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2022年に見たインド映画まとめ
もともと映画好きというわけではないが、手軽な娯楽ということで、インドに移住してからは月に1〜2回の頻度で映画館に足を運んでいる。
昨年は南インド映画が豊作で、ヒンディー語映画、いわゆるボリウッドは勢いがなかった。
チェンナイに住んでいるので、昨年見た映画は全て南インドで制作された映画である
鑑賞直後の感想note記事は、上記のマガジンにまとめている。
Naai Sekar
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1月13日公開のタミル映画。
インドの映画館で初めて観た記念すべき作品。
最初ということで、肩の力を抜いて気軽に観られるようなコメディーを選んだ。
マッドサイエンティストが飼っていた犬に噛まれた青年が、だんだん犬っぽくなってしまい、反対に犬が人間っぽくなるというドタバタコメディー。
予想通り、言葉がわからなくても楽しく鑑賞することができた。
昨年末に続編「Naai Sekar Returns」が公開されていたが、それは観なかった。
Etharkkum Thunindhavan
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3月10日公開のタミル映画。
主演は人気俳優のSuriya。
弁護士として高等裁判所に勤めるSuriyaが、法の目を掻い潜って罪を重ねる極悪犯罪グループに私的制裁を加える、という社会派アクション映画。
激しい暴力シーンが多くて度肝を抜かれたが、後にこれが南インド映画のスタンダードだと知る。
ウーティーの老舗映画館で鑑賞したのだが、観客の声援や指笛が凄まじく、インド式映画鑑賞の洗礼を食らった。
RRR
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3月5日公開のテルグ映画。
日本を含む世界中でヒットを飛ばし、ゴールデングローブ歌曲賞も獲得した大娯楽作品。
当然インド国内でも大流行し、結局ぼくは3回も映画館で観た。
笑いあり涙あり、ど迫力のアクションあり、楽しいダンスあり。
インド映画にハマるきっかけになった作品。
Beast
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4月13日公開のタミル映画。
主演はタミル映画界で最も人気のある俳優Vijay。
前評判のわりに、興収はあまり振るわなかった。
演出が単調で、Vijay頼りになっていた印象を受けた。
公開時期が『RRR』と『K.G.F 2』にちょうど挟まれる形で、話題を全てそれらに持っていかれてしまった。
K.G.F 2
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4月14日公開のカンナダ映画。
今まで日陰を歩んでいたカンナダ語映画界に彗星の如く現れた超話題作。
世界中で公開された『RRR』とは対照的に、ほとんど海外公開されていないため世界的には知名度が低いが、昨年インド国内で最も売れた映画。
この映画の公開以降、主役のRockyに似た髪型をしたお兄さんが街に急増した印象がある。
映像の圧とスピードが凄まじく、3時間ずっと「俺が考える最強の演出」を見せられている感じ。
訳が分からないが、ひたすら圧倒される。
Vikram
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6月3日公開のタミル映画。
カマル・ハーサン、ファハド・ファーシル、ヴィジャイ・セドゥパティという個性派おじさん俳優たちの共演。
そこまで複雑ではないものの、ストーリーはやや作り込まれていた。
演出や音楽にハリウッドっぽい洒脱さがあって、今まで見たインド映画とは趣向が異なっていた。
日本で公開されても流行りそう。
Ponniyin Selvan 1
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9月30日公開のタミル映画。
監督、俳優、音楽など最高のスタッフを揃えて作られたタミル人待望の作品。
半世紀前に大ヒットした本を原作として、タミル・ナドゥの史実を描く壮大なスケールの歴史物語。
インド全土で話題を呼んだとは言い難いが、昨年公開されたタミル映画の中では最も売れた。
ローカルスタッフから聞いた話によると、この作品に対してタミル人は並々ならぬ思い入れがあるらしい。
Kantara
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9月30日公開のカンナダ映画。
カルナータカ州沿岸部で実際に継承されている神憑きの儀式を題材とした作品。
最後の10分があまりにも衝撃的で、情緒が迷走する。
神を「何か恐しいもの」と見なすような宗教観は日本人と通ずるところもあるので、日本で公開されればかなり話題を呼びそうな気がする。
この映画は、インド代表の一つとして今年のアカデミー賞に出品されている。
娯楽作品というよりは芸術性が高いので注目を浴びてほしいが、一神教を信じる西洋的な価値観とは相いれなさそうな気がする
Gatta Kusthi
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12月2日公開のタミル映画。
ケララ州のレスリングをテーマにしたスポーツコメディ。
主演女優は、Ponnniyin Selvan でサブヒロインを演じたAishwarya Lekshmi。
南インド映画において女性は、強い男性を陰で支えるという役回りが多いが、この映画はAishwarya がレスリングのチャンピオン役で大胆に活躍する場面が多かった。
Raakshasaru
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12月16日公開のカンナダ映画。
バンガロールを旅行しているときに、ゲストハウスの近くの映画館で鑑賞した。
究極につまらない映画で、インターミッションで帰ってしまった。
もしかしたら後半のストーリーは面白かったのかもしれないが、演出やカメラワークが野暮ったくて見ていられなかった。
まとめ
2022年は10本の映画を観た。
そのうち『RRR』は3回、『K.G.F 2』は2回、『Kantara』は2回観ているので、計14回映画館に足を運んだことになる。
特に意識していたわけではないがヒンディー語映画を1本も観ていないので、今年はボリウッドも観てみようと思っている。
明日、SRK主演の『Pathaan』が公開されるので、木曜日に観に行くつもり。