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〈ロンドンと食〉ストーンヘンジと夏至の朝日
なお〈ロンドンと食〉では、訪れた場所についての内容とあわせて、ふだんグルテンフリーかつマクロビオティック(プラントベース)という、自分のカラダに一番合うと感じている食生活を中心に過ごす私の目線で、外出先での食事情についても触れているおでかけシリーズです。
古代遺跡ストーンヘンジで夏至を祝う
今年2023年の夏至は、先日6月21日でした。
北半球では一年のうち昼の時間が最も長い日。
この日、謎多き遺跡として有名な世界遺産ストーンヘンジ(Stonehenge)では、前夜の日没前から日の出にかけて多くの人が集まり夏至を祝います。通常の見学は立ち入りが制限されていますが、夏至にはサークルの内側へ入ることや石に触れることも可能。(夏至の他にも、冬至・春分・秋分に祭事があり年4回無料開放)歴史と自然に繋がる特別な体験を求めて、夏至の朝日を目指すことにしました。
現地までの移動に利用したのは、ロンドンを深夜に出発するバスツアー。ロンドンの主要ターミナル駅のひとつに集合し、ストーンヘンジがあるイギリス南部まで2時間ほど移動します。車内で少し眠れたので、到着する頃には気分すっきり。
周辺まで来ると駐車場を待つ車で渋滞しており進まない……。予定より1時間ほど遅れて、降車ポイントから移動を開始することになりました。日の出時刻は4:51(この時すでに4:05頃)、移動は徒歩で30-40分かかるようなので日の出に間に合うか不安になる。
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駐車場待ちの長い渋滞
歩き始めるとラッキーなことに、昨年は無かったというシャトルバスに遭遇!おかげで日の出前にたどり着くことができました。ちょうど目の前を、古代ケルト人の宗教ドルイドの祭司が白装束で儀式のため移動中!そして数千年の伝統があるストーンヘンジ夏至祭のため、想像していた規模をはるかに上回る人たちが集まっており圧倒されてしまう。
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ドルイドの司祭
会場で案内をしていた係員さんの話によると、参加者は2万人以上とのこと!ヒッピーでピースフルな雰囲気の中、音楽を奏で踊ったり歌ったりしながら日の出を待っているグループも多くて、早朝とは思えないにぎやかさにも驚いてしまう。勝手に日本の初日の出のようなイメージを持っていたのですが、全然違ってまるでフェス会場のようなのです。笑
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日の出時間が近づいているので、人混みをかき分けて太陽が昇るポイントを目指します。ストーンヘンジにある石の配置は太陽の軌道とリンクしていて、夏至の太陽はヒールストーンと呼ばれる石を目印に昇り、日光はその後ちょうど遺跡の真ん中を照らすのです。信じがたいほどに完璧な設計!!
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ストーンサークルの内側はすでに通過できないほど多くの人で溢れていたので、ヒールストーンとストーンサークルの間で日の出を待つことに。
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少しずつ太陽が顔を出し始めます。ここにいる全員が同じ方向を見つめ、太陽に向かって一斉に歓声をあげる。
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なんとも不思議な一体感。穏やかな時間が流れていました。
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お日さまの強い光を浴びる
夏至の力強い太陽光を浴びながら、瞑想を始めるグループ、ヨガをする人(究極の太陽礼拝!)、歌い踊る人たちなど、過ごし方は様々。中には、前夜の日没を満喫しすぎたのか眠っている人もちらほら。笑
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人でいっぱい
せっかくなので、ストーンサークルの周りを徒歩で一周。そして、先史時代からの記憶が刻まれている貴重な石に触れてみました。表面は苔のようなものが付いていてモサモサした感触。この石はここで何度も季節の節目を祝う人たちを迎えてきたのだな〜と思うと、ロマンでしかない✴︎
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5時台になるとグッと気温が下がり、夏とは思えないほど指先が冷えました。しっかり寒さ対策をしてきて正解。持参した温かいお茶もしみた〜!
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雲で覆われたり突然晴れたり
最後はストーンヘンジを少し離れた場所から観察し、帰りの集合場所までゆっくり歩いて向かうことにしました。
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ちなみにストーンサークル周辺はほぼ何もないと思った方がよくて、少し離れた場所に軽食や飲み物を購入できる屋台がいくつか、それと簡易トイレが設置してある程度でした。
この日、屋台で買い物はしませんでしたが、様子を見るとバーガー・ポテト・サンドイッチなどが主でした。選択肢は多くないので、持参したシリアルバーとバナナが役立った。
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地平線を見ながら原っぱをひたすら歩く〜。早朝の空気は澄みわたっており気持ちが良い!
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たくさんの人が続く
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広い駐車場エリアを過ぎさらに進むと、やっとビジターセンターが見えてくる。またバスに乗りロンドンへ戻ります。
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ストーンヘンジへ向かう
歩道の入り口
予想を超える非日常空間だった……と、帰り道は余韻に浸りました。
日本ではあまり夏至の太陽を意識していなかったように思いますが、ヨーロッパでは重要な日であると感じます。日本に太陽の神様「天照大神」がいるように、ヨーロッパでもキリスト教が広がる以前から人々は太陽を崇拝し、一年で最も強く長い夏至の太陽を盛大に祝ってきました。特にヨーロッパの北側に位置する国々では、冬期の日照時間がとても短いので、暗く寒い時期を乗りこえ新緑とお日さまの光に包まれるこの季節を迎えることは大きな喜びです。日光を求めて、ピクニックやテラス席での時間を楽しむ人が多いこともうなずける。
自然の一部として生きていることを感じて、日々の暮らしへの感謝をあらためた夏至の朝。もうすでに日々少しずつ日が短くなっていることが残念ですが、ストーンヘンジでしっかりリフレッシュ&充電したので2023年後半戦を自分らしさ全開で充実させていきたい!
ロンドンに戻りブランチ
無事に出発地のキングスクロス駅に戻ってきました。復路は渋滞の影響もあり予定より時間がかかったので、お腹はペコペコ。目星をつけていたお店の朝食時間には間に合わなくて、別のお店を探すことに。
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訪れたのはSandwich Street Kitchenという朝食・ブランチメニューが充実しているお店です。夫、イングリッシュブレックファストが食べたかったようで選んだ様子。店名からサンドイッチ屋さんなの?と想像していたところ、Sandwich Streeという名前の通りに面していることを知り「サンドイッチ通り」ってなんだか可愛い。
メーニューを見て、ファラフェル入りのビーガン仕様ブレックファストが美味しそうだったので試してみたかったけれど、グルテンフリーのアレンジはできないとのことで諦めました。全体的にグルテンフリーのオプションは少なめ、確実と言われたシーザーサラダを選択。プラントベースの選択肢だとグルテンを含む場合が多くて、外では両方の条件を満たす食事に出会えないこともあります。ラテは植物性ミルクのオプションがあったので、オーツラテを注文。
なんでも食べられる&食べたい夫は、予定通りイングリッシュブレックファストのFull breakfast(フル・ブレックファスト)をオーダー。
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シーザーサラダと
フルブレックファスト
シーザーサラダは中東っぽいアレンジが面白い。野菜たっぷり!チキンの味付けに使っていたスパイスが美味しくて満足感ありました。一般的なシーザーサラダと違って、トッピングのチーズはなくドレッシングも別添えだったので、乳製品で腹痛になることがある私としては安心して食べられ◎
私たちの周りでは、パンケーキを食べているお客さんが多い印象でした。
Sandwich Street Kitchen
所在地:Sinclair House, 6 Hastings St, London WC1H 9PZ
帰宅しようと駅に戻ると、キングスクロス駅構内にフランスのパティスリーAux Merveilleux de Fredの新店舗がオープンしているのを発見!
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St Pancras International店外観
夜中に遠出して少し疲れていることもあり、久しぶりにここの「メルヴェイユ」を食べたくなりました。メレンゲとホイップクリームで作る伝統菓子。グルテンフリーの食生活をしている人も食べられます。ミニを2つ購入♪
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メルヴェイユというお菓子
まだグルテンOKだった時代に、ここのブリオッシュが好きだったので、夫にすすめたところ以来お気に入り。自宅に持ち帰ったメルヴェイユは暑さでややカタチが崩れてしまったものの、繊細で軽い口溶けに癒されました〜!
自宅の食事では摂らないようにしている乳製品ですが、たまにはご褒美的に解禁して楽しむのも悪くない♪(○痢止め薬は常備ですが!笑)
世界展開していて店舗数が多く、日本でも購入できるのがうれしい。
Aux Merveilleux de Fred公式サイト(日本語ページ)
https://auxmerveilleux.com/ja/
それでは、また!
※この記事は2023年6月21日訪れた当時の情報です。
去年の夏至の様子はこちら。