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強いブランド創りの必須技法「ダイアローグ」

マッツ・リーダーハウゼン

マクドナルド・スウェーデンCEOとして、
在職中に40店舗から170店舗へと増やした。

以下、『スピリチュアル・キャピタル(spiritual capital)』内で語られているエピソード。

ある日、マッツが著者ダナ・ゾーハー(Danah Zohar)に連絡してきた。

「お目にかかりたいのですが。ご相談したい件がありまして」

二人はストックホルム郊外のカフェで向き合った。

当時マッツは30代半ば、ハンサムで、見るからに健康そうだ。

「突然ご連絡差し上げて申し訳ございません。きっと先生は私がメンタルやっちゃってると思っておられるかと。ご覧のように私は若く、美しい家族もあり、お金はたっぷり持っています。そして、マクドナルドの仕事の上では、ここスウェーデンのトップにいます。

でも、幸せじゃないんです。

人生でほかにやるべきことがある、このままでいいのか? という思いに駆られています」

世界の抱える深刻な問題を見て見ぬふりはできない・・・環境破壊、コミュニティの崩壊・・・

「マクドナルドのような大企業はこれらの問題に向き合おうとはしません」

マッツは家庭で、「人は、社会に責任を負うべきである」と教わって育った。

「ところが私は何をしている? お金は稼いでる。一日10~12時間、マクドナルドのために働いて。しかしながら、自分が真に向き合いたい問題には何ひとつ取り組めていない。

こんな人生を変えたいのです。本当にやるべき仕事に自分の時間を使いたい。でもどうすればいいのかわからない。私は解決する側に行きたい。問題を生み出す側ではなく」

このままでは子どもたちの模範になるなんてとうていできない。

マッツはそれが怖い。

「思うに、私には3つの選択肢があります。一つはこのままマクドナルドに残って階段を上り詰め、組織内で発揮できる力を手に入れる。自分がいま直面している世界の問題解決にマクドナルドを使う・・・でもこれはおそらく可能性は低いでしょうね。
二つ目はマクドナルドを去り、コンサルタントとして独立、他の企業が大きな変化を起こすための背中を押す仕事をする。とはいえ、誰もそんなコンサルタントの言う事など、耳を貸そうとしないでしょう(笑)

最後は、チベットの僧院へ行き、瞑想する」

マッツのアメリカの同僚は、「君はチベット・ウィルスに感染しちゃってるようだね」とからかう。「バカなことなんて考えるの、よせよ。やりたきゃ、寄付するなり、週末若い連中とボランティア活動でもするんだな」

それじゃだめなんです。私は自分の職業人生を「違いを生み出すために」使いたい。

どうすればいいですか?

意味ある目的に人生を使いたい

この欲求こそがスピリチュアル・インテリジェンス、SQ。

ここまで、『スピリチュアル・キャピタル(spiritual capital)』p.61-62(第五章 SQ—スピリチュアル・インテリジェンス)から翻訳し、わかりやすいよう編集した。

マッツの悩みは、「マクドナルドで働く以上、世界のためになる行動はやりようがない」「仕事の延長線上では、できない」

ブランドの提供価値が、「問題を生み出しはするが、解決はしない」

つまり、

ブランド組織内の「前提(assumption)」がそうなってない

ということだ。

ここでダイアローグに話が移る。

ダイアローグをすると、話し合うメンバーそれぞれの「前提」が明らかになる。

ダイアローグ、日本語で「対話」。

ディスカッション(議論)とは明らかに違う。

語源を見ると、dialogueはギリシャ語のdialogosに由来、「logos」は「言葉」、「dia」は英語のviaと同じく「経由」とか「~を通って」。

つまり、言葉を使ってイメージを流す。
イメージの意味を共有する。

対話するメンバーの中で「意味の流れ」が生まれる。

意味の流れ
「ブランドが提供する価値=意味」を流す

「ディスカッション(discussion)」は「パーカッション(percussion)や「脳震盪のうしんとう(concussion)」と語源が同じ、つまり、「壊す」。

ディスカッション  ダイアローグ
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知る        見つける
答えを得る     問いを立てる
勝つか負けるか   シェアする
不平等       平等
力         リスペクト
結論を出す     可能性を探求する

組織内で交わされる会話・・・会議、商談、上司と部下、ランチでの同僚同士の会話・・・
がディスカッション寄りなのか、ダイアローグなのか。

ダイアローグは結論を出すためのものではない。
できれば、議題もリーダーも無しに始める。

ただ、会話する。

そうすると、メンバー相互が「何を前提に話しているのか」が浮き彫りになる。

その前提が

「いくら儲かるのか」
「競合をやっつけるにはどうするか」
「これをやったら得点できて、出世につながるだろうか」

なのか

「社会にどんな良いインパクトを提供できるのか」
「誰の喜びを増やすのか」
「誰の苦しみを減らすのか」

で、ブランドの進路は大きく変わる。

そしてその前提を形成するのが、ブランドのSQ、スピリチュアル・インテリジェンスなのです。

ダイアローグについては、もっと深い話をいろいろやりたいので、オンラインで講座を始めるべく準備中です。

強いブランド創りに必須な技法、ダイアローグ。

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