木綿(もめん)を指でちぎりながら
= 女は厨房に入ってはいけない =
ドラマ『ながたんと青と』
アマプラで観ることができます。
経営が傾いた京都の老舗料亭「桑乃木」。
長女の「いちか」はホテルの西洋料理店で料理人として働いている。
いろいろあって、いちかは料理長として桑の木の経営再建に取り組む。
いちかの強みは「きちんとおだしを取ること」。
いちかは西洋料理のサンドイッチにせよ、和食にせよ、おだしをうまく使う。
なるほどなあ。おだしって、大事だよなあ
思っていたら、
京都の老舗 無添加おだし屋さん「うね乃」さんのおだし体験に参加することができた。
采野元英(うねのもとふさ)社長自ら熱く語ってくださる。
明治36(1903)年、滋賀県で米・乾物店として出発。
「うねの」の「うね」は「采」と書く。
番
の上が「うね」、下が「田」
田、つまり米を守る人
という意味。
なるほどなあ。
采野社長がホワイトボードに
◯
を描いて
下に線引く。
◯
は、お料理
おだしは下部20~30 %ほど
残り大半(80~70 %)は素材・調味料・技術
つまり、おだしはあくまでも素材・調味料・技術を引き立てる役割。
ところが、添加物などを加えて製造されたおだしの素は
自分が80%を占める。
存在感が大きいから、調味料、たとえば塩をいくら入れても効かない、ということが起きる。
最初、昆布だしを二種類いただいた。
利尻(りしり)昆布と羅臼(らうす)昆布
ひとくち。
はっきり来るのは羅臼。
次に、けずり節を入れてみる。かつおではなく、まぐろのけずり節。
するとあら不思議、利尻昆布のほうが味がはっきりしてくる。美味しい。
次に塩をほんのすこーし入れる。これはミネラルを入れる意味。
利尻昆布、さらにくっきり美味しい。美味しさの解像度が、加えることでより高まってくる。
最後、トマトジュースを入れる。
めちゃくちゃ美味しくなった。
つまり、おだしというものは、本人ではなく、「合わせ」の点数を上げる。
采野社長のお話で強烈に印象的だったのが
「カップヌードルにうちのおだし入れたら、めちゃくちゃ美味しくなるよ」
つまり、自分を主張することなく、カップヌードルの味の点数を上げる。
うね乃さんのやっておられるお惣菜ストアALLOUNENO(アロウネノ)の特製お弁当をいただいた。
おしながき
・ごはん(うね乃社員さんが田植え、稲刈りした無農薬米)、ちょうど今日9月7日は稲刈りの日)
・銀鱈の西京焼き
・おだしの染みた唐揚げ
・ちくわの天ぷら
・だし巻き卵
・ひじき豆
・青菜とお揚げのおひたし
・ささげ豆の胡麻和え
・有明の朝摘み海苔
・梅干し
・塩昆布
南禅寺豆腐のお揚げさんを使っていただいている。
木綿豆腐、お揚げを使ったお味噌汁とお吸い物も合わせていただいた。
特に指でちぎった木綿の入ったお吸い物、最高でした。
美味しいあまり、写真撮るの忘れた(笑)
AIにせよ、ネットショップにせよ、SNS分析にせよ、デジタルですぐにデータが出てくる。
うね乃さん体験で感じた心地よさは
アナログ
なんだよね。
副社長であられる采野佳子(よしこ)さんが木綿を指でちぎりながら、「あれ? いつもの(木綿)と違う」と、南禅寺豆腐の木綿の製造方法が変わった(昔ながらの手作りに戻した)ことに気づいた。これって、すごいことです。
そして参加したぼくたちが感じた「味わいと風味」。
アナログ。
まちがいなく、これからのマーケティングの的は、アナログだと確信しました。
このあたりの現場発信の「集客の科学」についてライブでぼくの話を聴きたいかたは
ビッグ・ウェンズデー大阪へ
まだお席、ご用意できます。
10月30日水曜日午後。中央公会堂。
参加ご希望の方は阪本までダイレクトにご連絡ください。
また、うね乃さんのおだしは南禅寺豆腐サイトでもお求めいただけます。
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