木に関わる仕事をしていて思うこと、とは?
仕事というのは、自分で選べるようでいて、実はそうでもない?
私はこの25年ほど、「樹木医」という、
ちょっと珍しい仕事をさせてもらってきました。
自己紹介すると、人からは珍しがられ、面白がってももらえる仕事です。
ですが、自分で意思を持って選べたわけではなく、
巡り合わせで、たまたまなれた、というのが正直なところです。
けれど、やってみると、とてもやりがいのある仕事です。
先日も、募集条件は60歳以上、という、ちょっとおもしろい企画、
年配者向けの樹木巡りツアーのガイドを務めさせてもらいました。
猛暑日だったので、主催者側の人はみな、熱中症にでもなっては大変!
と内心ハラハラでした。
ですが、予想に反して、70代、80代の参加者は、
暑さなどものともせず、「外を歩きたい!」とイキイキと好奇心旺盛。
道中も、次々と質問したり、「それ知ってる!○○でしょう!」という感じで、楽しそうに、前のめりで話を聞いて下さりました。
ガイド役の私も、そんな姿を見せて頂き、本当に楽しくなりました。
そして、お裾分けすることで、こんなによろこんでいただけることを
仕事で学ばせてもらったことのありがたさも痛感しました。
そんなふうに、この仕事をして生きられる自分を心底幸せな人間だ、
と思っています。
と同時に、思うことがあります。
木のこと、自然のこと、環境のこと。
知ることで、同時に、いろんな課題も見えるようになってきました。
そして、楽しいばかり、ただ与えられた仕事を黙ってしているばかり、
ではいけないな、という気分になりました。
人もそれ以外の生物も、健全に過ごせる環境、気持ちのよい空間、
ほっとして過ごせる快適な場所。
これらは、みんなにとって必要なもの。
一方、温暖化、水害などの自然災害、大量絶滅、エネルギー問題などなど、環境を脅かす要因も日ごとに増えています。
一人一人ができることは大きくなくても、
大切なことは多くの方と共有する。
そうすることで、少しでも希望のもてる未来につなげていきたい。
そういう希望をもって、書き続けていこうと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。
この記事も読んで頂き、とてもうれしく思います。ありがとうございます!