テキストの読み方、使い方というのはいろいろある。私は「正しい読み方」というのには全く興味ない。興味があるのは、技術としての読み方だけだ。

史料を読むというのは、探偵みたいに読むことだ。「いつどこでだれが」と考えながら、書かれたことが有り得そうかどうか、矛盾する資料があるかどうか、そんなことを考えなければいけないだろう。

私の場合、職業柄大量のテキストを読まなければいけないけれど、そうでない人はそんなに大量に読まなくてもいいと思う。去年スピノザの本棚には200冊も無かったと思う。エチカや国家論で引用されてる本は100冊程度のはずだ。神学政治論なんてほとんど新旧約聖書だけのはず。彼の読み方というのは、自分の琴線に触れる作品を解剖的に、完全に使いこなせるまで読むというやり方だ。

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