大地の恵み・人の恵み ~果物編~
こんにちは、きぜつです。
実りの秋・食欲の秋がやってきましたね。
私の生まれは農業が盛んな田舎県ですが、祖父母の家も含め農家ではありません。しばしば"田舎の実家からのお届けもの"として挙げられる「農作物」には縁がなく、むしろ憧れを持っている方です。
そんな私も最近、縁に恵まれ、身内や友人の農作業(収穫)のお手伝いする機会がありました。「わざわざこんな田舎まで手間仕事に来て変な人だね」と言われもしましたが、人生の目標である「晴耕雨読」の第一歩として千載一遇のチャンスであり、私は嬉々として向かうのでした。
とはいえ、手伝いと言っても完全にお客様対応をしてもらっていて、いわば「収穫の時だけにやってくる美味しいとこ取りのヤツ」です。
逆に言えば、素人が手伝えるのはそれくらいなのです。
そんな都合のいいご身分ではありますが、今年は先々月、先月と連続でフルーツを収穫したので、記録しておきます。
【8月】桃
8月、夏の真っ盛りは桃の季節です。
北関東にある、大学時代の友人の実家に植っている数々の桃の木。
その枝をしならせるほどたわわに実った桃を収穫するという素敵なイベントに、声をかけてくれました。
今年は、桃の生産が全国的に病気とカメムシなどの害虫による被害で、苦難の年だったとのこと…。
ですが、もちろん美味しい桃は実っています。
友人の実家では、甘くて柔らかい「ミキ白桃」と、硬くさっぱりした「まなみ」という品種が育てられていました。
※「ミキ白桃」は何かの別名かも
そんな桃の収穫作業は・・・
もぎ取る
これだけでした。
この手の作業は人海戦術しかありません。
夏空のもと、皆でわいわい、汗だくになりながらの一仕事です。
枝から離れた瞬間、ズッシリと重みすら感じる桃を、最終的には友人数名とその家族(子どもも含む)の約10人で、約2時間かけてカゴがいくつもいっぱいになるまで収穫しました。
友人のお祖父様がご高齢ということで、炎天下の作業が大変ということもあり、助かったと声をかけていただきました。いやいやむしろ、こちらこそ貴重な体験をありがとうございますという気持ちです。
さて、収穫した桃は、売り物になるものは主に直売所へ出荷し、綺麗なものは親戚や友人に送り、傷んでいるものはその場で食す、ということになります。
何を隠そう ”その場で食す”をやりかった・・・
硬いタイプの「まなみ」は収穫後2日程度置いてからの方が美味しく食べられるということもあり、その場では主にやわらかタイプの「ミキ白桃」をいただきました。みずみずしく、口の中に甘さが広がっていきます。
楽しく美味しい真夏のひとときに、子どもたちは終始はしゃぎっぱなしでしたが、私も心の中では負けないくらいテンションが上がっていたのでした。
【9月】葡萄
9月、朝晩が涼しくると葡萄の季節です。
妻の親戚は長野県でぶどう農家をしており(妻は祖母のことをぶどうばあちゃんと呼んでいた)、昔から9月後半は連日、収穫で大忙しになります。
昨年に引き続き、収穫作業に立ち会うことができました。
このあたりは半世紀ほど前まで、水田とくるみ畑が広がっていたようです。しかし、米の害虫であるアメリカシロヒトリという蛾が発生したのきっかけに、水田を焼いて、ぶどう畑に転作していったとのこと。
この地域は、ある程度の標高や水はけなどの地質、南向き斜面という地形と気候なども含めてぶどうの栽培に適していたみたいです。
ところで、いわゆる「高級ぶどう」といえば、一昔前は
・巨峰
・ピオーネ
などを思い浮かべるかなと思います。
もちろん現在もこれらの品種はありつつ、
・シャインマスカット
・ナガノパープル
・クイーンルージュ
などが最近では特に有名どころでしょうか。
この付近では、これらの品種を中心に栽培がおこなわれています。
ぶどうは、ハサミで茎を切って収穫します。
もしそのままの状態で長持ちさせるためには、果実がぶら下がる茎をできるだけ長めに切るといいそうですが、出荷する場合はある程度の短さまで切り、袋詰めを行います。
なんと今回、自らハサミを入れたシャインマスカットやナガノパープルを、房ごといただくことができました(親戚の心意気に感涙)。
さあ、いよいよ味わってみます。
これらの品種は「種なし・皮ごと」でそのまま食べられます。ちなみに、ぶどうの皮についている白い粉のようなものは「ブルーム」と呼ばれ、鮮度がいい証拠ということです。
気になるお味は…
シャインマスカットはシンプルな甘さと歯切れのいい食感、ナガノパープルはワインのように広がる芳醇な甘みと少しの酸味。
いくつでも食べられそうです。
ただそこには注意点が。「大粒・高糖度」であるがゆえ、ひとりで一気に平らげると血糖値が急上昇するので気を付けて、とのこと。親戚は、1日2~3粒ずつ、ちびちびと長く楽しむのがオススメと話していました。
親戚の忠告を守り、美味しいくて歯止めが利かなくなりそうになるのをグッとこらえました。そのおかげで長い期間、幸せなデザートタイムを楽しむことができたので、結果オーライです。
今年もありがたいことに、大地と人の恵みによって、美味しい果物をいただくことができました。そして何より、収穫作業後に皆で集まって、労をねぎらいながら食べたり話したりすること、これがいいんです。
収穫だけ手伝った私でもその嬉しさを噛みしめるので、1年を通じて山あり谷あり、昨年の収穫後からずっと携わってきた農家の皆さんは、喜びがひとしおなんだと思いました。
それがちょっとだけ羨ましくも思い、いつかは栽培にも携わりたい(ちゃんと労働力として貢献したい)と誓った、今年の夏と秋です。
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