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休職日記⑩11/11人生初ゴッドファーザー

11月11日(月・10日目)

 今日の日記はほとんど休職と関係ないのだけれど、それだけ『ゴッドファーザー』に衝撃を受けたので許してほしい。
 休職したからこそ摂れた栄養という面もあるので……。

 昨日、散歩中に早稲田松竹の前を通りかかった。なんとなく上映予定を見てみると、
『11/9~11 モーニングショー ゴッドファーザー』
 とある。

 若い頃は120分座っていられず、30歳を過ぎて自分が『発達障害に伴う多動のせいで120分座っていられない人間』だと気づくまで、映画を見ることが苦手だった。
 今では、「物語の展開的にそろそろクライマックスかな?」などと予測することで前よりは落ち着いて映画鑑賞できている。
 自分の特性を自覚すると、工夫の余地が生まれるからできることが増える。

 ともあれそんな特性のせいで、いわゆる『名作映画』をほとんど見たことがなかった。
『勝手にしやがれ』も『イージー☆ライダー』も『トレインスポッティング』も、観たのは40代になってから。
(『イージー☆ライダー』の感想は「ほんまにデニス・ホッパーが路上に吹き飛ばされた……」だった。ブランキージェットシティの『デニス・ホッパー』という歌にそういう歌詞がある)

 東京からも名画座が減ってきて、名作を大きなスクリーンで見られる機会はめったにない。
 働いている時と違い、休職中は月曜のモーニングショーを見る時間がある。
 火曜日からは上映時間が変わってレイトショーになるらしい。夜遅くまで起きていると翌日の生活に支障が出る。心身の調子を崩している身としては避けたい。

「観たいな……」
 という気持ちを抱いて、昨日は帰宅した。

 今日は8時に起きた。
『ゴッドファーザー』は10時40分から。
 行くしかない。

 月曜の午前に映画館へ来れる人は限られていて、それほど客入りは多くなかった。
 私の予備知識は、「『鎌倉殿の13人』はゴッドファーザーを下敷きにしている」ということだけ。
 場内が暗くなって、3時間後に明るくなる。

 思わず、
「こんなにそのまんまだとは思わなかった!」
 と、心の中で叫んだ。

 それまで数回しかドラマ化されたことのない鎌倉時代、それも源頼朝没後の政権争いという誰も見たことのない史実の骨組みに、『鎌倉殿の13人』の脚本家・三谷幸喜は五大ファミリーが小競り合いをしているニューヨークで肉付けしたのだ。
 ドン・コルネオーレの暗殺未遂を頼朝の急死と結びつけ、警官に殴られて仕返ししたくなったマイケルを豪族としての誇りに傷をつけられた北条義時のモデルにした。

 他にもオマージュ……というか割とそのままのシーンが次々と登場し、そのたびに私は『鎌倉殿の13人』全48話をありありと思い出していた。

 もちろん単純なパクリではなく、『ゴッドファーザー』の物語やキャラクターの要素を解体して、史実のできごとに当てはめつつ本当の史実も大事に描いていたのだけれど、私は『ゴッドファーザー』という映画だけでなく『鎌倉殿の13人』という大河ドラマにも圧倒されて帰宅した。

 2作のしびれるラストシーンを思い出し、ぼんやりと感想を探していたら、何もできずに夜に。
 特濃のエンタテインメントを浴びてしまったから反芻に時間がかかった、と思って明日からまた切り替えよう。
『ゴッドファーザー』の感想は、日記だけでなく別個にも書きたい。

 明日はできる限り時間割に沿った生活をして、20分くらい散歩をしてお花の写真を撮って、インプットをしつつ今度こそキッチン収納を組み立てることを目標にする。

 縦方向の突っ張り棒に荒い網状の鉄の棒を渡し、フックで調理器具を引っかけられるタイプの製品で、デッドスペースを活用できる(11/12追記:想定と形状が違っていた)。

 せっかく新しく一人用レンジ鍋とまな板を買ったので、その使い心地の紹介もしたい。

 エンタテインメントも楽しいけれど、実生活あってこそのエンタテインメントでもある。
 部屋を片づけ自炊し、自分を整えてお金も節約する生活も始められるよう頑張ろう。

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