樹木以外にも「師匠」がいると？

昨日の朝は、出かける前のチャレンジで
「思えば自分の師は、樹木でもある」
という話を書きました。

樹木の後ろ姿についてゆく｜樹木も人も笑顔に、樹木医mimi ( 三戸 久美子 )

ほとんど考えずに
手だけ動かして書いたので、
あの記事は、樹木が書かせてくれたもの、
と思います。

昨日は一日、稽古ごとの日。
その先生は、
長年の修練によれば
違う次元に生きることもできる、
のを見せて下さる存在です。

驚いたのは、
謙虚さにしても調和にしても
別の次元がある、
というのを
教えてもらったことです。

しかも、やって見せて
体感させてもらえます。

と言っても、
自分で経験しない限り
は？
だと思いますが…

その先生がご自身の経験から
師をもつことの大切さを
繰り返し語られるので
説得力がちがうのです。

で、思いました。

最近、日本では（外国の例を知らないので）
「師匠」という存在に
ついて行く人（スタイル）が
少なくなったのかもしれない、と。

師匠運に恵まれ、
師の存在のありがたさ、大切さが
身にしみるものとして、
これは、もったいない、残念なこと、
と感じます。

ですが、師匠がいると、
行動が制約を受けるのも事実。

私の思うところでは、
「師」というのは絶対的な存在で
あるときはいうことを聞き、
ちょっと都合の悪いときは
聞こえないふりをする、
自分のやりたいようにやる、
という使い分けのできない人です。

なにしろ、厳しい基準をもった
優れた存在が
いつでも自分の挙動を見ているから…

恐ろしいことに、
師は、目の前にいなくても
いつでもどこかから
自分を見ている、のを感じます💦

そのぶん、師の存在、
挙動、考え方、いろんなものが
自分の指標やガイドに
なってくれます。

要は、迷わなくてよくなるんですよね。

などと、いろんなことを思っていると
これこれ、というできごとが
思い浮かびました。

たくさんの思い出や頂いたことばが
ありますが、
思わず涙がこぼれそうになったのは
これです。

先生の急病により、急遽、
代理を務めなくては
ならなくなりました。

なんと、最初にやってきたのは、
樹木医研修の講師です。

実は、このお役目、
自分が先生の後任を
務めさせて頂くことになったら、
と想像したとき、
もっとも気の重い仕事、でした。

そういうのが
最初に、しかも準備の時間なく
やってくる…

人生とは…

説明は不要かも、ですが
樹木医さんというのは
知識も経験もすごく豊富。
そのような方に講義をするなんて…

たぶんその道の第一人者の先生方でも
やや（だいぶ）気を使う相手…

ですが、やらないわけにもいかないので
大急ぎで準備をして、
研修センターに向かう電車に
乗っていると…

どこからともなく、
ふいに声のようなものが
聞こえてくる。
正確に言うと、
浮かび上がってきました。

そのことば、とは。

「今の自分の実力で、
その仕事ができるかどうか、
判断してはいけない」

きた！と思いました。

このことば、すごく昔、
先生と出会ってすぐの頃、
仕事を手伝うようになる前に
雑談の際にさらっと語られたことばです。

それが今このタイミングで浮上してくる。

先生というのは、
生死をさまようような状態でも
こういうことばを
かけてくれるものなのだ、と。

ちょっと涙がこぼれそうになりました。

今思えば、これは先生の仕事に対する
責任感、熱意などの反映？
とも思えますが、
当時は、余裕がなかったので、
それには気づけませんでしたけど。

そんなこんなで、師匠がいれば、
叱咤激励や指示は、
日常的に次々と飛んできます（たぶん）。

その飛び方に個性があるのも、
興味深いところです。

だいたい、お師匠さんに
なってくれるような立派な方は、
個性も大変豊かだったりするので（笑）。

ですが、そういうことも
楽しませて頂きつつ、今日も、
「これをやったら、先生に怒られる～」
などと思いながら、過ごしています。

もし、はっきりとした
基準をもって
もっとよい自分を生きてみたい、
と思われるなら、
師をもたれることを
おすすめしたいです。

自己流で生きた人生と
師をもった人生。

たぶん、よい師に巡り会えたら、
師のない人生は、
考えられなくなると思います。

もし、すぐには
誰と思い浮かばない、
という場合は？

もちろん、自然界や樹木も
師匠になってくれると思います。

特に、樹木は、いつでもそこにいて、
私たちの訪問を待ってくれている
ことでしょう。