標高3000mの大散歩_立山縦走 ②雄山での憧れの景色
夜明けとともに出発
雷鳥荘の相部屋は定員8名の蚕棚方式で、今回は私を含めて3名での利用だった。
2時半ごろトイレに起きると、おひとりのブースに電気がついている?ように見えた。私はもう一度うとうとしたのだが、4時にごそごそする音で目が覚めた。(ザックの熊鈴の音…おいおい)
4時半起床のつもりだったので少し早いがもう起きようと思いベッドから出ると、明かりがついた状態でそのブースのカーテンは堂々と開いていた(おいおい2回目)。私がトイレと水汲みから戻ると、他のお2人はすでに出発したようだ。私が起きたことがわかったからか部屋全体の電気も点灯していた(おいおい3回目)。
こうなったらもう、ラウンジで食べるつもりだった朝食の弁当は部屋で食べることにする。
食べたものが身体の中で落ち着くのを待つ間、外に出る。
稜線がくっきりと見えている。予報通り。あとはこれがいつまで持つかどうか。
今回のコースは、雷鳥荘から室堂平まで戻り、一の越→雄山→大汝山→富士の折立→真砂岳→大走り経由で雷鳥沢→雷鳥荘、の予定だ。
(雷鳥荘はキャンセルで空室があるためその場で申し出れば延泊できるとお聞きしていた。余力がなければ泊まる)
↑このコースに真砂岳をくっつけた予定。
雄山での天候と心身の状態をみて、その先に進まない選択もあり。
天気が崩れる前に下り始めたかったので、6時出発のつもりだったが5時半に出発することにした。
台風の影響があるなか訪れているだけあって、多くの宿泊者がツワモノとみえ、早々に出発していく。ほとんどの人が私とは反対方向、つまり雷鳥沢のほうへ降りていくようだ。4時頃出発した方々は、別山まで登って剱岳を目の前に朝日を拝むんだな…。
私はまだ、ヘッドランプを頼りに山歩きをしたことはない。
その体力が羨ましいけれど仕方がない。私は今の私にできる方法で目標をクリアしていこう。出発だ。
朝の室堂平を歩く
高所のためすぐに息が上がりやすいので、ゆっくりゆっくりと進む。熊情報があったのもこのあたり。周囲には誰もいないので、熊鈴を鳴らして歩く。
一の越から雄山山頂へ
一の越は標高2693m。雷鳥荘から300m上がってきた。雄山山頂の標高は3003m。高所順応も兼ねて、また山頂までは落ち着いて休むところも少ないのでしっかりとトイレ休憩をとり、いよいよ雄山へ向けて登っていく。
登り始めたら、早速強い風がビューンと吹いてきた。
神が様子を見にやってきた、そんな感覚。
今回は初回の挑戦の時と同様に見晴らしがいいので、高度感がある。
少し開けた場所、三の越に到着。前回はここもガスの中だったので、ゆっくり休憩する気持ちになれず、息を整えただけで先に進んでしまったように思う。
今回は落ち着いて少し休憩できた。
2年前はポールを最初からしまって手を使ってよじ登っていたような気がする。今回はそこまでしなくても、時々手を使いながら、ポールも使いながら登った。
丁寧にペンキが付いているので、自分でルートファインディングをしなくて済み、ありがたい。
そして、8時ごろ、到着。
早速鳥居をくぐり、700円を払う。荷物を置くように言われ、階段を登っていく。
すでにお一人着いていたので、私たち2人に対して神主さんがご祈祷をしてくださり、万歳三唱🙌
前回はここから見渡す限りガスに覆われ、真っ白の世界だった。
ここからの眺望を楽しみにしていたので…ご祈祷が終わっても少しだけあたりを見渡していた。
頂上の標識の向こうに…黒々とした剱岳が姿を現した⛰️
これ、これが見たかったのだ。てっぺんにうっすら雲がかかっているが、これだけ見えたら十分だ。
神主さんに思わず「ここからの剱岳を見たかったんですよね」と口に出した時、なんだかこみ上げてくるものがあった。
神主さんは、あ〜ちょっと雲がかかってるけどね、と普通の反応だったけど。
剱岳と、その手前の別山、真砂岳、そして雄山に通じる縦走路が全部見えている。。。
じーんとした気持ちを抱えたまま、社務所の前のベンチに戻り休憩する。
ガスが晴れて、素晴らしい眺望が目の前に。
社務所には数名の登山者がいたが、その1人が、雷鳥荘で同室だった方とお見受けした。若いその方は、軽々とリュックを担いで颯爽と下山していった。
逆回りで夜明け前から歩いて…もうここで合流したんだな。
その他の方もどうも逆回りで来られた方のようで、みなさん下山するのみという感じ。
雄山の途中で追い越した2人組の方は、これから縦走するのだろうか。
さあ、私も先へ進んでみよう。この天気がきっと味方してくれる。
どんな体験が待っているのだろうか。