ブランドは、記憶
朝スマホあけて最初に目に入ったのがこのニュース。
きっと美味しくないよ、これ(笑)
きのこの山は1975年に発売されている。
味がみんなの記憶にある。48年間の記憶の蓄積。
だから成立する企画だ。
新発売だとしたらどうか。
要するに、チョコ以外のあの棒の味で勝負するわけで、いったいどんな美味しさなのか。
記憶されているきのこの山の味 − チョコ
だから成立する商品企画であり、↓ これでこの混み合ったお菓子市場に殴り込みかけられるパワーは、ない。
それで思い出した。
よく歩く道中にストーンズの昔のアルバム『Black & Blue』LPに入っていたポスター貼ってある店がある。
きのこの山発売翌年1976年にリリースされた。
お気に入りの作品なので、目についた。
昨日その店の前を通った。中ががらんどうになってる。
そこで初めて気づいたのだが、どうやら音楽スタジオだったみたい。
営業をやめたんだ。
やめて、中をがらんどうにした。
でも、ストーンズのポスターは剥がさず、そのまま残ってた。
あまりの寒々しさに、写真撮るのは控えた。
思った。
このスタジオがいつオープンしたのかわからないけれど、少なくともアルバム『Black & Blue』発売よりは後だろう。
スタジオは終わった。
でも、ストーンズはまだ現役でやってる。
この違いは何だろう。
ブランドは、記憶。
面白いのやら何やらさっぱり予想のつかない新作に人が押し寄せるのは、『トトロ』『千尋』『もののけ姫』など、各自お気に入りの「過去の作品の記憶」が背中を押すから。
商品があふれ、情報がSNS通じてスマホに溢れかえっている現代社会、商品は消える。見えなくなる。コンビニやスーパーに行く。棚に何があったか覚えている人はいない。それぞれ買いたい目的のある商品を棚から探し出し、買う。他は「背景」であり、個別は、ない。では「買いたい目的」は何かというと、記憶だ。
マーケティングは記憶してもらう活動(memorizing activity)になった。そして、ブランドは、記憶そのものだ。
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