就労移行支援の現実について
harutoです。
就労移行支援の現実について経営面から語ろうと思います。
なぜなら私が利用者の立場で利用する可能性が高くなっているから。
今は障害年金の申請中で、今後の就職はどうなるか分からないです。
ここで私が今まで関わってきた就労移行支援の事実について記録を残そうと思います。
お客様の取り合いが続いている
様々な法人が出店しているのに認知度がまだまだ低いのが「就労移行支援」です。
一般企業に向けた就労をサポートする福祉サービスになります。
福祉施設に就労を促すサービスではないことはご承知おき下さい。
地域によってはサービス過剰提供になっている場所があり、顧客の取り合いが起こっています。
多くの事業所は人口が多く、通所するためにアクセスが良い「駅前」に出店するのがセオリー化しています。
そして各事業所に応じて顧客を少しでも取るため優位な条件を出しているところが多いです。
・交通費の助成(決められた金額もしくは全額支給)
・昼食の無料提供
・カフェコーナーの設置
ここら辺が常態化していると言っても良いと思います。
顧客の心理として、少しでも無料サービスがあると良いと思うのが「人」だと考えられます。
悪い言い方をすると、こういった付帯サービスで顧客を釣るといったような現象がおきているのが事実です。
これは今後も続いていくと思いますし、他にも様々なアイデアを盛り込んで工夫している事業所があると考えられます。
サービスの質の低下防止
私が運営しているkizuki-care.netでもまとめています。
上記の記事が参考になりますので一読頂けると幸いです。
就労移行支援は一般企業への就職を達成させて、はじめて成果が出せるものです。さらに就職を達成させて半年間の就労が続けば実績となるように制度化されています。
一部の方は助成金で運営していると言われていますが、助成金を受けて運営はしていませんので覚えておいて頂けると幸いです。
制度改正される前は一定の同一単価が設定されており、通所さえしてしまえばレセプト(売り上げ)請求をかけられる仕組みでした。
この仕組み自体は変わっていませんが、ここにランク制による単価設定が導入され、一定の実績を出せた事業所に対して高い単価で請求できるように変わりました。
理由は「悪質な事業所が増えたから」です。
サービスの質を防止するために競争原理を働かせるための制度設計になったと言えます。
A型事業所閉鎖によってこれからどうなるのか
A型事業所は雇用契約を結びながら福祉サービスを受けて働く施設です。
ですので、働いた分はお給料が支払われる仕組みとなっていますし、労基法も適応されます。
もちろん障害者総合支援法も適応されますので、適正に労働が行わなければならない仕組みとなっているので、運営自体は厳しいと思います。
昨今、A型事業所の閉鎖が相次いで起こり利用者の解雇が報道されています。
私の推測になりますが利用者に与える仕事が十分確保できなかったり、競争もあって淘汰されていったのではと思います。
また、制度改定による報酬単価の低下が大きい要因にもなっているようです。
ここに来て103万円の壁の撤廃を受けて社会保険に加入しなければならない要件も上乗せされてきますので、経営が厳しくなって運営を取りやめていく事業所が増えたのではと推測します。
A型事業所の給料は平均して月8万円前後となっています。
障害年金をもらいながら通所している方が殆どだと思いますので、解雇されることはダメージが大きいと言えます。
ここにきて一般就労に向けて「就労移行支援」の利用が増えると思われる側面がありますが、ここはブラックボックスと言えます。
前年度に就労して給料が発生していると、就労移行支援を利用する際に利用料が発生してしまうからです。非課税世帯、未婚であれば利用料は発生しません。
利用料は1ヶ月で9300円です。これだけは割引できないはずですので収める必要性があります。
お金をかけて一般就労するにはハードルも高くなるというわけです。
こういった制度設計になっている以上、就労移行支援の利用者が増えることについては分からないといった感じです。
就労移行支援は稼げるのか
上記の記事でも語っていますが「稼げません」
理由はランク制が導入されたから。
良いサービスを導入できなければ生き残れませんし、就職先を確保できるかが勝負になっていきます。
いかにして利用者様を就職に結びつけて、雇用継続させるかが鍵となっています。
そのためには雇用率未達成企業に対して障がい者雇用について理解を示してもらわないといけません。
言い方は悪いですが、事業所側は一般企業でも通用する利用者を育て上げ、企業側には質のよい人材を売るといったような「ビジネスモデル」化が必要です。
そのためには企業間と事業所の繋がりも大切になっていきます。
ここの事業所の利用者様は質が良いから採用したい
このように思って頂けるには事業所の努力が必須になっていきます。
企業コンサルもしなければいけないですし、事業所で支援もしなければなりませんので就労移行支援での業務で必要なことは多いです。
ですので、簡単には稼げないようになっています。
終わりに「悪質な事業所を選ばないために」
これだけ顧客の取り合いが発生しているため、いかにして利用者様を増やそうか事業所同士で競争が働いています。
多くの人が無料で利用しているパターンが多いため、そういった利用者様を確保さえしてしまえば、一定の単価で売り上げの目途がたちます。
しかしながら、私が最後につとめていた職場は大手企業でしたが単価はとても低く、運営継続ができるような状態ではありませでした。
おそらく1年間はもたないだろうと感じています。
競争原理が働いていますので悪質な事業所は存在しています。
制度が厳しくなっていますが、抜け道はまだまだあります。
これから就労移行支援を活用する方に向けて、取材した記録があります。
就労移行支援での勤務歴7年以上の友人と対談をした内容です。
購入しても損することがないよう長い時間をかけて執筆しました。
私が執筆したnoteで一番手にとって頂いています。
一部の情報は出回っていますが、ここに記載している内容は検索をかけてもヒットしてこない情報に特化しています。
これから就労移行支援を利用する全ての方が健全に利用してもらえるように知って頂きたい内容を詰め込みました。
今回は就労移行支援の現実について振り返りをしましたが、いかがでしたでしょうか。
皆様のお役に立てればと思いますので、引き続き宜しくお願い致します。