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なぜ仕事を辞めようと思ったの?

リモートワーク化や、活動制限などで自分を取り巻く仕事環境が目まぐるしく変わっておりますが、中でも心から頭を痛めているのが、放ってけば雨後のタケノコのごとくニョキニョキ現れる会議の数。

私は某製造業の海外拠点に勤務しているのですが、その業務は営業・部品調達・製品出荷にクレーム処理とその範囲は幅広く、日本側と現地スタッフとの仲介を勤める下っ端中間管理職。
現地同僚たちとの通訳的業務も行いながら、自らの労働も受け持つグレーカラーな労働者。

いわば現地ツアーガイドが、B級グルメの紹介をしつつ、自分でローカルフードの提供までしてしまう様な状態とでも言いましょうか。

今までも多忙な毎日だったけれど、ここにきてあちこちから “緊急会議” の招集が増え始めた。

会議の主な名目は材料不足による生産継続懸念。

そう今、半導体にしろ樹脂にしろ世界中で材料が足りなくなっているのだ。物流混乱、電気自動車需要、燃料費高騰、理由は色々ある様だけれど、書きたい事はそんなスケールの大きな話ではない。

いびつな構造の似たような会議が何度も繰り返されている事に憤りを感じ、新年早々キータイピングに勤しんでいるのであります。

いびつな会議構造

最近の会議で驚かされるのはその出席者のなんとも豪華な顔ぶれ。
現地側が私と同僚の下っ端2名であるのに関わらず、日本側の出席者は取締役クラスも含め、30名超。
質問者30名の錚々たる顔ぶれの大所帯なのに、対する現場の報告者は我々2名となんとも頼りない格好で質疑応答が行われるのです。

例えるなら、ほんの出来心でコンビニで熱燗を万引きしてしまった中高年の私に対し、最高裁判所検事たちから寄ってたかって尋問を受けるくらいのアンバランス感をイメージしてもらえたら幸いです。

会議内容は材料調達状況の報告や、それに対する活動。
出席者の多い会議は自己アピールの場。それぞれが自分の存在感を示すことが重要となるため、無理矢理ネタを作りだしてでも、その日の事件や改善のための気づきの主張が始まります。

名(迷)探偵30人からの強烈な連日聞き取り調査なんて始まったら、こちらはひとたまりもない。
恐怖に任せて有る事無い事、時には出来ないことまで自白してしまうのです。

最早些細な報告のミスは命取り、小さな針はたちまち如意棒のごとく巨大化し事件へと発展する。
そして多くの場合、事件は再発防止レポートという名の特に誰からも見られることのない資料が作成され、提出することで幕を閉じるのです。

似た様な会議は1日3−5件程度、ウェブ会議のアプリも充実して来たことから海外との会議のハードルがグッと下がったことが大きく、会議のための会議まで開催される始末。
いや、下手すれば、会議の為の会議の “ 打合せ ” と称するものまで存在する。

なぜこんな事になっているのでしょうか。

思うに過去、得意先訪問や視察、懇親会、食事会など諸々の移動や会合が業務の大半だった幹部の方たちの仕事がコロナによる活動制限によってごっそりと減ってしまったことが原因なのではないでしょうか。

それら仕事の価値については私なぞにとても評価できるものではありません。
ただ、持て余しはじめた時間の向け先をわかりやすい末端実務労働者を捕まえての会議で埋めてしまおうと言うのは大変困った話。

切実な状況に多くのスタッフはすっかり青菜にシオ、つまりしょげかえってしまっているのであります。

管理職ってそこまで必要?

それにしても、管理職の肩書きが多すぎる。
“事業部長”などの聞き慣れた名称から
“シニアアドバイザー”なる横文字のかっこよさげな名前まで。
『一体誰の名前を先に書いたら良いのさ!』
毎日の会議に議事録まで作らされ、出席者の役職まで調べさせられる人間はたまったものではない。

そこにはどうもコロナとはまた別の問題があるようだ。

本屋で強烈な題名に惹かれて、思わず手に取ったその本の名は “ブルシットジョブ”。

本書によると世界にブルシットな仕事や無用な管理職が増殖しているのだそうな。

ブルシットジョブの例

取り巻き[注釈 1]
誰かを偉そうにみせたり、偉そうな気分を味わわせたりするためだけに存在している仕事。例えば、受付係、管理アシスタント、ドアアテンダント。
脅し屋[注釈 2]
雇用主のために他人を脅したり欺いたりする要素を持ち、そのことに意味が感じられない仕事。ロビイスト、顧問弁護士、テレマーケティング業者、広報スペシャリストなど、雇用主に代わって他人を傷つけたり欺いたりするために行動する悪党。
尻ぬぐい[注釈 3]
組織のなかの存在してはならない欠陥を取り繕うためだけに存在している仕事。たとえば、粗雑なコードを修復するプログラマー、バッグが到着しない乗客を落ち着かせる航空会社のデスクスタッフ。
書類穴埋め人[注釈 4]
組織が実際にはやっていないことを、やっていると主張するために存在している仕事。たとえば、調査管理者、社内の雑誌ジャーナリスト、企業コンプライアンス担当者など。役に立たないときに何か便利なことが行われているように見せる。
タスクマスター[注釈 5]
他人に仕事を割り当てるためだけに存在し、ブルシット・ジョブを作り出す仕事。中間管理職など。

引用元 wikipedia

周りには当てはまる人だらけだ。

そして何よりも大事なことが、
自分がやっている仕事自体も悪循環を起こしながらブルシットになっていると言う事だ。

会議に参加して、参加者を満足させるために工場やスタッフに無理な改善案を押し付けて、テキトーに仕事を割り当てて、それっぽい仕事を創作しているのだ。

会社とは合理的に機能するはずのものなのに
今では放ってけば、現場にいない人がリモートで “カイゼン” の名の下に新たな仕事を創り出している。

そして正直アウトプットはむしろ悪化している。

偉そうなことを語るつもりは決してない。

でも、声を上げさせてもらうなら
体の細胞だって、蜂の巣だって、生物界はそれぞれの個が自分の役割を果たしていれば想像もつかないようなシステムが出来上がる!
それなのになぜ、同じ目的で集まったはずの人間たちが集団になると、こんなに複雑な上下関係を作り出し、そして針の筵の様な状況になってしまう人が現れるのだろうか!

昨年末、私はノミの心臓をバクバクさせながら、直属の上司に今後無理な会議には出席しないこと、会議の場で暴言などが出る場合には上下関係、顧客かも一切関係なくその場で自分の思うことをを伝えることを説明しました。

この行為は今の会社を続けていくとしたら、相当自分にとって不利になる発言であったことは百も承知の上。

上手くいかなきゃ、早々に退散しよう。

第二の人生は大好きなピアノと本に囲まれたカフェでも始めたいな、なんてことも本気で構想し始めた今日この頃です。

愚痴のようなつまらない話で、書くことも躊躇われる内容でした。

それでも、私の隣で『ナメているのか!』と怒鳴られながら必死に説明を続ける同僚の震える声を聞いた時、小さな影響でもいい、ちょっとでも誰かとこの歪な現状を共有したいと思い立ち、記事をアップしました。


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