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2023_0527_本読み

<1570字>

冒頭の写真:
たくさん採れたビワをジャムに。
ジャムは初。剥いて種を外すのに時間がかかる。作るのにはなんでも時間がかかるなぁ。


5月27日(土)は以下を読みました。

『あまりにロシア的な。』 
亀山郁夫 著

青土社
第4章 記憶の冬、冬の記憶
 3 歴史の影ーー東欧から
ワルシャワ通りーー書簡6    ビバ・プラハ!ーー手記17
(245〜250ページ)

そろそろこの本の残りも少なくなってきたので、留学も終わりに近づいたのではないかと思います。

ポーランドとチェコへの旅のレポート(1995年です)。

ワルシャワはまだ大戦の傷がそのままで酷く落ち込んでおり、対するプラハは美しさにため息が出る、というふうに表現していました。

どちらも行ったことがないので、見てみたいものだと思いました。そして30年近く前だから、すごく変わっていることだろう、とも。

(音読した人:山崎)





『沖縄ノート』 大江健三郎 作 

岩波新書
八重山民謡誌69年

音読しているこいでさんに合わせてなるべく声を合わせるようにして読んでみた(自分の音声はミュートにしている)。人の声に合わせて声を出すのは楽しい。画面に本文も映しているから、シャドウイングというのともちょっと違う。
今日のところは、著者の主張、日本が沖縄に属している(沖縄が日本に属しているのではなく)ということの内容がよく理解できた。
アメリカに支配されているのに独立国であるかのように振る舞う日本の矛盾がえぐい状態で露出している場が沖縄、というのをこの逆説に込めたんだな。

読んだあとに、こいでさんがNHKで見た大江健三郎のインタヴューに見入ってしまった、ということをしゃべってくれました。そのなかで「新しい人」ということばが印象的だったと。
いつも光のある方、明るい方を向いて進もうとするのが人間という生き物の本性であって、紛争などでも和解の道はかならずあるはず、ということを前提とするのが「新しい人」である、と山崎は理解しました。

(音読した人:こいでさん)





『漱石・子規往復書簡集』 和田 茂樹 (編集) 

岩波文庫

子規の4通目。8月29日に、大津の三井寺から。
前の漱石の手紙の懇切丁寧な皮肉?に、強く反応して書いているのがとても面白くて、笑ってしまう。
〈幻住庵の跡〉ということば、聞いたことがある名と思い読後に調べると、芭蕉が四ヶ月間隠棲した庵でした。そして、現在あるものは1991年に作られたもの、ということなので、この明治23年には「跡」だったんですね。

この前の子規の手紙は8月15日に松山から。そろそろ病もおちついて琵琶湖まで旅に出たのだろうか。そして訪れる場所はやはり芭蕉ゆかりの地。

こいでさんが、郵便がすぐに届いてる様子に気づいて、明治の日本の前進する力強さを感じました。それでWikipediaを見ると、

〈 翌1872年(明治5年)8月に前島が英国より帰京すると、郵便役所はさらに横浜、神戸、長崎、函館、新潟と全国展開が図られ、江戸時代に地域のまとめ役だった名主に自宅を郵便取扱所とする旨を要請、1873年(明治6年)に全国約1100箇所の名主が郵便取扱所を快諾したことから、郵便制度は全国に拡大した。 〉

とあり、地元の有力者の家が郵便局っていうことの経緯を知りました。

(音読した人:めいさん)





『俳句的生活』  長谷川櫂 著

中公新書
第10章 俳

この章の最後で、章題の「俳」という語についての話に。
俳諧、誹諧、発句、俳句、俳優(この語の意味が語られ、そういうことだったか!という驚きがありました)などの語がつぎつぎ現れ、この分野の変遷の語り口が、さすがの「芸」みたいに感じ、
受け取った山崎には
「いやー学ばせていただきました。」
という感慨がありました。

(音読した人:きよもとさん)


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