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火起こしから学んだ人や組織に火をつける際のポイント


焚き火好きが高じて、薪ストーブ付きのログハウスを買ってしまいました。

これは買ってからわかったことなのですが、軽井沢にある私の自宅は、サマーコテージということもあり、断熱が十分に行われておらず、冬になるととんでもない寒さになります。

吹き抜けてほぼ家全体が1つながりになっているログハウスのため、部屋を温めるにも相当なエネルギーが必要になってきます。

光熱費のことやエネルギー効率、環境のことを考えて、これまでは狭い部屋で灯油ストーブをつけながらの暮らしだったのですが、それはそれで家の1階部分が室内なのに氷点下になるという問題は残ったまま。。。それへの対応もなかなかな手間となります。

それもあり、今年からは完全に薪ストーブ中心の生活に切り替えました。

この冬になってからは、毎日のように火おこしをするようになりました。

この生活をしていく中でだんだんと着火と燃焼の解像度が上がってきました。

よく人材育成においても「火をつける」と言った表現がなされますが、こうやって毎日続けていくと、思っていた以上に人材開発や組織開発ととても似たような要素を持っていて、ここから学べることは、世間一般で言われているよりもはるかにたくさんあるなと思いました。

そこで、今回は私が火おこしの中で気づいた私が似ているなと思ったポイントや学べたことです。全部で7つあります。

前提として、薪には、
①燃えやすく(着火までが早く)、熱量、温度も高いが、すぐに燃えつきてしまう針葉樹と、

②なかなか火がつかないが、一度、着いたら、長持ちする広葉樹

の2つがあることを書いておきます。


1、燃えやすい針葉樹であっても、燃えるには段階がいる。

焚き火でも薪ストーブでも、火おこしをする際には、まず小さい枝などを用意した上で、そこに着火剤を入れます。

そこからの変化で言うと以下になります。

  1. まずは、小枝など、燃えやすいものが燃えていきます。

  2. そこから少しずつ周辺に火が広がっていきます。

  3. 薪の皮の部分や、ささくれのように薪の本体から小さく切り出された部分に部分から火が着いていきます。

  4. そうこうしているうちに、薪ストーブ、炉の中の温度が高まっていきます。

  5. その温度がそれぞれの薪材の着火の閾値を超えることで、火がつき、燃焼が始まります。

「燃えやすい」と表現される針葉樹ですが、針葉樹にしても、いきなり燃えるわけではなく、いくつかの適切なスモールステップを踏まないと、着火せずに、火種から消えてしまうことがわかってきます。

2、木と木は、お互いの熱で刺激を受け合って、熱量が高まっていく。

薪は1本だけでも燃えるは燃えるのですが、1本だけだと十分な温度まで上げるのは難しいなと感じました。

むしろ、同じくらいに温まっている2本の薪が近くでお互いの熱を受けあうことで温度の高め合いが生まれて、それが大きな熱源となり、周囲に広がっていくのだなということに気づきました。

3、まだ十分に温まっていない段階で着火させるのが難しい広葉樹を入れてしまうと、これまで着いていた火が消えてしまう。

広葉樹は、長持ちさせるのにはとても良いのですが、炎を大きくしようというプロセスにおいては、一定の温度を超えてから投入しないと、火が消えてしまうことがわかりました。

燃やすのが難しい薪をタイミングを間違えて早めに投入すると、一度炉内の火が消える、ないし、弱まってしまうのです。

ああ、せっかくここまで育てたのに、まだ早かったか、、、と、悲しい気持ちになります。

そして、その先がやっかいなのですが、炉内に灰色のガスが充満していきます。

4、薪は十分な温度がなく、着火と燃焼ができないと、燻って臭い煙を放出する。

スムーズに着火と燃焼が進まないとどうしても一度、炉を開けての作業が必要になります。

放っておいても、再燃しないですし、消えてしまうとまた再び最初から付け直しとなっていくため、消え切らない段階のうちからさらに着火剤を足したり、小さい薪を足したりします。

また炉内の空気循環がスムーズにいくように、火が広がろうとしているポイントに酸素が当たるようにポジションの調整をします。

その際に出るこのガス・煙が曲者なんです。

炉の扉をあけると部屋中に、あまりいい匂いとは言い難い焚き火の匂いが広がってしまい、それを取り除くのが非常に難しいのです。

こういうのを経験していくと、いかに木材を燻らせないようにするか、いかに着手してから修正なく、スムーズにプロセスを進捗できるようにするか、という計画や準備の重要性を痛感します。

5、酸素があることで、火は初めて燃えるし、酸素が適切な部分に当たることで、火はより早く着火し、より強く燃える

小学校の頃から、燃えるには、酸素があって初めて燃えるということは習ってきたと思いますが、火をつける作業をしていると、その重要性を本当に強く感じます。

ちょっと角度を変えて、酸素に触れる面積が増えるだけで、火は轟々と燃え出すのですが、それをやる前には、灰色のガスを出して燻ってしまいます。

酸素を当てるにしても当てた時によく燃えるようになる着火準備OKの部分と、酸素を当てても燃えるにはまだというポイントがあることに気づきます。

また、酸素が当たる経路ととともに、空気が抜けていく経路がまた非常に重要です。炉の中にはキャパの限界があるわけですから、抜けていく分だけ酸素が入ってくることができます。

なんで火がおこならないのだろうとみていくと、薪が酸素を取り入れる入り口部分を塞いでいたり、入り口部分から抜けていく部分までの道までが綺麗につながっておらず、一部塞がっていたりすることがあります。

そういった場合は、空気の筋道を作っていく調整が不可欠です。

空気が循環して初めて火は燃え続けることや、薪を燃やす力を持つ酸素を生かすにも、前に使った酸素から次の酸素を受け入れる環境づくりが大事になってくるのでしょう。

木材の燃焼を効果的に進める際のポイントである酸素を取り入れていくにしても、さまざまな工夫が必要なのだなという、ごくごく当たり前のことが強く腹落ちしました。

6、順調に燃え、温度が最高潮に高まっている時は、何を入れてもすぐ燃える。

これまで書いたように、着火に成功させて、燃焼を続けさせていくには、なかなかな難易度があるのですが。

面白いことに、炉内で一度、激しく燃焼が始まると
「これ燃やすの大変だろうな」
「いろいろな火を消していくだろうな」と思うような、どデカい広葉樹を入れてもすぐに着火、燃焼が始まり、どんどんと火が燃え上がっていくということが起こります。

さっきまであんなに苦労していたのはなんだったの??という気持ちです。

炉内の温度が十分に温まっていることの効果というのは、思っている以上に大きいのだなということを感じます。

7、最後まで燃え残るのは、燃やすのが難しかった大きめの広葉樹

これがまた面白いなと思うのですが、初期に薪の中を温めてくれた針葉樹も、比較的早く燃えた広葉樹も割と早いタイミングで燃えていってしまいます。

そんな中で最後まで燃えているのが、大きめの広葉樹なんです。

もちろん、あとに投入しないとそもそも火がつかないというのは大きなポイントなのですが、ある程度、炉内が温まったタイミングで、針葉樹と、紅葉樹を同時にいれても、当たり前の話なんですが、最後に残るのは広葉樹なんです。

私にはこれが何かを示唆しているように思えてなりません。

まとめ

以上、ここ最近、ひたすら薪ストーブと向き合う中で学んだことになります。

これを見ていて、なんだか、自分の人材開発、組織開発者としてのレベルが少し上がったような気がしているのですが、本当なのか、単なる勘違いなのか笑

それはこれからの実践で見えてくる話だなと思います。

また試しながらわかったことがあったら書きたいと思いますので、その際にはぜひ読んでみていただき、感想などいただけるとありがたいです。

ということで最後までお読みくださってどうもありがとうございました。





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きづきくみたてnote 森本康仁
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