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〈ロンドンと食〉フレディ・マーキュリーのお宝展サザビーズ『A WORLD OF HIS OWN』へ

この記事は、訪れた場所についての内容とあわせて、ふだんグルテンフリーかつマクロビオティック(プラントベース)という、自分のカラダに一番合うと感じている食生活を中心に過ごす私の目線で、外出先での食事情についても触れているおでかけシリーズです。


膨大なプライベートコレクションをオークション前に公開!

イギリスのロックバンド QUEEN(クイーン)のボーカリスト Freddie Mercury(フレディ・マーキュリー)が遺したプライベートコレクションの数々が、現在ロンドンにて無料公開中。展覧会が開催されている、老舗オークションハウス Sotheby’s London(サザビーズ・ロンドン)を訪れました。

『A WORLD OF HIS OWN』と題するこの展覧会では、フレディが収集したアート・ファッション・インテリア・楽器・創作関連の書類など、自宅にて長年大切に保管されてきた特別な思い入れある品々に出会えます。

Sotheby’sの入口には
フレディのおヒゲが!

週末だったので、混雑を予想しオープン45分前に到着。すでに入り口から200mほど行列ができていましたが、時間になり扉が開くとスムーズに入場できました。それでは、鑑賞スタート♪

いちばん最初の展示室は「IN LOVE WITH JAPAN」

大の親日家として知られるフレディ。日本美術品のコレクターとして収集した選りすぐりの品々が並びます。どれも手入れが行き届いており、出だしから日本への愛が溢れていました。

目を惹く鮮やかな着物
家具や日本画など多数

「AT HOME」の展示室へ移ると、美しい調度品とともにさりげなく置かれた、愛猫さんとの写真にほっこり。

フレディの溢れる猫愛
こちらにも愛猫さんとの
ツーショットが♡
このソファは猫さんの
爪とぎ跡付きなのでは!笑

あまりに可愛らしくて猫ばかりに注目してしまいましたが、展示室に並ぶアイテムや会場で上映されていた「ガーデン・ロッジ(自宅)」の様子から、フレディの並外れた審美眼の鋭さを感じたのでした。

こちらは、親しい人たちと食事を楽しんだダイニングテーブル。

華やかな卓上セッティング

お次は「CRAZY LITTLE THINGS」という小物を集めたギャラリーへ。

愛猫家フレディは
猫グッズも収集
この部屋にも日本アイテム多数!
ファッションアイテムのコーナーも

「CROWN & CAPE」の部屋には、1986年の「マジック」ツアーで着用した王冠とマントが中央に!数々の受賞時に贈られた、額入りの賞状とともに展示してあります。

フレディの王冠とマント
展示室の壁一面に
このような受賞の証が!

階段で上のフロアへ移動。見るべきお宝は、まだ半分残っています!

内部は混雑していたので
所々流れが滞る…

階段から先が特になかなか進まない…展示室に入り理由がわかりました。貴重なフレディ直筆の歌詞草稿が並んでおり、ひとつずつじっくり目を通したくなるのは納得!

航空会社の便箋にメモしてあるので、移動中に思い付いたのだろうか?そんなふうに想像するのも楽しい。

フレディ直筆「Somebody To Love」歌詞草稿

その先にある、アッパー・ギャラリー「AT HOME」の展示室にはバーカウンターや本棚などが並びます。本棚にある背表紙のタイトルを眺めていると、まるでフレディの自宅を訪れたかのような感覚を味わえる空間。

奥へ進むと、アクセサリーや絵画コレクションの一角があり、日本の木版画で歌川広重の名作「新大橋と安宅のにわか雨」も拝むことができます。これは、フレディの木版画コレクションの中で目玉となる作品なのだとか。

「新大橋と安宅のにわか雨」
歌川広重(1857年)

西洋絵画のコレクションには、ピカソ・マティス・シャガール・ダリなど、巨匠たちの作品も並んでおり、絵画コーナーではシンプルに絵画鑑賞に集中してしまった!

いよいよこの展覧会のハイライト!メインとなる展示室にて、ステージ衣装の数々を鑑賞。

マネキンのお顔もフレディになっている!
色とりどりの着物コレクション

バレエ好きのフレディ。ステージでのパフォーマンスや衣装にも、バレエの要素を取り入れていたのだとか。

バレエシューズと
バレエタイツの
バリエーションが豊富

こちらの白いステージ衣装は「Bohemian Rhapsody」プロモーションビデオ(1975年)で着用したものなのだそう。

フレディの白いステージ衣装

そして、今回のオークションの目玉と言われるのがこのYAMAHAのグランドピアノ。名曲「Bohemian Rhapsody」は、このピアノを購入し自宅に到着した数ヶ月後に誕生!彼はこのピアノの響きやエレガントな外観をとても気に入っており、生涯手元に置いたとのこと。

20世紀の名曲を数々生み出した
フレディのヤマハ・グランドピアノ

ギターを含め、ピアノ以外の楽器の展示もありました。

フレディのアコースティックギター
1975年製マーティンD35

最後はふたたび直筆の歌詞草稿が並ぶ展示室へ。

「Bohemian Rhapsody 」の衣装や作曲に使われたピアノを鑑賞してから辿り着く、歌詞の直筆メモという動線。メモの中では、別のタイトル “Mongolian Rhapsody”と書いたものを “Bohemian Rhapsody”へ書き換えてある!

フレディ直筆「Bohemian Rhapsody」歌詞草稿

鑑賞中、映画「ボヘミアン・ラプソディ」をもう一度観たくなりました。

バンドのロゴもフレディ作だったことに驚き!
音楽だけに留まらずマルチな芸術的才能を持ち、仕事でもプライベートでも常にこだわり抜いた彼の世界 “A World of His Own” を追及、そして表現し続けた人生だったのでしょう。……なんて、しみじみ!

フィレディが描いた
バンドQUEENのロゴ

鑑賞時間2時間越えのかなりボリュームある内容。“スターの持ち物” という意味でのお宝を想像していましたが、実際はフレディが所有する前からすでに価値ある品々が大部分を占めていました。彼の感性、アートに関する豊富な知識やこだわりに感服するばかり。展示会場に足を踏み入れる前の想像をはるかに超える、奥深いフレディ・ワールドを体感し胸いっぱい!

これらのアイテムは9月に開催されるオークションに出品され、世界各国に住む多くの人々の元へ旅立つのでしょう。今回このような形でお目にかかれるのは、一生に一度の貴重な機会。訪れることができて本当に良かったです。

しかし、このオークション開催について知った時は正直、もったいないのでは?と思いました。なぜオークションなんだろう?って。

展覧会の終盤、壁にこのような言葉がありました。
"The one thing I would really miss if I left Britain, would be Sotheby's."
(もし英国を離れることになったら、サザビーズだけは本当に恋しくなるだろう。)

フレディは美術品や家具などコレクションのほとんどを、Sotheby'sのオークションで購入していたことを知り、腑に落ちたのです。ここが彼の好きな場所であり、好きな事だからなのだと✴︎

Sotheby'sフレディ・マーキュリー「A WORLD OF HIS OWN」オークションのページ(英語)https://www.sothebys.com/en/series/freddie-mercury-a-world-of-his-own

ロンドン展示会:2023年8月4日~9月5日
所在地:34-35 New Bond St, London W1S 2RP
展覧会は予約不要・入場無料

展覧会前のブランチ@Ergon Deli

週末のフレディ・マーキュリー展は12時オープン。鑑賞中にお腹が空いて集中力が切れることは避けたい!ということで、ブランチで腹ごしらえ。展示会場 Sotheby's から徒歩3分ほどの場所にある、ギリシャ料理のカフェ & デリ Ergon Deli (エルゴン・デリ)を訪れました。

Ergon Deliの外観

予約なしで9時15分ごろ到着(この日は9時オープン)座れたけど予想以上に埋まっていた!待たずに席確保できてよかった〜。
※週末は特に予約が確実なようです!

Ergon Deliのメニュー

メニューに目を通すと、一部には “小麦粉不使用” や ”ヴィーガン” とある。しかし、それ以外の詳細を知りたかったので「グルテンフリーのオプションはありますか?」と尋ねてみました。

残念なことに、ややたらい回し状態にされ数名のスタッフさんと話してみたものの、人により案内がまちまちで明確な回答を得られなかったので、ALLDAY BRUNCH メニューの中から小麦製品が使われていないと予想した Greek salad omelet を選ぶことにしたのでした。

この日はたまたま、メニューについてよく理解できていない人に当たってしまったのか……これまで訪れたロンドンの飲食店では、このような対応を受けた経験が無いので、やはり中にはこんなお店もあるのか〜と驚き。

ALLDAY BRUNCH メニューから
Greek salad omeletをチョイス

お料理は、具だくさんのオムレツで美味しくいただきました!ベリーやメロンが入ったスムージーとともに♪ 量もブランチにはちょうど良い。

友人が選んだ赤パプリカとトマトソースのひと品、 Eggs with Soutzouki spicy salami と、パパイヤやパイナップルのスムージーも美味しそうでした。(友人は特に制限のない食生活です)

Ergon Deliでのブランチ

今回気になりつつ食べられなかった小麦粉不使用ケーキは、またの機会に試したい。パン類が美味しいお店のようなので、小麦粉OKの人は楽しめそうですよ〜!

店内では様々な自社商品の食材を購入できます。また、いったん外へ出て隣のお店へ行くと(トイレはそちらにあります)おしゃれなキッチン周りのアイテム、オリジナルグッズなども販売しているので、時々ふらりと立ち寄りたくなりそう♪

Ergon Deli London 公式サイト(英語ページ)
https://www.ergonfoods.com/ergon-deli-maddox-london
所在地:5 Maddox St, London W1S 2QG 

鑑賞後はおいしいケーキでひと休み@Claridge's ArtSpace Café

2時間以上集中してフレディのお宝を鑑賞し、Sotheby'sを出る頃には友人も私もエネルギー切れになっていました。カフェでひと休みしたくなり Claridge's ArtSpace Café(クラリッジズ・アートスペース・カフェ)へ♪

2023年2月にオープンしたこのカフェは、以前アフタヌーンティーの記事で紹介したホテル Claridge's(クラリッジズ)初のカフェ文化を楽しめる空間。モダンでスタイリッシュな店内には、アートギャラリーも併設されています。入り口はホテルとは別にあり独立したカフェスペースのため、気軽に立ち寄ることができるのもありがたい。

Claridge's ArtSpace Caféの外観

パティスリーカウンターにはクラリッジズの美しいケーキが並び、焼きたての特製クレープやガレット、季節のサラダ、朝食メニューなどを提供しています。軽食やおやつタイムに最適!

Claridge's ArtSpace Caféのメニュー
ドリンクメニューは裏側に

ケーキにグルテンフリーのオプションがあるか?スタッフさんに尋ねると、レモンと苺の Claridge's crest cake (クラリッジズ・クレスト・ケーキ)がグルテンフリー & ヴィーガン仕様とのこと!平静を装い注文しましたが、うれしすぎて心の中では狂喜乱舞〜笑

クラリッジズの紋章をかたどった
レモンと苺のケーキ

カフェがオープンした時期のクレストケーキはチョコレート味だったので、夏用にレモン味なのかな。華やかなゴールドのケーキに気分があがります♪

クラリッジズ・クレスト・ケーキ
とオーツミルクのラテ

オーツミルクのカフェラテとともにいただきました。コーヒーも美味しいし、植物性ミルクのオプションを選べるのも嬉しい。

グルテンフリー&ヴィーガン仕様の
Claridge's crest cake with lemon and strawberry
を切ってみる

爽やかで甘酸っぱい、夏にぴったりのケーキ!果物の風味がしっかりしていて繊細なお味。控えめでちょうどよい甘さ加減。職人技をじーっくり堪能したのでした♪

友人チョイスは
Vanilla, almond and buckwheat flan
とカプチーノ

カトラリーはテーブルの引き出しから登場します。おしゃれな演出✴︎

大理石テーブルの引き出しから
カトラリー登場

持ち帰りもできるので、自宅にてまた、晴れた日は公園のベンチなどでも気軽にクラリッジズ気分を味わえますよ〜!

アートギャラリーも見学予定でしたが、残念ながらこの日はメンテナンス中。ケーキが秋バージョンの時期にまた訪れてみたいと思います。

Claridge's 公式サイト ArtSpace Café のページ(英語)
https://www.claridges.co.uk/restaurants-bars/claridges-artspace-cafe/
所在地:Brook's Mews, London W1K 4HR 

それでは、また!

※この記事は2023年8月19日訪れた当時の情報です。

日々の食事についてはこちら。


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