見出し画像

虚構含有率を高める

どのようなものさしを当てても、2022年に戦争して地面を取り合うということは愚かでしかない。

なぜなら、もはや人類の行動や思考を司る認知活動は脳内に移ったからだ。
メタバースを一度でも体験すると、Midjoyrneyで一度でもAIに指示して絵を描かせると、もはや物理的実体が人類を動かしているのではない、と肌でわかる。

マーク・ザッカーバーグのメタバース内での自撮り(みんなからひどい、と言われた(笑))

ホモ・サピエンスは火を作る力を得、食材を調理できるようになり、格段に力をつけた。
「火を作る」
「調理する」
というのも、いずれも虚構力だ。脳内でアイデアを動かす必要がある。

人類の進化というのは、要するに、脳内でアイデアをいかにふくらませることができるか、という能力の進化。

670ページあるこの分厚い本は、1927年のひと夏の経験が、実は現代アメリカ人を形成した、という大胆な話をしてくれる。Kindleで読んだとき、「まだ終わらないの? 長いなあ」と思ってたのだけど、資料として書き込んだりするためペーパーバックをイギリスから取り寄せ、現物見て納得した。分厚いんだ(笑)

1914年の第一次世界大戦前まで、人類は飛行機を大したものとは思ってなかった。実際、開戦時、フランスが世界で一番「飛行機持ち」、それでも3ダース36機。ドイツ、イギリス、イタリア、ロシア、日本、オーストリアはいずれの国も4機以上持ってなかった。アメリカに至ってはわずか2機。

それが、戦争中に「飛行機、使えるかも」となり、人類のアビエーション・エイジ(航空時代)が始まった。

そしてチャールズ・リンドバーグの大西洋横断。これが1927年5月のこと。

・・・と、とにかく1927年にさまざまなことが起こる。それらがアメリカ人の脳内虚構構築システムを作った。OS(オペレーション・システム)と言っていい。

このように、人類は幾多の戦争を経て、ITを手にし、結論として、「平和こそが最も維持コスト低い」と学んだ・・・はずなのである。にもかかわらず、まだ戦争して地面を取り合いっこするというのは退化だ。

話は変わる。

好業績のブランドは、虚構含有率が高い。
おそらくiPhoneの粗利(付加価値)は、初代が最高だったはず。
若干古いデータしか見つけられなかったのだが、こんな感じ。

iPhone一台作るのに必要な原価、どんどん大きくなってる。もちろん売価も高くなってはいるけれど、粗利率は確実に下がっている。
理由。
時間が経つうちにスティーブ・ジョブズの神話率が下がっているから。
いまやスティーブ・ジョブズを知らない人もiPhone使ってる。

強いブランドを作るためには、虚構含有率が高い必要がある。そして、望むべくは、神話が欲しい。

これ、ザ・マーケティング講座第二期のメインテーマになりそうです。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集