【大河ドラマ】鎌倉殿の13人 第30回&第31回感想
誠に申し訳ございません!!
長らく更新をサボってしまいました。
言い訳をしても仕方ないので、真面目に記事を書いていこうと思います。
まとめて5話!とかズルいことはやらず、放送に追いつくまでは2話ずつ解説と感想を書いていこうと思います。
というわけで皆さまもう忘れてるかもしれませんが、8月7日放送の第30回「全成の確率」、8月14日放送の「諦めの悪い男」の感想記事です。
第30回
第30回ではこの時点で唯一生存の源頼朝の弟・阿野全成が最期を迎えました。
全成については、最期のシーンの新納慎也氏の演技が良かったですね。
大河ではコミカルなキャラクターとして描かれることが多かっただけに、最期の処刑シーンの迫真の演技がより光った感があります。
全成の二つ名である「悪禅師」は大河ではあまりクローズアップされてこなかったかと思いますが、処刑される際に八田知家が「悪禅師全成、覚悟」と言って首を落とす。
「悪禅師」は悪人というより、荒くれ者といった意味合いでどうも全成にはしっくりこない異名であり、最後も決してそうした意味で使用されたわけではないのですが、違和感なく上手に使用されたように感じました。
あと、これは知っていると歴史がより面白くなる豆知識ですが、鎌倉幕府を滅ぼすことになる後醍醐天皇の側室・阿野廉子は全成の子孫にあたります。
あと、この回で二代鎌倉殿・頼家が御家人の所領再分配を打ち出し、御家人たちが反発する場面が描かれました。
これは私が過去の連載でも触れた頼家政権の目玉政策の一つ。
大河では頼家と比企能員が対立的となっていて、説得に言った能員がまず上野の所領の没収を言い渡されるシーンは能員役の佐藤二朗氏の演技の良さもあって、見ごたえある面白いシーンでした。
父の代からの宿老の所領を削って、自分の側近に分け与えたいというのは心情として理解できるわけですけれども、やはりそこは頼家の若さ故の浅はかさで上手くいかないわけですよね。
まあ、武家政権の棟梁としての先例はこの時点では平清盛と源頼朝しかおらず、この両者は基本的には戦時の棟梁。
平時において武家政権をどう運営していくか、というのは実は先例がないに等しいわけで、試行錯誤でやるしかない。
ここに頼家の苦労があるわけですね。
なお、全成が処刑される少し前に、京では最大実力者であった源(土御門)通親が亡くなっていますが、大河では全く触れられず。
30回と重なる内容として、下記記事も是非お読みください。
第31回
第31回で比企氏が滅亡。
一般的に「比企氏の乱」と言われますが、事件の経緯は比企氏による反乱ではなく北条氏が仕掛けた政争であることは明らか。
北条史観による不適切な名称と言えましょう。
この大河で私が一番好きなキャラクターは比企能員かもしれません。
佐藤二朗氏の演技で本当に魅力的な比企能員に仕上がったなと思います。
権力欲を増大させていくにつれて、表情が豊かになっていくのが良かった。
北条時政の最大の政敵として申し分なかったです。
比企氏を滅ぼす大義名分を得るために陰謀を仕掛けた義時が政子に語ったセリフ「頼朝様は正しかった。敵を容赦せず、常に先に仕掛けた」は大河のストーリーの流れの中で大きなターニングポイントとなるものとなりましたね。
ここは義時が一皮むけたことを示す重要なシーンとなりました。
第31回のサブタイトルは「諦めの悪い男」。
これは最期まで言葉を用いて生き残ろうとした比企能員のことを言っていると思わせておいて、他にも諦めの悪い男が複数登場するという見事な仕掛けでした。
比企氏との武力衝突を最後まで避けようと努力した北条義時
幕府を運営していく意思と能力を息子の義時に疑われても自ら政治を主導していく意思を示す北条時政
そして、生死の境から生きることを諦めずに意識を取り戻す源頼家
ネーミングセンス抜群の「諦めの悪い男」でした。
比企氏滅亡については過去に下記記事を書いています。
前半部分が第31回と重なる箇所ですが、ちょっと北条政子を過大評価しすぎていたなと思っていまして、いまの自分の考えとは少し違うのですが、よろしければお読みください。
次の第32回、33回の感想はあまり時間を置かずに書く予定です。