高畑勲監督のおススメ著書10選『君が戦争を欲しないならば』 他
Xにて、高畑勲監督の著書『君が戦争を欲しないならば』 のおススメ投稿をしたところ、比較的大きな反響がありました。20日時点で、15万PVで、ブックマークも900以上あり、実際購入したという方も出てきました。私は、高畑勲監督の著書は、どれも名著なので、おススメランキングを作ってみました。細かいコメントは後日更新するかもしれません。
BEST10にしていますが、ほぼほぼ全部です。あとは監修とかになるかな。
10位:木を植えた男を読む
ボリュームやメッセージ的には他の本の方が強烈なのでこの順位。同じ作品論でも、後述する『漫画映画(アニメーション)の志』の方が、高畑監督の「好き」の原液があるのではと感じたことも順位に影響している。ただ、『木を植えた男』初見でこのレベルまでの視座がえられるわけがなく、私は購入してよかった本。『木を植えた男』未見でも楽しい。
9位:十二世紀のアニメーション: 国宝絵巻物に見る映画的・アニメ的なるもの
この本を編集した担当は達成感があったのではないか。ビジュアルからしてとても工夫して作られています。日本美術だけでなく、本づくりとしても魅力に感じてしまった。(たまにこの本の視点を批判している方を見かけますが、私は判断つきません)
7-8位:一枚の絵から 日本編&海外編
ジブリと縁が深くなった堀田善衛さん(高畑さんが、宮崎監督らにたいして堀田さんが素晴らしいと言っていたことから、ラピュタへの一筆、そのほか展開につながっていった認識)の、『美しきもの見し人は』の高畑監督版という理解でいます。もうちょっと自分の教養が高くなってから読み返したい。今はまだ応用できない自分がいます。
6位:ホルスの映像表現
ネットで見る限り、プレミアがついている本。編集技術を学びたい人が絶賛していることが多い本。私も購入しましたが、ちょっと今の時代ならもっとわかりやすく表現できることもある気がする。とはいえ、絵も盛りだくさんんで、こだわりを感じる一冊。スタッフへの感謝やいたわりの文章も良い。富野監督の編集本も名著であるが、この頃に力をつけたアニメ監督らの編集力は本当にすごいと思います。
5位 アニメーション折りにふれて
文章集。ボリュームがあるので他の本より満足度が高い。5位にしてしまいましたが、作り手以外の支店の人には、1位の次にこの本でも良いかも。
3位-4位 映画を作りながら考えたこと Ⅰ&Ⅱ
5位と同様の位置づけ。文章集。ボリュームがあるので他の本より満足度が高い。取材旅行の記録レポートが地味に好きです(マニアックな見方になってしまいますが)。
2位 漫画映画(アニメーション)の志: 『やぶにらみの暴君』と『王と鳥』
主張や文章で圧倒的に面白かったのは、この本。高畑監督の「若き頃に本当に好きだったものを、愛と失望を持って語っている」というもの。タイトルだけみたら、好きだった作家の歴史や良かったところを開設した本に見える。ジブリが本作の上映やDVD発売などにも寄与したのだから、宣伝に近い文章ではと思ってしまう。だが実際は、のちにできた完成版への「失望」まで強めに書いている。ここまでリスペクトする先人に対して強くかけるものだろうか。作品に厳しい高畑監督の一面さえもみえる(ドキュメンタリーでは宮崎駿監督が恐れたというが、少しわかった気がしました)。
1位 君が戦争を欲しないならば
名文(講演の内容をまとめたものですが)。高畑勲監督節としても面白くて。例えば、「なぜ、これまで自分は戦争(体験)を語らないでいたのか。なぜ、語っても良いと思うようになったか」ということから始まっている。「なぜ、この作品を自分が監督するのか」という高畑監督のアニメ作品制作時の自問自答に近しいものがあった。まずは読んでみていただきたい。
番外:ディズニーアニメーション 生命を吹き込む魔法(監修本)