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「好き」「愛」こそが火力
SC(スピリチュアル・キャピタル、精神的資本)、なんといってもやはり
「好き」
が火力だと思う。
理屈じゃないんだよねー。
その製品が好きで仕方ない、という「好きのオーラ」や「製品への愛」こそが磁力を生み出し、人を惹きつける。
これに、いわゆるビジネススクール的な「分析」や「論理(ロジック)」が入ると、
とたんに
面白くなくなる。
水を、遠方から取り寄せてる。
20リットルで税込1,000円なんだけど、配送料のほうが高い。
それでも気に入った水だから、買ってた。たぶん、この4年くらい。
段ボール箱の中に、ビニール袋で水が入ってて、注ぎ口から出す。
ペットボトルが出ないし、健康的だから重宝してた。
昨日届いた荷姿に同封されていた「おしらせ」で、この20リットル箱をネットで販売するのをやめる、とのこと。
理由は
「重い」ので、配送中に箱が壊れたりして、それが「ブランド価値を損傷する」
など
とあって、それもそうだよなあ。いつも宅配便の担当者、苦労されているし。
自分でも玄関から重いのを運ぶの、よっこらしょだし。
仕方ないか。
同じ20リットルを手にいれようとペットボトル仕様の製品を探したら、なんと、価格が2,300円。つまり、現状の2倍以上。
さすがに「水」にそれだけのお金はかけられないから、ここで買うのをやめることにした。
ウェブサイト、言い方悪いけど、田舎っぽくて良かったんですよ。
いまどき、おしゃれできれいなサイトは山ほどあるなかで。
それでも「いい製品を届けます」という姿勢が好ましかった。
ところが久しぶりにサイト見ると、なんか、かっこよくなってる。
シュッとしてる。
ははーーん。コンサル入ったな。
製品ラインアップの見直しをして、MC(Material Capital 物質的資本)のものさしからいろいろいじって、20リットルを販売中止にした。
ウェブサイトをきれいにして、さらなる客数アップをめざした。
でも、水なんですよ。
水。
賢そうな理屈入ったとたん、こちらは冷めます。
ここのところのさじ加減、南禅寺豆腐さんのマーケティングでもいつも気にしているところ。
「豆腐」ですから。
「美味しいお豆腐ちゃんが食べたい!」
「はい! 美味しいお豆腐ちゃんをお届けします!」
という「好き」を火力とする軸から外れたらいかんと思うのです。
「価格、ネットでしか買えないような製品作って、それを高価格にすればいいじゃん」
というアドバイスをもらったこともあるけど、でも、
それやることでお豆腐ちゃんが喜ぶだろうか。
お豆腐ちゃんの背丈はそこにはない気がする。
愛され続けることこそ、お豆腐ちゃんが望んでいる姿だと思う。
そしてこのお客さんからの「好き」こそが、SC(スピリチュアル・キャピタル、精神的資本)として蓄積され、ひいてはRC(Relationship Capital 関係性資本)へと積み上がっていく。
ブランドは、質量の大きさで重力を生む。
太陽の質量が周囲の時空間を歪ませ、おかげで地球を始め水星土星・・・太陽系惑星が公転しているように、ブランドへ引き寄せられる重力は、質量で生まれる。
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その質量は、SCとRCで出来てる。
もちろん、MC(Material Capital 物質的資本)も要るけど、それはあくまで必要ってだけで、十分じゃない。
「好き」「愛」こそが火力。