
東京都庭園美術館に2日連続で行った理由
こんばんは、きぜつです。
以前、たまたま訪れた展覧会でとある画家の作品に心を惹かれたことで、もっとアートに触れたいなと思っていたのですが、その後なかなか機会を作れずにいたところ、久しぶりに美術館に足を運ぶことができました。
今回訪れたのは、東京都港区白金台にある「東京都庭園美術館」。


「Wonderment Noe Aoki / Ritsue Mishima」
現在開催中の「そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠」では、鉄を素材とした抽象彫刻の作家である青木野枝氏と、無色透明なガラス作品の作家である三嶋りつ惠氏の、現代美術の第一線で活躍を続ける二人の作家の作品が、旧浅香宮邸の随所に配置されていました。

















ひととおり展示を見終わり、新館でランチしたあとの帰り際、とある気づきがありました。
順路に迷って逆走してしまい、たまたま本館で2時間ぶりに同じ作品を見たときに、すこし見え方が変わっていたのです。
なぜだろうと考えたのですが、太陽光が作品に当たる方向が先ほどから微妙に変わったんだとわかりました。
そうか、光によって作品の趣が移ろうんだ。
ようやくコンセプトを理解したのです。
私の作品の本当のコンセプトはガラスではなく、光なのです。
――三嶋りつ惠
すべては流れていて、変わり続けている。
一瞬一瞬の流れのなかで、つくり続けること、
それが私の光だと思います。
――青木野枝
それからというもの、
「日が傾いてからはどんな趣があるんだろう」と気になってくる、、、
しかしこの日は後ろに予定もあり、後ろ髪を引かれながら美術館を後にして、こう誓ったのでした。
明日の夕暮れどきにもう一回、行ってみよう。
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こうして連日訪れた、東京都庭園美術館。
予想通り、夕方17時のチャイムが鳴ってから、作品が別の顔を見せ始めたのです。













太陽光で輝いていたときとは、まるで違う作品のよう。
中でも私が一番びっくりしたのは、こちらの作品でした。

本当に宇宙から滴っているようで感動していまいました。昼間は作品の名前にあまりピンと来ていませんでしたが、暗くなって初めて、その意味が腑に落ちたのです。
連日行ったことで、かかった入場料は2倍でしたが、そのぶん2倍、いやそれ以上のWonderment(感嘆)が得られた気がします。
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他にも、お二人の世界観や制作の様子が垣間見える資料や映像がありました。



「鉄」と「ガラス」という素材は一見、全然違うものですが、どちらも創作に火を使うなど、共通点もあるのですね。そしてお二人それぞれの創作に対する考え方にも触れて、改めて芸術家はかっこいいなと(月並みな感想しかありませんが)思ったのです。


そして、完全な想像ですが、2日かけて作品を見たときに、なぜこの展覧会を冬期に開催したのか何となくわかった気がしました。
太陽の高度が低く、室内の奥まで太陽光がふりそそぐ、冬。
日が暮れるのが早く、開館中も室内照明に切り替わる、冬。
実は冬って、光があふれている季節なのかもしれませんね。


そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠
会期 2024年11月30日(土) - 2025年2月16日(日)
会場 東京都庭園美術館(本館+新館)
東京都港区白金台5-21-9
ハローダイヤル 050-5541-8600
休館日 毎週月曜日、年末年始(12月28日(土)~2025年1月4日(土))
開館時間 10:00 - 18:00(入館は閉館の30分前まで)
追伸1:新館にあるカフェ「Cafe TEIEN」の、展覧会特別メニューに釣られてしまいました。
・カフェクリームとガナッシュ「Lumière(ルミエール)」
・オレンジとチョコレートのムース「Luce(ルーチェ)」
それぞれフランス語とイタリア語で「光」を表す言葉。
ここにもコンセプトのヒントがありましたね!
それぞれの作品のモチーフが見事に表現されています。食べるのが少し惜しかったですが、美味しくいただきました。


追伸2:庭園も見ました。少しだけ春の気配がしました。
