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「菓子屋では無い時の店主ってどんなもん?」愛蔵版 モモ

菓子屋では無い時の店主ってどんなもん?

最近、仕事以外で外に出なくなった。
お家は居心地がいい。とか言うことを書いてみてもよかったけれど、そもそも自分で休日を作ってい無い事に気づく。
夏に寝溜めした分は10月頭のイベント辺りで尽きてしまったみたい。

最近なんだか仕事以外のことばかり考えてしまうから、今日は午前だけちょこっと仕事して、午後は休日みたいな事しよう。

そんな気持ちから、今日の素敵な休日が始まった。

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今日は伊勢で大きなお祭りやイベントが開催されている。
出店を誘われたが、仕込みが間に合いそうもないから断ってしまっていたので、とりあえず馴染みの出展者様に挨拶に行く事に。

一人で仕込みをしていて、たまにしか店を開けない樹和堂のスタイル。
久しぶりに一気に人に会うのは疲れるので、準備体操にジャミセのすぐるさんと話してみる。
ジャミセ・・・店主がたまにふらっと一人で、人がいなさそうな時間帯におしゃべりに行くお店

うーん。本調子じゃない私がいる。
帰り際に言われた「ゆっくり休んだ方がいい」を頭の中に伊勢市駅周辺のイベントで知り合い訪ねてぐるぐると。

あーこれは全く休日では無い。

人がいない静かな場所に行こうと、フォローしてくださってからずっと気になっていた散策者という本屋さんへ。

本屋さんは静かでいい。
ゲームもテレビもスマホも無かった幼少期の私の情報網は本とラジオ。ずっとそばにいた存在なのに、スマホを持ってから変わってしまっていた。

本当に好きなものがあったら買っていこう。
そう思い棚の隅々まで見渡す。
うーんちょっと気になるのはあるけど、買うかは迷うなあ…今日は無いのかなあ…
なんて思って最後に見た棚の奥にあったのが

愛蔵版  「 モモ 」
作 ミヒャエル・エンデ
訳 大島 かおり

実家にずっとあったお母さんの本。モモ
図書館ばかり行く私達の家族が本を持っていることは珍しい。
それでもずっと棚にあって、1年か2年に一回読み返していた。
今は内容は覚えていないけど、子供ながらに読むたびに
「世界で一番好きな本!大切にしたい!」
と思っていた記憶はある。

私の知っている表紙では無かったから最初は気づかなかった。それもそのはず。「愛蔵版」なのだ。
胸がドキドキする。本が離れない。こんなの久しぶりの感覚だ。
「ゆっくり休んだ方がいい」のゆっくりな時間の中に、私が長い間かけて忘れてしまったこの本に癒してもらう事に。

本を購入した後は近くの外宮に行き、腹式呼吸をしながら歩く。
時間がゆっくりにそして空気が軽く、そして光のシャワーのような木漏れ日。本屋さんに入ってからのたった数時間で特別な休みに変わった。

引越しを重ねていろんな物が少なくなって、今はどこに行ってしまったかわからない大切な本。
もし、どこかの段ボールに入っていたら、この新しいモモは必要としている人にプレゼントしよう。

菓子屋じゃ無い時の店主ってどんなもん?
「疲労の合間に夢見がち」

10月13日16:24

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これはほんの数時間前のことで、忘れたく無い気持ちを今書いて投稿しています。

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