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皮膚筋炎のこと (1)

2018年1月1日、夫とスタバで向かい合ってコーヒーを飲みながら、
「腕が痛いんだよね」
と漏らした。
「年末の“ぎっくり背中”の影響かな」

年末に張り切って大掃除をしていたとき、
正確には、掃除が一段落してダイニングチェアで休憩していたとき、
急に首の直下がビキッッッと引き攣り、激痛が走った。
背中の痛みは数日引きずり、なるべく刺激を与えないようにそろそろと生活をしていた。
その甲斐あって、なんとか大晦日までには痛みも引いたが、今度は肩や腕が痛みだしたのだ。

考えてみれば、背中の痛みが腕に回ることはない気もするが、
そのときはまさか病気を発症しているなんて思いもしなかったし、
直近にあった原因らしきものが影響しているに違いないと思っていた。

正月休みが明け、仕事始めから1週間ほど経った。
その日は月1回の営業会議があった。
各自が案件の進捗や懸念点などの報告を行うのだが、
自分の番でなく、話し合いのトピックにも無関係な時間はヒマで、
なんとなく自分の手元に目をやると、やけに荒れていることに気づいた。
手の甲が、まだらに、ガサガサになっていた。

手持ちのハンドクリームを塗っても改善しない。
ちょうどそのころ、保湿効果が高いというヘパリン類似物質が話題となっていて、
それが含まれるクリームを買ってきて試したが、それでも荒れは引かなかった。

これにしても、通常、手が荒れるといったら手のひらのほうであって、手の甲というのがポイントでもあった。
当然、当時のわたしは知る由もなく、
「治らないなぁ、今度、人と会うのに、ガサガサの手はいやだなぁ」
と思っていた。

肩や腕の痛みも引かず、生活に支障をきたすことも出てきた。
困ったのは、下着のフックが留められないこと。
背中に手が回らないので、仕方なく、腹側でフックを留めて、ぐりんっと後ろに回していた。
風呂上がりの保湿でも背中にクリームを塗れない。髪を乾かすときのドライヤーが重い。
「四十肩…? まだ30代なんだけどなぁ」などと思っていた。

1月下旬になると、太ももや腹筋も痛くなってきた。
激しい運動をしたあと、筋肉痛に襲われたときのような痛みだった。
さすがに心当たりがない。それでも病気などとは思わなかった。

1週間ほど様子を見ていたら、少し痛みはマシになった。
ただ、その時期、出張で山形へ行ったのだが、帰りの飛行機がトラブルに見舞われ、
数時間 離陸できず機内に閉じ込められた挙げ句、
伊丹空港の着陸期限の21時に間に合わず、関西空港にダイバートという目に遭い、
心身ともに疲労した結果、痛みがぶり返した。
(これをわたしは「とどめの山形」と言っている、病状悪化のとどめを刺されたからだ)

ずっと痛がるわたしに、夫も「不自然だ、病院へいけ」と頻りに促した。
症状からウェブ検索してみると、レディ・ガガさんが線維筋痛症で活動休止したというニュースを目にした。
こんな病気だったら恐ろしい。早く診てもらおう。

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