フレンチブルドックのハナちゃん#16
半ドン技師です。
IT部転属のドタバタの最中、私、結婚していました。
妻は、元看護師の診療放射線技師。
さすが半ドン技師の妻です。一筋縄では行きません。
そして連れ子もおりました。
フレンチブルドックのハナちゃん。
実は猫派の私。
新婚生活ではなく、犬との生活に悪戦苦闘でした。
猫と違い、常にかまって欲しい犬にとって留守番は苦痛だったと思います。
帰宅すると内開きのドアの前にウンチが。せめてもの反抗です。
そうそうハナは、なんとお父さんがアメリカンチャンピオン、お母さんがジャパニーズチャンピオンなんです。
インターネットでお父さんを調べると、ブルドックらしい逞しいお姿が出てきます。
だけどハナちゃんは、血筋が良すぎるのかひどいアレルギー。
主食は、キャベツと粟(あわ)を混ぜたもの。
おかげでハナちゃん、チワワのようなシルエット。
ブルドックの良さが・・・
粟をスーパーで買い占めるものだから、ある日、粟の棚が二列になっていました。戦略会議で、「健康ブームで粟が来てるよ」みたいな話しになったんでしょうね笑
アレルギー検査をすると、食べ物以外にもコットンアレルギーに猫アレルギー。犬も猫アレルギーになるんです。
インターフェロン療法で、動物病院に行くたびに、一万円札が数枚飛んでいきました。
犬のおもちゃを与えたら、今度は歯が折れて、抜歯代 五万円。
本当、手のかかる子でした。でもその分、愛情がわきハナも懐いてくれていました。
そんなある日、ハナが足を引きずって歩いていたんです。
この犬種は、ヘルニアになりやすいので、心配で動物病院に。
担当の女医さんの専門はエキゾチック科。
エキゾチック科て知っていますか?
犬猫以外を言うんです。
この先生大丈夫かな?と思っていたのですが、レントゲンだけで首の部分がもやもやしているのが気になると。
大きな病院でのMRIを勧められましたが、犬の場合全身麻酔をして検査をするので、十万円を軽く超えます。
先生が、「費用はかかりますが、原因が分からないままでは、これからの介護生活を過ごしていく上で、飼い主さんが辛いと思います。」
と検査を勧めて下さいました。
検査結果は、脊椎腫瘍。
徐々に歩けなくなり、食べられなくなり、飲めなくなり。
そんな時でも先生は、「また会おうね」とハナに優しく話しかけてくれました。
脱水症状緩和のために、点滴をしてもらい、その帰りの車中で眠るように息を引き取りました。
もしかしたら、急激な補水が最終的な死因だったかもしれません。
ですが、飼い主の立場で語ってくれ、何よりハナへの優しいまなざしが、静かにハナを眠らせてくれたと感謝の気持ちにさえしてくれました。
医療従事者が、本当に一人一人と向き合ってくれているのか、自分はたくさんの患者のなかのただの数字の1に過ぎないのか、それは敏感に患者さんに伝わります。
患者満足とは何かを考えさせられた愛犬の死でした。
今もトイプードルを飼っていますが、ハナのことを忘れることはありません。
もっと傍にいてやれば良かった、もっと遊んでやれば良かった、もっともっと照れずに大げさに褒めてやれば良かった・・・今でも後悔ばかりです。
大切なものに手が届く今。それはすごく素敵で貴重な時間だとかみしめ、大切なものを大切にし、生きていきたいと思っています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?