クッキーシンドローム
来る客みんな鉄板焼ナポリタン注文してる。
ここはよく来る。
くだんの鉄板焼ナポリタン、一度食べた。
アッツアツで、食べるのに苦労した。
どうしても遅くなるので、同席の食べる速度に合わせるのにも苦労した。
おかげで口の中やけど。舌ヒリヒリ。
それだけの労力かけたが、報われなかった。
なので二度とオーダーしてない。
だからあっちでもこっちでも鉄板焼のジュワーあるのはわからない。
まあ、味ってものは人それぞれだから。
とはいえ。
そもそもこの店でこんなにあちこちでジュワー、ない。
わかった。
クッキーシンドロームだ。
クッキーシンドロームはぼくの造語。
元は俵万智さん。
クッキーのように焼かれている心みんな「いいね」に型抜きされて
「クッキーの型抜き」って、こんなです↓
ぼく好みの縄文土器もあるみたい。
ジュワーは熱くて舌やけどするくらいなんだが、それでもみんながエプロンして同じ皿に向き合ってる姿、作り物めいて見えてくる。
おそらくネットで紹介されたのだ。その「いいね」に型抜きされてクッキーたちが店に押し寄せた。
梅田地下街(ホワイティ)を、スマホで動画撮影しながらアジア系外国人が歩いてる。何語やらわからぬ言葉でマシンガントークしてる。
彼も「いいね」に型抜きされたクッキー。
店やってて、たとえばPRメディアにプレスリリース出す。「バズる」期待してインフルエンサーと組む。
これ、「いいね」に型抜きされたクッキーに来てちょうだい、と願ってる。
いいのか? それで。
話変わるが、ぼくは25年前ニューヨークで起業して以来、何やってきたかと振り返ると、「型抜きから距離を置く『阪本啓一』という職業」を作ってきた。
「講演依頼ドットコム」には登録しない。
そればかりか、何の団体にも所属しない。
義理で、ブランドマネージャー認定協会の立ち上げから関わり、何とかいう役職やってたけど、これも昨年ようやく卒業させていただいた。
いっぽんどっこ one and only
が好きなのだ。
せっかく会社を卒業したのに、またどっかの組織に関係すると、要らぬストレスを感じる。
といいながら、NPO立ち上げたんだけどね。
型抜きされたクッキーは、別の型抜きに出会ったら、いそいそとそっちへ行く。そしてそっちのカタチになる。
今日リスだったのが明日は縄文土器になる。
おそらくこれを防ぐのは、愛なんだろうね。
そして、勇気。
桜を全部切る勇気。
これこそが、ブランドの第一歩。