってるよ」
「あらうれしいうふふ」
「どう? このあと」
「どうしょうかしら」
てな会話。
短いし、たいてい決まったフレーズと単語だから習得するのは容易い。
語学留学してました、という人はたいていこのレベルで止まってる。
ぼくが目指すのは英語でスピーチできるレベルだ。
とはいえ、25年前、ニューヨークでやってるんだけど。
2000年4月19日、ニューヨーク大学ビジネススクール(NYU Stern)で講演した。
e-Marketing—– The Emerging Festival Market ;New Marketing in Mobile
Age
April 19, 2000
Keiichi Sakamoto
Palmtree Inc. CEO
この頃はPalmtreeだったんだね。ヤシの木が好きだからこの社名にした。ニューヨーク市内ではこういうふざけた社名のコンサルティング会社はなかったので取れた。担当してくれた、日本でいうところの社労士さんは「カフェならともかく(笑)」と笑ってた。
講演冒頭で、「この講演のゴール」についてまず箇条書きで話そうと思った。
事前に英語レッスンしてもらったんだけど、goalが言えない。エルが言えないのだ。
「our goal」を何かほかに置き換えるしかなかった。
いろいろやったがどれも発音ダメで、結局
[OUR OBJECTIVES]
で落ち着いた。
(1) e-Economy;
We are all living in the new economy. I call it “e-Economy”.
How do consumers think and act? Let’s survey it.
(2) Festival Market;
I call the market in the e-Economy the Festival market. Let me explain
the Festival market.
(3) Vision;
Finally, I’ll illustrate the vision of e-marketing.
(1)eエコノミー(ネットがインフラになった経済)
(2)お祭り型市場 顧客が参加する市場 になる
これはSNSで実現している。的を射ていたね。
(3)ビジョン
という構成だったのだが、困ったことに「marketing」の発音に「r」が入ってて、個人レッスンの先生からGOサインが出なかった。
マーケティングについて話すのに、「marketing」が使えない(笑)
いま手元に英語講義録があるんだけど(*)、たしかにあまり使ってない。
とはいえ、マーケティングについて話すのに、marketやmarketingを抜きにはさすがに無理だから使ってる。しょうがないよねえ。
*『ブログベスト』に全文掲載されています。
でもね。これ書きながら気づいたんだけど、「書けないのに話せない」よね。書くと話すってのは表裏一体だと思うので。
たいしたこと多分英語で言えないね僕。まだまだ修行です。
<聴く>
これは我ながら上達したと思います。これも読むのと同じでひたすら聴く聴く聴く。エコノミストやウォールストリートジャーナルの記事をワイヤレスフォンつけてね、聴く。
コツは同じ記事を何度も聴く。読んでから聴く。聴いてから読む。
映画は字幕なしでいける。
ただ、今朝ショックだったのは、エコノミスト購読者特典で、「ウクライナ戦争3年が経って、アメリカに新大統領が就任して、これからの世界はどうなる?」テーマの記者座談会があるのね。
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それを、ほかの仕事やりながら流してたんだけど、さっぱりわからん(笑)
登場する人は編集長、ウクライナ特派員、など全部で5人。
人によって発音が違う。使ってる単語が国際情勢に関するもので、耳慣れない。
さっぱりでした。
でも繰り返し聴くことで、いずれわかるようになるのかな。
あれ? 今日のテーマは
英語上達法
だったけど、たぶん、あまり参考にはならなかったかも。
ごめんね。
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