森重晴雄さんは、三菱重工業で四半世紀にわたり耐震設計を担当してきた割には、ASMEを理解しておらず、設計許容応力と推定応力の評価が、的確にできておらず(東電はすべて白判定で安全確保可能、森重さんはすべて黒判定で原子炉倒壊、私は第三者評価、三者の差の源は何)、その程度ではなく、まったく不正確であり、エンジニアの技術分析とは思えない内容、以下、森重さんに対する決して甘くない功罪分析、・・・

森重晴雄さん(元三菱重工業エンジニア)は、耐震設計を四半世紀担当していたとのことですが、第三者、特に、耐震について、何も知らない素人に語るには、用語の定義や意味の説明が、あまり、うまくないように思え、具体的には、
・地震振動周期は、長短さまざま、そのため、振動周期(横軸)と地震加速度(縦軸)の関係(地震加速度応答スペクトル)の説明から入らなければなりませんが、そのようにしておらず、
・地震加速度を示すには、世の中では、暗黙の定義として、振動周期0.02秒の値が示されていますが、そのことを知らない人が多く、話の初めに、定義から入るべきですが、そのようにしておらず、
・世の中では、地震の加速度は、地表観測値ですが、原発の定義では、原子炉建屋地下二階床面の観測値であり、後者は、前者の50-60 %、単純に言えば、約半分になり(3.11地震時、福島第一原発サイト地表では、約800ガルで震度六強、原子炉建屋地下二階床面では、東電公表値460ガルで、震度五強)、原発耐震の話では、地表加速度や震度ではなく、原子炉建屋内の地震加速度と震度で示すべきですが、そのようにしておらず、
・1F-1のコンクリートペデスタルの説明では、原子炉建屋内の三次元的地震加速度分布の説明(地下二階を基準にすれば、縦方向で値が大きく異なり、四階では二倍、屋上では四倍)から入るべきですが、そのようにしておらず、
以上のことは、最初に定義し、分かりやすくしておく必要がありますが、致命的なことではなく、反面、森重さんの問題提起には、功罪があり、まず、功績は、
・世の中には、これまで、まったく知られていないインナースカート(原子炉建屋基盤から立ち上げ、原子炉格納容器を貫通させ、コンクリートペデスタルの下部を固定するための円筒形鋼材)の設置箇所と形状と機能を示したこと、
・世の中には、これまで、あまり良く知られていない原子炉圧力容器スタビライザーと原子炉格納容器スタビライザーの設置箇所と形状と機能を示したこと(私は、東海第二原発の詳細図を見ており、note本欄バックナンバー記事・写真参照)、
・森重さんの問題提起に対し、原子力規制委員会は、2023.6頃、東電に対して、コンクリートペデスタルの構造強度の検討命令を下したこと、
など、反面、罪なことは、
・明確な根拠なく、自身の推定値が正しいかのように説明しており、溶融物とコンクリートペデスタル内面の接触部の温度が、1200℃としていますが、推定であり、根拠なし、
・設計許容値応力と推定値応力の比較において、推定値を異常に大きくし、鉄筋やコンクリートの破断を推定、そのことがあたかも真実のようにして、安全評価を進めており、作為的(東電はすべて白判定で安全確保可能(特定原子力施設監視・評価検討会 (第109回) 資料2-1の解読より)、森重さんはすべて黒判定で原子炉倒壊(YouTube内容や著書))、
・コンクリートペデスタルが崩落すれば、原子炉圧力容器が倒壊し、周辺構造物、特に、最後の砦の原子炉格納容器すら破壊と推定していますが、地表面震度六強(原子炉建屋地下二階床面震度五強、縦方向地震加速度分布を考慮し、上階部震度六強)、
・三菱重工業で四半世紀にわたり耐震設計を担当してきた割には、ASMEを理解できておらず、設計許容応力と推定応力の評価が、的確にできておらず、その程度ではなく、まったく不正確であり、エンジニアの技術分析とは思えない内容(私は、原子力安全解析所で、四年間に、原発のクロスチェック安全解析四基(大飯3 & 4、浜岡4、女川2)担当し、伝統科学の手法と手順で業務に携わり、どのような事情があるにしろ、不正確なことは、しないよう心がけてきました、
などです。


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