【読書】「売上を、減らそう。」超ホワイト企業の仕組みを知る
「売上を、減らそう。」を読んでの感想です。
この本のことを知ったきっかけは、R25のこちらの記事でした。
この記事を読んだとき、ちょうど仕事でやらなければいけない作業がかなり多く、精神的にきつい状態の時でした。
その時読んだこの記事の内容はすごく心に刺さったのを覚えています。
本の内容としては、1日100食限定にすることで超ホワイト企業を実現した佰食屋という飲食店のお話です。
どういう経緯でこのような飲食店を経営することになったのか。
経営者の中村さんがどのような思想を持ってお店を経営してきたのか。
どのような仕組みで経営を回しているのか。
そういった内容が惜しみなく書かれています。
この本を読んでいてすごく良いと思ったのは、佰食屋という企業の在り方です。
会社は従業員のことを大切に扱う。
そして従業員は現場で目の前のお客さんを大切に扱う。
「お客様は神様」というスタンスを取らず、従業員とお客様、それぞれ平等な関係性でどちらも最大限に大切に扱う。
この考え方が、すごくグッときました。
佰食屋は、営業時間がとても少なく、全員が残業せずに帰ることができ、かつ、自分が好きなタイミングで有給休暇もでき、それでいて給料も他と比べて低いわけでもないのだそう。
めちゃくちゃホワイト企業です。
これだけ聞くと、どうやってその仕組みを実現しているかが気になる所ですが、本を読んでいると、この企業の本質はそこではないと感じました。
一般的に、企業がうまくいっているかの基準は、利益がどれだけ出ているかに着目しがちです。
ですが、実際には企業の成功は利益ではなく、その企業が何目指しているかによって変わってくるのだと思います。
もちろん世の中には利益を追い求めている企業もたくさんあって、そういう企業にとっては利益を上げることが成功につながるのだと思います。
しかし佰食屋は、大きな利益を求めずに、「従業員の自由な時間を増やすこと」「従業員の個性を活かして活躍の場を作ること」など、利益とは違う企業としてのこだわっています。
そして、それが実現できているということは、大きな利益がなくても成功している企業といえるのではないでしょうか。
もちろん、企業が存続していくためには最低限の利益は必要です。
ですが、経営が苦しくなった時にも従業員に無理をさせるのではなく、仕組みを作って無理なく経営が続くようにしていこうとする姿勢は本当に素敵だと思いました。
私は、わりかし仕事をすることが好きな方で、楽しい仕事であれば長時間働くこともそこまで苦とは思っていません。
(環境が変われば考え方も変わるかもしれませんが。少なくとも今は。)
なので、残業がなくていつでも有給が取れるホワイト企業に惹かれるかと言われると、実際そこまで魅力は感じないのが正直なところです。
ですが、
・仕組みを持って就業時間で必要な利益を出す
・従業員の意思や自由を尊重する
・現場の人間が目の前のお客様を大切に扱う
・従業員とお客様を同じように平等に扱う
といった経営思想にはものすごく惹かれました。
経営に携わっている人に、読んでほしい1冊。